- 937 操縦席のiPad
- NAME : 雲屋 2013/02/27 19:35:44
- はじめて投稿します。先年に米国KLVK+KRHVに於いてFAAプライベートを取得した還暦過ぎの男です。滞在中は勿論のこと 帰国した後もこのcfijapanを頼りにしておりましたところFAA免許をJCAB自家用陸上単発に切替へ、また航空英語能力証明も取得することができました。また先日私にとりまして始めて日本での操縦の機会がありました。
空港へ帰着後、当然の如く私の日本での初操縦のAviation,Communication,Navigationそれぞれについて多くの指摘を頂きました。安全を旨とする操縦士にとりまして年齢や長いブランク、ご当地お初というようなことはもちろんExcuseにはなりません。ここに指摘の全部は書けませんが一つ気になったことがあります。それは私は米国での操縦の時はiPadを便利に使っていたので今回も必死に操縦中覗き込んでいたので「もっと外を見るよう」指摘をうけてしまいました。もちろん今後はもっと外を見るようにしなければならないのは当然ですがここで関心が出てきたことに日本では操縦の時にiPadはどう使われているのかということでした。勿論教官さんやATCの声が聞こえた時はiPadを放り出してそちらに集中すべきことはわかっているのですが。「日本のことは聞かないで」ということを知りつつも聞いてしまいました。
- 937-1 NAME : Taru 2013/02/27 21:18:39
- こんばんは
Taru@居酒屋です。
河内の雲屋さん、まずは日本でのフライトおめでとうございます。 上田さんのコメントの前に恐縮ですが、日本でのフライトでiPadでは何を参照されていましたでしょうか? また、USでは主にどのようなアプリを使われていたか今後の参考に教えていただけませんでしょうか?
日本では、iPadを機内で使えないTaruでした-_-b
- 937-2 NAME : 雲屋 2013/02/27 23:13:30
- Taruさん、こんにちは。早速ですがソフトはご存知と思いますがForeFlightとSkyvectorでした。ForeFlightは有料ですのでチャートが日本の空対応だったらいいのにと思っています。ネットはauのポケットWiFiをつかいました。いずれにしましてもiPadを覗いている間は外を見ていないという事実は要認識ですね。
- 937-3 NAME : 管理人 2013/02/28 06:04:31
- 「日本の事は聞かないで」は事実ですね。 日本の空は知りませんからね。
数回ですが、日本で乗せて頂いたのは事実でして、全く知らない訳でも無いのですが・・・・ アメリカのPrivateを取っただけでは、日本は厳しいのは分ります。 関西、中部、関東で乗せて頂く機会がありましたが、どの空域でもアメリカよりも厳しいですね。
狭い国土の為、地上の目標地点が見難いし、障害物が多い。 障害物が多いのだけど、目標物になるほど、明確でも無い。 街や地形が乱雑なので、かなり航法に注意しないと、FAA PrivateだとLostするだろうなと言うのがイメージです。
そしてどの空港でも、民家等の密集があり、滑走路の手前まで障害物が有る。 土地が狭いので、仕方の無い事なのですが、その分、責任が重いのが分ります。 そして、天候の悪化が早く、風向きの変化も日本は大きい。 ハワイとか強風の吹く地域で訓練された方なら対処は出来るでしょうけど、 私みたいに西海岸がメインな人だと、かなり疑問ですね。
そしてルールの違い。 アメリカが楽すぎるのも有るでしょうし、日本が厳しすぎるの有るでしょう。 でも、法規というか、ルールが違いますよね。
Navigationが完璧であっても、飛行方式が違うので、数時間の訓練では無理と思います。
何十年も前ですが、日本で乗るには、飛行機代がアメリカの5倍。 その上に、アメリカの倍の飛行時間や訓練が必要と言われたのですが、 今となれば、意味がよく分りますね。 アメリカの様に気楽に乗れればと思いますが、そこまで単純で無いのも分ります。
質問はiPadですが、日本の事ですよね。。。 私が答えても良い物かな?と思いつつ、、、
- 937-4 NAME : 管理人 2013/02/28 07:10:06
- 『それは私は米国での操縦の時はiPadを便利に使っていたので今回も必死に操縦中覗き込んでいたので「もっと外を見るよう」指摘をうけてしまいました。』
私は日本の事は書けませんが、操縦中のiPadやGPSの使用に付いて書いて見たいと思います。 これに関しては、アメリカも日本も無いと考えています。
GPSはかなり便利な物で、操縦を楽にしてくれるのは誰もが認める事です。 私も否定は出来ません。 ただ私の時代にはGPSは別世界の時代でもありまして、よくて地図の無いLORANぐらいでした。 その為、VORやPilotage, Dead Reckoningを駆使した航法が中心で手抜きはあまり出来ません。 これにDMEが有ると、ちょっとは楽になったのですが、常にチャートと地面の見比べです。 そして、常時、地上とチャートを見比べて、現在地を確かめながらの飛行でした。
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今回の投稿で、気になった点は、 「操縦の時はiPadを便利に使っていた」 と 「必死に操縦中覗き込んでいた」 の部分です。
iPadは私も持っているので、便利なのは分ります。 そしてCRMを考えればiPadの使用も悪く無いです。 まあ、今、アメリカで訓練を再開するなら、Solo Cross Countyの時にiPadとか持たせるでしょう。
問題は「必死に覗き込んでいた」の部分だと思います。 これは雲屋さんだけでなく、GPSを多用してる人に見られる傾向であり、古いパイロットには気になる点でもあります。
GPSはコンピューターと併用ですので、ボタン一つで目的地まで、誘導してくれます。 でも、便利すぎて、そればかりに気を取られる人や過剰に頼る人が見受けられます。 GPSの指示ばかりを見て、チャートを見ずに、方向ばかりみて地形を見ていない人。 GPSの方向に機首を向けて、横風を全くの無視でコースが守れない人。 アメリカの事故報告で、GPSにコースをセットして、寝てしまいそのまま障害物に衝突。 また寝過ごしてガス欠で不時着ってのも有りました。
何が書きたいかと言いますと、「GPSに頼って、操縦を忘れてませんか?」です。
先年に免許を取られたと言う事なので、まだ基礎的な事を固めてる段階と思います。 このレベルの段階では、どうしても計器を中心にフライトを行う人が多いのが現実です。 しかし、大半の人は計器ばかりが中心で、外を見てない人が多いのです。 高度計とHeading Indicator、そしてボールばかりを見て操縦する人が大半です。 その上で、iPadのGPSとなると、「外を見てますか?」と疑問に思います。
飛行機を操縦していたのでは無く「飛行機でiPadを見ていただけ」になってませんか?
またiPadのGPSなんて、安心しちゃ駄目ですよ。 参考にしても良いのですが、 航空機用で機体に取り付けられるIFR用のGPSで無いと信頼性は有りませんよ。
自動車のGPSでも、街中で運転してても、たまに山奥を走行してると表示されませんか? 多くの方がiPadのGPSを飛行機で使用されているのは知っていますし、その流れは間違い無いです。 でも私のiPadは役に起たない時が多くて。。。。
- 937-5 NAME : Taru 2013/02/28 07:38:36
- 皆様、どうも。
雲屋さんが米国で使われたようなお値打ちで使えるソフト、残念ながら日本で使えるものはあまり見つからないように思います。
日本では、毎年VOR局、NDB局の削減が行われており無料のSkyvectorなどで日本の空を飛ぶには、アップデートの保証が無いので注意が必要です(^_^) 余談ですが、浜松VORが廃止された時、東京コントロールに電波が受信出来ないと交信しているエアラインパイロットもいました。
航空情報入手は、地上での念入りなじゅんびが必要になりますが、 https://aisjapan.mlit.go.jp/Login.do から入手し、必要なページをiBooksにストアして参照するのが、お安くあげる方法かと。
Air NAV Pro の利用も、一考の価値があるかと。
何れも、適切な区分航空図、TCAチャートは別途必要です。
JEPPSSENのソフトは便利ですが、サンデーフライヤーには高嶺の花です。
使いこなしたいのですが、iPad、アプローチチャートとザックリとした位置参照位にしか使えていないのが私個人の感想です。 英語能力証明をお持ちでしたら、すぐに日本の空も楽しめると思います。関西TCAは日本語も大事ですが(^。^)
日米の違いを楽しむつもりで、、、また、色々と情報をお願い致します。
- 937-6 NAME : 管理人 2013/02/28 08:00:02
- 先年に免許を取られたと言う事で、、、
私が今まで見てきた、新しい人に多く見られる傾向と対策を、この機会に。
教官をしてると、色んな人と乗るチャンスが増えます。そして、右席で操縦するので、右席からは計器なんてあまり見て操縦は出来ません。
実は私も、外を見るより、計器ばかり見るパイロットでした。でも、右側で訓練する事で、外を見ての操縦方法に変わりました。すると、操縦レベルがグーンとアップ。 そして、飛行教官の資格が取れる様になりました。
そこで、経験の少ない皆さんに、私が伝えたい操縦術です。 雲屋さんの「必死に操縦中覗き込んでいた」は、多くの皆様に見られる傾向です。できれば訓練の初期段階から外を見る様に意識して欲しいですが、私の様にCommercialでも使えますよ。
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何度も書いて来たと思いますし、皆様も言われてきた事でしょうが、、、、 操縦する時は、『計器じゃ無くて、外を見る事』が大事です。
教官が「高度!」とか「ヘディング!」、「Airspeed!」と連呼するからどうしても計器が中心になるのも理解はします。 でも、外を見る事を意識して下さい。計器中心でも免許は取れるのですが、操縦が下手になりますよ。私の場合は教官からの注意の繰り返しで、中ばかり見てたので、外の「見方」が分らず苦労しました。
「外を見て!」と言っても書いても、なかなか理解出来無いので、私流の「外の見方」を残しますね。
--- 高度(と速度)
高度を守るには、地平線とノーズを見ながら飛ぶと楽なんです。 水平飛行が守れる様に間隔を一定にしてやると、高度なんてそんなに変わりません。 Steep Turnで高度が守れない人は、この事を注意してやると、高度が簡単に守れる様になります。
コツは、高度を保てる水平飛行をします。 その時の地平線とNoseの位置を覚えて下さい。 後は、それを守るだけです。初期を除き。微調節もあまり要りません。 間隔を守って下さい。
これだけですが、出来無い人が多い。出来る人も多いのだけど、高度計ばかり見て、変動に気が付かないのが大半です。
Steep Turnでは高度が下がる人が大半なのですが、高度計ばかりに眼が行って、Noseが下がった事に気が付かないので、対応が遅れるのです。下がった瞬間には高度は変わりませんが、数秒で変わります。でも外を見てれば、高度計が下がる前にNoseが下がるのが見えるので、高度が狂う前に修正が出来ます。
高度のコツ、その2は、 トリムをセットして手放しで飛べるぐらいにします。 トリムが狂ってると常に腕に力を入れる必要があります。でも人間は常に同じ力で操縦桿を持つ事なんて出来ませんので高度が変化します。 操縦桿を持つ必要が無い様にするのがコツです。
ここでの注意は手放しで飛べる様にする事を意識するのです。緊張して、腕に力が入ってる人が多いのです。 (注意!)腕で操縦桿を押し引きしながらトリムをセットしても何の意味も有りません。
手を放して、トリムをセットして下さい。。。。と書くと怒られるので、 操縦桿は指2本で持って下さい。 (指の数は3本でもOK) そして、トリムをセットする時は、その指2本と操縦桿の間に1ミリほどの隙間を作って下さい。 間を開けて、操縦桿が指に当たるならトリムが合ってない証拠です。 前を見ながら、Noseと地平線の適切な間隔を保ち、指や腕に力が不要になる様にトリムをセット。
すると、何もしないで飛行機が勝手に高度や間隔を守ってくれます。 手放しで飛べると、余裕が出来ます。 後は、数分に一度ぐらい高度計を確認する程度かエンジン出力を変える時で十分です。
速度のコツ 離陸や着陸など、常に高度が変わるけど速度が一定の場合は、 高度を速度に置き換えてやります。 速度を守れるNoseの位置があります。 それを見つけ、トリムでその姿勢を保ってやります。
Short Finalでもトリムを使うと速度が守りやすくなります。
-----Heading
指定されたHeadingに方向を向けます。 そして「目の前に何があるか?」を見ます。 その方向に機首を向けていれば、Headingなんて変わる物じゃ無いです。
Heading Indicatorは無機質な表示をしています。 ちょっとの変化は見抜きにくい物です。 ですから、外を見て、「そのHeadingならどこに?」と進行方向に有る物や「目標」を見つけます。 それで外で見てやると変化が見つけやすくなります。
横風が有るので、可能なら「その方向に向かってるか?」が良いのです。 若しくは地平線上に一点だけ停止して見える部分があります。 その部分が向かっている点なので、その「目標」を一定にしてやれば、もっと良いです。Heading は地平線に目標を決めてやると楽です。
あとは足の力を抜く事も必要です。 操縦すると、無意識の内に緊張して、無意識にラダーを踏んでしまいます。
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この様にして、無意識にでも真っ直ぐと飛べる様になると操縦が楽になります。 こうなるとGPSであろうが、iPadでも、見る余裕が出てきます。 高度やHeadingが守れない間に、GPSやVOR, DME、チャートを見ると、 数秒で変な方向に飛んでしまいます。
雲屋さんや、皆様は気楽に水平飛行が出来ますか? 必死になって高度やHeadingを守ってませんか? 気楽に出来無い状態で、違う物を見ると迷子になったり、飛行が無茶苦茶になりますよ。外を見る意識をして下さい。
GPSだけでなく、VORでもチャート, iPadでも、真っ直ぐに飛ぶ事が確実になってからが良いですよ。真っ直ぐと飛行するのが不安定なのに中を意識するのは、危険だよ。 雲に入ったり、禁止区域に入ったり、最悪は障害物や山とかに。
- 937-7 NAME : 管理人 2013/02/28 08:12:05
- Taruさん、 おはようございます。
まだ、たまに腰が痛たたたですが、だいぶと改善されています。
私もiPadは持ってるのですが、GPSはビックリする程に正確な時と、 え?え?と思うほど、何十キロと離れている場合があります。 飛行中のGPSって、やはりザックリが限界ですかね? iPadとかアンテナが怪しい物の限界なのかな。 航空機用でIFR用なら、安心は出来ると思うのですが。
自動車のGPSはINSも装備されてる事もあるのか、比較的安定してますが、 街中を走ってて、山中を表示したり、 以前は国宝の寺の中を突っ走ってる様に表示されたりしています。
まあ、日本はアメリカよりも早くVORが淘汰されていると聞きますが、GPSには限界を感じますか? iPadやスマホの限界かな?
どちらにせよ、人工衛星を使った航法が無かった時代のパイロットです。 VORやNDBの用に確実に地面にアンテナが無いと不安な世代です
- 937-8 NAME : Taru 2013/03/01 01:52:53
- こんばんは
GPS小さなキャビンでも、外部のアンテナが必要だと思いますが、雲屋さんはiPad内臓のアンテナでしょうか? 実際には、この外部アンテナがないとちょっとキツイかな!?と思うところです。
管理人さんの言われる通りで、GPSより地についているNAV AIDS の方が気持ちの問題ですが安心できます(^_^) 気のせいか、米国では地上のNAV AIDS が未設置の飛行場にGPSアプローチを設定する合理性が理解出来るのですが、日本の行く末がわかりません。
管理人さんの腰痛が、早く平癒されます様にお祈り致します。
- 937-9 NAME : AOZORA 2013/04/02 21:24:23
- こんばんは(#^.^#) このサイトに出会って大変興味深く拝見させていただいております。
それと同時に、自分と同じ苦労をなされている方々の生の声をきくことができるこの場所に
たどり着けた嬉しさでいっぱいです(*^^)v たまたまこちらに寄らせてもらい、少しお話させて
いただいてよろしいでしょうか(^^ゞ 当方日常仕事で飛行させてもらっておるわけですが、
やはり鉄の塊が空中に浮いているということを忘れないようにしております。どういうことかと
いいますと、この機体が「今(でしょ)某CM」不具合により不時着を余儀なくされた場合、
「あそこに行くしかない」という判断が、ipad に表示されるでしょうか?
しませんよね。 はい、機長が常に今だったらあそこ・・・という気持ちを持って飛行することで
最悪の事態に備えているのだと考えます。NAVの助言はしてくれるけど、エマーの判断までは・・
ということです。当方ヘリパイで常時騒音軽減、緊急時の不時着場所などを考慮した経路取りをしつつ
フライトしてます。これは、やはり経験や、口うるさい先輩(笑)のご指導によるものだと考えます。
「外を見る。」姿勢、適切なバンク角、カージナルな指定方位での切り返し。色々あると思いますが、
エマーで助かるためのものだと考えれば・・・・理解が早いのではと考えます。
- 937-10 NAME : Taru 2013/04/02 23:12:43
- Taru@winebarです(^_^)
少なくともFAAの学科試験では出てきますが、ADMですね(^o^)
どんなに、ハイテク(死語?)化しても意思決定は、人間の仕事ですよね! だから、人間の存在価値があるわけですよね(^ ^)
機械はあくまでも、アシスタントでそれ以上には。。。難しいですm(_ _)m
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