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81 計器高度と気圧高度
NAME : 紅の豚 2013/06/13 11:25:47

突然、お邪魔します いつも大変、お世話になっています 初心者ですが難問にぶち当たりました 以下、どのような計算式で求めるのか教えていただけませんでしょうか お手数をお掛けしますがよろしくお願いします

「QNH2938の時の計器高度6500ftは、気圧高度7000ftである」

「QNH3047の時の計器高度5000ftは、気圧高度4500ftである」



81-1 NAME : ふくねこ 2013/06/13 13:19:57

わーい。こういう勉強ネタは好きです。
Yahooのみん検も無くなっちゃったし。

計算式って〜程のものでもないと思います。
標準大気圧が QNH2992=(29.92inch)だと云うことはご承知かと思います。
で、高度が上がるほど気圧も下がりますよね。
この時、1000ftあたり1inch変化するとされています。
つまりQNH2938(29.38inch)のときは29.92-29.38=0.54inch気圧が下がっていることになります。
気圧が低いってことは、高度は高い状態なので6500ft+(0.54*1000)=7040ft≒7000ft。
逆にQNH3047(30.47inch)のときは30.47-29.92=0.55inch気圧が上がっているので、5000ft-(0.55*1000)=4450ft≒4500ft。
って、こんな感じでどうでしょう?

 と、ここで疑問が。
勉強的な部分のお話ですが、例のようにFL140以下の場合、高度計自体をその場所のQNHに合わせるので、気圧高度も6500ftの時の計器高度も6500ftになるのではないのかな?と思ってみたり。
こういう問題のときは、計器のAltimeter Settingaは29.92として!って話になるんでしょうか。



81-2 NAME : 紅の豚 2013/06/13 20:54:56

ありがとうございました とても良く理解できました

それで、もう一つお伺いしいたいのですが、真高度を知るために必要な情報は「気圧高度」と「気温」ですか? だとすれば真高度を知るためには、まず最初に計器高度を気圧高度に変換しなければならないのですか?



81-3 NAME : ふくねこ 2013/06/13 23:36:05

高度については、管理人さんのサイトのお勉強室に詳しく書いてありますので、ご覧になってください。
(実はアタシでは理解しきれないくらい詳しく解説されています。 ^o^;)

アタシの理解では、QNHに合わせた気圧高度を計って、外気温を計ってE6-Bをクルクルすると密度高度が分かるので、現在のQNHと標準気圧29.92inchの差分を計算することで、「概ね」真高度(MSL)が出ると思っています。

ただ・・・ここは本当の飛行機乗りの方とは意見の違うと思う所ですが、本来の真高度はWGS84で規定された楕円体の標準海面高ですから、実のところアタシの知る限りGPSでしか計測できません。
なので「飛行機乗りの世界では、便宜的にこういうものヨ」って理解するようにしています。

って、うまく説明できているか自信がありません。 ^_^;
管理人さん、はやく体調を戻してください。



81-4 NAME : 管理人 2013/06/14 03:46:31

紅の豚さん、遅れてすいません。 ふくねこさん、アシストありがとうございます。

体調は戻ってますが、時間が戻ってません。 ちょっとだけ、私なりの意見を。

基本は、ふくねこさんの「この時、1000ftあたり1inch変化するとされています。」で良いと思いますよ。完璧に求めても、大して差なんて出ません。 50フィート程度の誤差なんて、パイロットエラーの方が大きいです。

厳密に答えるなら、換算表からの計算が必要になります。QNHで書かれてるので日本での人でしょうが、私らアメリカだけの人間ですと、FAAのDensity Altitude Chartが最も手に入りやすい物です。

http://www.cfijapan.com/study/html/to099/html-to099/073e-Denstity_ALT_CHR_Sample5.htm

このチャートの左側にある表。 もっと細かい表も有りますが、FAAではそこまで気にしてる様には見えませんし、普通では探すのも困難でしょう。

「QNH2938の時の計器高度6500ftは、気圧高度7000ftである」
29.3 と 29.4 を見ます。

29.3 +579
29.4 +485

と計器高度に足し算をしてやればPressure Altitudeです。
この問題は 29.38ですから、、、10分割して、29.3から 0.08分 29.4に向かうと、かなり厳密な数が得られます。

579 - 485 = 94
94 / 10 = 9.4
29.4付近では0.01の変化で9.4の変化が有ると分ります。
29.4から0.02減らすのに
2 * 9.4 = 18.8 が必要となり
+485 +18.8 = + 503.8 をIndicatedに足すとPressure Altitudeになります。
(0.1単位なので、まだ誤差は有るでしょうけど、皆無でしょう)

6500+503.8 = 7,003.8 ft
ともっと7,000 ftに近づきます。
もっと厳密に計算すると、もっと7000に近づくのでしょうけど、これ以上は、高度計専門家や気象学者にでも相談して頂く必要があります。

もう一つの方は、気圧が高い日なので、マイナスにします。 

-----------------

真高度を知るために必要な情報は「気圧高度」と「気温」ですか? 

Yes!
Flight Computer なら、その2つで大体の事が分ります。
日本の場合は、何処まで細かく検討する必要が有るのか分らないのですが、通常にフライトするなら十分ですよ。
Flight Computerでは密度高度も真高度も分ります。 (あまり細かい事を言われると、測量士さんに頼んで下さいになります。)

------

「飛行機乗りの世界では、便宜的にこういうものヨ」
これが現実ですし、普通なら十分に機能します。

高度計は高度では無く、気圧を測定しているだけですが、それでも、物凄く敏感で正確です。 でも、気圧を測定してるので、気圧変化までは対応出来ません。 でも、皆が同じ気圧高度計を持てるので、皆が同じ誤差を持っています。 同じ誤差なので、逆に安全がより高くなり、高度計の誤差は、無い物として飛行します。 その代わり、低空ではQNHで飛行してねとなります。

それで、離陸・着陸時の高度と標高がほぼ同じになり、安全に飛行出来ます。 そして、上空では他機との衝突防止が大事になりますので、皆が同じ計器と計器表示が必要となります

そして、超低空飛行では、障害物は、高度計の誤差に関わらず一定です。 当たり前ですが。 ですから、低空飛行する時や、障害物の近くを似た様な高度で飛行する際は注意して下さい。

ーー

また後ほど



81-5 NAME : 紅の豚 2013/06/14 07:08:11

管理人さま

とてもわかりやすい解説をありがとうございました あまり掲示板を独占すると皆さんのご迷惑になると思いますのでこの件についてはこれが最後にしようと思いますが最後にもう一点、「計器高度から気圧高度への換算方法」について教えていただけませんか?

「QNH2938の計器高度6500ftは、気圧高度7000ftである」についてですが、

ただ単純に「2992−2938=54なので、6500ft+540ft=7040ftだから、おおよその気圧高度は7000ftである」とう理解では間違いでしょうか?やはり先ほどの回答でご紹介いただいた換算表から求めるべきですか?



81-6 NAME : Taru 2013/06/14 14:21:50

こんにちは!

>それで、離陸・着陸時の高度と標高がほぼ同じになり、安全に飛行出来ます。 そして、上空では他機との衝突防止が大事になりますので、皆が同じ計器と計器表示が必要となります

厳密な高度は、航空測量では必要でしょうが、「精密高度計」を使用してQNHの校正が行われていれば管理人さんの言われるように、衝突防止(他機・障害物)が大切ですね。
ところで、AltitudeとFlight Levelの違いですが、改めて説明を求められて恥ずかしい思いをした事があります。

どなたか、整理して説明して頂けませんかm(_ _)m






81-7 NAME : ふくねこ 2013/06/14 23:34:24

アタシが口を出すような話では無いかもしれませんが、アタシが調べた限りの話として。
一応FAAのTextには・・・

Flight level (FL). A measure of altitude (in hundreds of feet) used by aircraft flying above 18,000 feet with the altimeter set at 29.92 "Hg.

とあります。(ちょっちニュアンスは違いますケド)
他の所を見ても、概ね18,000ft以上の場合、つまりClass Aを飛行する場合にFL〜を使うみたいです。
ただこれも慣例的なもののようで、例えばPIREPSの文例なんかでは、FL060とかFL095みたいな使い方もされています。
なので単になが〜い高度を云うより、細かい100ft程度の話は無視してってところで使えばいいんではないかと勝手に解釈しています。

あり?上の自分のResで、「29.92に合わせるのはFL140以上」って書いてある・・・。恥 ^o^;

> Flight Computerでは密度高度も真高度も分ります。

え”!? 管理人さん。E6-Bで真高度も解るんですか? 気付かなかった。
もっかいCFI-JapanサイトのE6-Bのページで勉強しなおしてみます。 ^^;



81-8 NAME : Taru 2013/06/14 23:51:11

ふくねこさん、ありがとうございます。

この掲示板にふさわしくないかもしれませんが、日本でFL020はあり得るか?という試問を受けたことがあったので。。。

さすがのレスポンス、ありがとうございます。



81-9 NAME : ふくねこ 2013/06/15 11:53:21

Taruさん。面白い疑問をありがとうございます。

ちょっと拙速な考えかとも思いますが、Flight levelはMSLですよね?
(ついでにこれも個人的には水平安定飛行、もっと云うとVFRでも問題は無いけどIFR向き?ってイメージがあります。)
って事は、FL020の場合実質的にFL020で飛べるのって、海岸沿いや沿岸平野部に限定されませんか?
ただでも寒くて低気圧に覆われる場合も少なくないですから、AGLはかなり低くなっちゃいますし。
しかも、日本の場合は狭い国土ですから、そういう所って結構人口密集地域だったり高層構造物があったりしますよね。
そうすると2000ft MSLで飛べる所って少なくないですか?
周りが海の国ですから、それを入れると全然問題無しでしょうケド。

なので個人的には、日本でもFL020は「あり得る」けど、「あり」かどうかはちょっと疑問、って感じがします。
だって、そんなに気を使いながら縫うように飛ぶのって疲れそうですモン。 ^_^;
まぁ少なくともClass E Airspaceなので、IFRでFL020も無くはないかと。

で、Taruさん。
その試問の答えって出てるんですか?



81-10 NAME : 管理人 2013/06/15 16:52:55

紅の豚さん、 どちらでも良いです。 どこまで精密に求めたいか?が疑問です。
1インチ=1,000フィートと簡単に考えても、大きな誤差は出ません。
あの表を使っても、数フィートは誤差は出ます。
完璧な数値を求めるなら、電子計算機? です。

Taruさん、
改まって聞かれると、私はFAR Part 1を見るしか有りません。
Altitudeの定義は出ていませんので、Flight Level。
ふくねこさんのテキストからの回答でも問題は無いとは思いますが、完璧なのはFARです。

Flight level means a level of constant atmospheric pressure related to a reference datum of 29.92 inches of mercury. Each is stated in three digits that represent hundreds of feet.

まあ、29.92を標準とした気圧層の高さを、3桁の数字で表した物となっています。後半は例なので省きました。
アメリカだと18,000以上は29.92ですし、日本だと14,000でしたっけ(ちょっと不明)。 
TransponderのモードCも29.92。
そして、気圧高度、Pressure Altitudeでしょうか。
その高さを3桁で表した物が答えなんでしょう。
そうなると、アメリカのFARでは、FL020は可能性ありですよね。
高度計を特定の高度以上で29.92に合わせるのは、他の法律で定められているのですから別物と考えるのが自然です。

ふくねこさん、
E6-Bは、時計とかじゃなければ可能ですよ。
もちろん、誤差はありますけど。
For Ture AltitudeとかAltitude Correctionとか書かれてませんか?
メーカーによってデザインが違うのです、説明方法は分りませんけど。
Ture Airspeedも可能です。



81-11 NAME : 管理人 2013/06/15 17:01:47

あっと、Altitudeを忘れてた。

FARでは定義されてないので、普通の英語・英単語と考えるのが普通でしょう。
ですから、
「Altitudeは、有る物体が存在している高さ」と答えます。
でも、この高さですが、色々な測定方法や考え方があるので、注意が必要と思います。

一般的に私らが言うのは、高度計が示すIndicted AlitudeがAltitudeを指す場合が多いでしょう。
でも高度計は誤差が有るので、それを何処まで考慮するのかで名前も変ってくる。
Indicated, Corrected, Ture, Pressure, Density や Cabin Altitudeと目的に応じて変ります。
それに、"0"を何処にするのか? Mean Sea Levelなら上記のがそのまま使えるでしょう。
地面を基準とするなら、Absolute Altitudeですよね。

まあ、組み合わせを考えると、英語の説明を付ければ良いのではないかと思われます。
実際に名前があるのかまでは知りませんが、これ以上細かいのは意味が無いですよね。
設計の話や検査機関レベルは、操縦士には関係無いです。

こんな説明で許されるかな?




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