- 139 ふくねこさんの書き込み、GNSSとGPS
- NAME : ふくねこ 代筆:管理人 2014/06/23 16:22:32
- 最初の質問から、大きく道が外れて着たので、無断で新しくしますね。
(管理人の権限で、前のは消して、こちらに強制移動。)
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やっぱり出ましたね。(予想はしていましたが。^^;) もうこーなると生理的な問題なので、キライって人を説得しようとも思いませんが、技術面の参考意見として。 (長いです。 ^_^;)
> ふくねこさん、アンテナを忘れてるよ。
GNSSはシステムです。 そもそも別々に考えるべきものではありません。 身近な例では、TV買ってAntenna立てない人は居ないでしょ? くどい表現すれば、GNSS=Antenna+Antenna mount+Antenna cable (with connector)+Power cable (or Battery)+I/O Interface+Software ってな感じです。 余談ですが現在は従来の'GPS'は'GNSS'と呼ばれています。 これは各国でGPS衛星の運用を開始していてややこしくなったからみたいです。 アメリカ版がGPS、ロシア版がグローナス、欧州版がガリレオで、他にもインドや中国も開始しています。 日本も準天頂衛星を上げて、GPSを補完し測位精度を向上させてGNSS運航に対応させるそうです。 (アメリカ版のWAASみたいなもんで、現在試験運用中の本格運用間近・・・らしいです。)
> それに金属内(機内)で「GPS信号が確実に受信」出来てるってどうやって分かるの?
あたりまえですが、GPS信号が途絶えたら動作しませんから判りますよ。 ^_^; 「確実な受信」と云っても、デジタル信号ですから「不確実な受信」と云う状況がありません。 「不確実な精度」ならあり得ますが、GPS信号からPDOPと云う精度誤差を得られるので、ここから判定することもできます。 例えばPDOP3以上のデータは利用しない等々。
> iPhone, スマホ、タブレットの小さい本体の中にある脆弱なアンテナに命を預けるなんて。
確かにiPadやスマホ内臓のGPS Antennaは、重量や内容量の制限もありますから貧弱だと思います。 貧弱ですが受信感度が悪くても、それで精度が大きく落ちる訳ではありませんので、脆弱ではないと思います。 それより、Navigation目的で使用する場合は、カーナビもそうですけど、外部アンテナ使うケースが多いですよ。 iPadにもBluetooth接続で利用できる、GPS unit売ってます♪
> しかも、飛行機は超低温度から超高温度まであり、しかも振動が多い世界。
少なくとも人間が生存できる環境よりは耐性温度域は広いです。 もっと云っちゃえば、宇宙空間でも動きます。 (もっとも衛星軌道面を超えちゃったら動いても役に立ちませんケド。) 振動については、少なくとも機械部品で構成された他の航法計器に比べれば、はるかに強靭です。 振動による損傷は、その加速度に比例しますが、数100グラムもある航法計器に比べれば、それこそGPS moduleやAntennaは数グラム〜10数グラムですから、慣性質量なんか比較するまでもありません。
> 電子回路に影響が出ないって保障は有るんでしょうか? > それプラス、空港名やFixを入力する時に一文字でも間違えると、何キロと誤差が出るかも。
これって「電子回路への何かの影響」って事ですか? 今の飛行機は多かれ少なかれ、電子回路を持っていますが、ちゃんと飛んでますよ? B787に至っては、操作系もFiber by wireの電子制御ですもん。 影響が出るようだと、操縦すらままならなくなります。 ^_^; それに工業製品である以上、壊れない製品はあり得ませんし、安全性は確率論の世界ですから、保証はできますが保障はできませんよ。 FAR/AIMにしたって、使用を認めているだけで、保障しているわけではありませんもん。 Human errorは、およそ人が操作することのできる装置では避けられない課題ですね。 飛行機の世界では、それでもhuman errorを無くす(減らす)ためにCheck listとかを重要視してますよね。 操作性の洗練度はあるにしても、これはGNSSに限った話ではないと思いますよ。 よくやらかしそうなのが、長距離飛行で先のChart忘れたりしたら、行き先に誤差が出るなんてレベルじゃ無くなりますもん。 ^^;
> 99%が数十センチの誤差でも、100%に近く無いとね。 > それに受信出来ない時の警告と、予備のシステムが無いと危険だよ。
どの程度を「100%近く」と見做すかにもよりますが一例として、あるGNSSで18時〜23時の5時間で定点観測した結果では誤差50mm以下が99.66%で、100mm以下では100%の確率になりました。 地上付近での座標ですが、概ね空は開けた環境で受信衛星数は平均10個程度、PDOP指数は1.8ってところでしょうか。 (注:これは普通に市販されてはいますが、少し特殊なGNSSです。) 受信不良状態で警告を出すのは、別段問題ではなく、市販のiPadやタブレット用のNavigation softwareでもGPSの受信状態を表示する機能が付いたものは多くありますし、予備のシステムも何も、メインが目の前の計器パネルなんですからGNSSが壊れたからって、危険になりようがないですよね? 計器パネルは意地でも絶対使わん!どうしてもGNSSだけで飛ぶ!ってポリシーをお持ちの方は、予備にiPadでも持参してください。なんですが、離陸や着陸はどーするんでしょうね? まー、基本VFRであればいいのか。
> 本当に怖いのは「GPS」に頼りすぎてしまう事なんですけどね。 > GPSが壊れたら終わりってなると、パイロットとして失格です。 > 私はGPS世代のパイロットじゃありませんが、今のGPSに頼りすぎるパイロットを見ていると怖くて仕方がありません。 > まあ、便利すぎる事の欠点でしょうか。
この辺りは、アタシには経験が無いので何とも云えませんが、現在でも各種計器に頼るしかないのが現状ですよね。 そうであれば、同じことなのでは? 昔(でもたかだか数10年前)の飛行機乗りからしたら、各種計器が無きゃ飛べない今のパイロットは怖いだろうし、贅沢な装備品に思えるのではないでしょうか。 機内に居ながら速度や高度が判って、しかも遠く離れた地上とお話ができるなんて、便利な世の中になったもんだと思いませんか? 仕事でも趣味でもスポーツでも、何でもそうですが、使えないならいざ知らず、使えるツールを使わないことは、決して美徳でもカッコいい事でもなんでもないと思いますが。 GNSSが壊れることを前提にする場合、例えばB787なんかフルにGrass cockpitですが、バックアップとして六分儀とかLoran-Cの受信機って搭載してるんですかね?(ホントにアタシは知りませんが、バックアップで用意されてるんですか?) まぁ天測でも、大まかな位置特定はできると思いますけど・・・。
結局GPSがどうの、信頼性がどうのと云うより、単に電気仕掛けが生理的に好きではない。 あるいは今まで使用した実績がないので、信用できないって話ではないでしょうか。 昨年(一昨年だっけ?)FAAはiPadを航法計器として使用することを認めたってな記事を読んだ記憶があります。 (それにしたって、認めはしても安全性を保障しているわけではないと思いますが。) 装置自体の性能も、日進月歩はおろか時進日歩のペースで進化していますし、反比例して故障率は急激に低下しています。 (最近では中華製でも、あまり壊れなくなりました!) まぁ時代の流れと云うより、逆にGPSを使えなければ飛べないなんて時代も、そう遠くはないのかもしれません。 GNSSが一般化すれば、金食い虫のLoranやVOR/DMEの設備維持費も不要になるし、さらに進化すれば空港側の支援装置不要で、全ての空港でCategory-3Cが可能になったりするかもしれませんよ。 ^_^v
- 139-1 NAME : 管理人 2014/06/23 17:50:59
- 本職の電気屋さんに抵抗中。
移動したのはS-VFRからGPS(GNSS)に話が変わったからです。 皆さんにも知って欲しいし、私の無知度も理解して頂かないとね。 ご理解下さい。
でも、みなさん、 成り行き上、難しい話になってますが、ここは簡単な質問用です。 Student Pilotらしい質問も待ってますよ。
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まず理解して頂きたいのは、認定されていないGPSに頼る姿勢を批判しています。 許可されているGPSなら、VORやDMEと似た様な物ですし、批判する気もありません。 GPSと聞くとMoving Mapをイメージしますが、GPSで分かるのは位置情報だけですしね。 Moving MapはVORとDMEでも昔から有る物ですから、妬みはあっても、否定する気はありません。
伝えたいのはGPSが便利すぎて、Naviagtionをしない傾向が危険だと言いたいのです。 確かにボタン一つで方向と距離が分かるのでしょうけど、そんな姿勢は安全面で危険です。
GPSを使っていてもWind Correctionをして、常にチャート上での位置を確認する。 ADFのHomingの様な使い方は間違っていると思いますが、参考にする程度で、常に回りの環境を意識してるなら、これほど良い物は無いと思いますし、私が何と書こうとも、GPS(GNSS)が中心となるのは時間の問題だけです。
それと、闇雲にiPhoneやiPadの様な無許可のGPSに頼る姿勢は理解できません。 外部アンテナが、保障されてるとは思えません。
航空機に認められてえるってニュースは知りませんが、紙ベースのチャートが予備に必要となってないでしょうか? iPadの様な物が、認定も受けずに許可されてるとは思え無いのです。 バッテリーの寿命とかも有るでしょ? しかも、ホームボタンなんて故障が多いしね。 記事を見た事がないので、憶測だけですが、予備的な意味では無いでしょうか。
少なくともアップル社は、そんな事を希望してるとは思えません。 万が一、iPadの故障で事故なんて発生すると、Apple社が支払う損害賠は何十億円から何百億円です。 既に売れている商品です。 そんなリスクを背負う会社なんて居ないでしょう。 私がCEOなら、No for Air Navigationとシールを貼って販売する様に指示しますね。
「単に電気仕掛けが生理的に好きではない。」 これは否定しません。 ってか、宇宙空間に浮いている物でしょ。 安定性が悪いNDB/ADFでも地上にあるのは100%確実です。
まあ、LORANはアメリカと日本では廃止されたとおもいます。 もしかして世界中? VOR/DMEはVORとNDBが無くなる方向と聞いています。
私が、どの様に感じ様と世の中はGNSSの方向です。 本当はGPSの信号より、GPSが内蔵されたNavigation Equipmentが便利すぎて、 Navigationをしない人が怖いです。
それと、認定されていない物に頼るのは、何度も書きますが、駄目な行為です。
- 139-2 NAME : 管理人 2014/06/23 18:25:26
- 抵抗の続き
GNSSは計器飛行の世界で頻繁に出てるのですが、そんな意味が有ったのですね。 GPSとGNSSは同じ所に出てくるので、同じ物と考えてたけど、間違いですね。 勉強になります! ありがと。でっ、 GNSSの一つがGPSと理解して良いですか?
戦争の道具にもなるので怖いですが、各国が色々な衛星を飛ばしてくれて、 精度を上げるのは嬉しい事ですね。 アナログ人間なのか、宇宙空間に浮いている物を信用するのが怖い。 制度が悪くても100%地上にあるNDBの方が安心できる人間です。 宇宙空間に浮いている物に頼るのは怖いし、嫌だ。でも、それが流れ。
「あたりまえですが、GPS信号が途絶えたら動作しませんから判りますよ。 ^_^;」 うーーーん、私が選んだアプリが悪かったのかな。 誤表示なんて当たり前で、数キロの誤差なんてあたりまえなんですよね。 (iPad) しかも、移動中でも停止してる表示された事が何度有ったやら。 「たまに」レベルでエラー表示は出るのですが絶対に誤表示が多い!ってのが経験です。 これは、そんなアプリを選んだ私に責任があるのですが、 生徒がこんなアプリを選んだらと思うと怖いです。 まあ、飛行機用と違い出張時の地図目的で購入したので、 同じのを飛行中に使う事は無いでしょうけど。
「デジタル信号ですから「不確実な受信」と云う状況がありません。」 そらそうですね、Yes-Noの世界でした。 「現在、x個の衛星から信号を受信してます。」とか 個数だけで無く「現状の信頼度は xx%」と出てくれると嬉しいですね。 最新のなら、これぐらいのサービスは表示されるかな? それと不確実な受信とは、機体の陰にアンテナが隠れるとか、 太陽の位置かなんかで、エラーが生まれませんでしたっけ? 日の出・日没だったかな、電離層だったか忘れましたけど。
「外部アンテナ使うケースが多いですよ。」 どの様な飛行姿勢でも100%の受信が出来るって保障は無理じゃないかな? これが航空機用に作られて、試験済みなら理解は出来ますよ。
しかし、タブレットやスマフォ用の外部アンテナもコクピット内が限界ですよね。 まあ、アメリカみたいに簡単に外部アンテナが設置できれば良いけど、 日本は、そんな事を簡単には認めてくれないのでしょ?
「iPadにもBluetooth接続で利用できる、GPS unit売ってます♪」 これが怪しいのです。小さくて便利(?)なのですが、外部アンテナを付けるジャックが無いんですよ。確実に選択ミスですが、
「少なくとも人間が生存できる環境よりは耐性温度域は広いです。」 無駄な抵抗: 生物は傷を負っても自己再生しますが、 機械類は自己再生なんて出来ませんよね。 それに、真夏の機内に置き忘れたり、真冬の上空。 服を着たり出来なければ、熱いとも言えない機械。 ちょっと屁理屈かな。
でも、振動はどうでしょう。 確かに大きい振動はありませんが、細かい振動が常にありますよ。 振動の元がガソリンの燃焼なら、一分間に1万回と数多く有ります。 慣性重量の意味は分かりませんが、何時間も続く微量な振動はどうでしょうか? 振動吸収が確実に行われていると言う保障があれば理解は出来ますが、 一般人の一般的な判断で良い物でしょうか。 温度差と振動が回路に対する疑問です。
「使えるツールを使わないことは、決して美徳でもカッコいい事でもなんでもないと思いますが。」 間違いはありません。 FAAでもGPSはSituational Awarenessの観点からも利用は薦めています。 私も否定はしませんが、ただNavigationを辞めるパイロットが怖い。
しかし、私は非認定のGPSをPrimary Navigationに使うのは猛烈に反対します。 GPSってのが便利すぎて、それに頼り切る人が多いのが気になるんです。
- 139-4 NAME : 高木 雄一 2014/06/24 12:35:37
- 管理人さん
SVFRについての意見は皆さん一致しているようですね。
次はGPSについてですが。 航法を行うに、「備わっている装備は全て使いこなす」という考えで行うことは共通のことと思います。 例えば、PilotageとVOR Navigationを併用して、正確性、信頼性、安全性を高めることは昔から基本でしたし、今はそれにGPSが加わりました。 そのGPSがPanel Mountedなのか、iPadなのかは判りませんが、使えることはよいことです。
でも、そのGPSに頼るあまり、基本中の基本であるPilotageができないのなら、それは大問題です。 私も「このiPadさえあればどこへでも行ける」と豪語する方に会ったことがありますが、地図の表記と地上の目標物の関連性ができておらず、事あるごとに下に置いたiPadに目を落とし、その度に傾く機体に頭を抱えたものです。
GPSの信頼性については私もよく判りません。 昔Cargoで飛行していた頃、ある空軍基地の近くでは、ジャミングのためか2回に1回はGPSの信号が使用不能になっていましたし、雨の日に飛行した同僚は突然電気系統がAll outになって、無線もGPSも全てダウンしました。 Glass Cockpitのパネルも何の前触れもなく壊れたという話もよく聞きますし、世の中には想像もできないことが起こるようです。 だからこそ、常に備えを、ですね。
これはGPSの信頼性が疑問だからという理由だけではありませんが、SVFRの飛行をGPSで克服することはできません。 GPSをIFRで使用するには、長期間の試験を繰り返して、信頼性を確認して初めて認可が降りるわけで、GPSをSVFRで行うということは、前もっての試験飛行の一切を無しに、危険をおかして実際の飛行を行っていることと同じです。 他に例えるなら、夜の暗い山道を、ライトを消して、GPSだけを頼りにオートバイで走るようなものでしょうか。 例のScud Runningの事故も、そんな飛行だったのではと考えてしまいます。
- 139-5 NAME : 管理人 2014/06/24 22:56:40
- 何か表現方法が悪かったかな。
GPSの凄さは認めるけど、それだけに頼ってしまう傾向が気になる、とでも書くべきだったかな。
お願いしたいのは、GPSだけに頼るフライトは止めて下さいね。
「GPSの故障 = Lost」だと操縦士としては不完全です。
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