CFI Japan 生徒用掲示板 Piper Cub

Student Pilot 専用: 返信用フォーム


8 RANGE PROFILE
NAME : taku 2012/05/28 15:14:07

お世話になっています。
C-152のインフォメーションマニュアルを読んでいるのですが、
RANGE PROFILE 45MINUTE RESERVE 2.4 GALLONS USABLE FLEL
(SECTION 5-15)
について、図が理解出来ません。
RANGE=DISTANCE(距離)とすると、45%powerつまり、低いpowerの方が
距離が大きくなるということなのでしょうか?
又、高度が高くなると距離が低下しますが、通常、高度が高い方が距離が
伸びる気がするのですが。よろしくお願いいたします。



8-1 NAME : 管理人 2012/05/28 21:47:15

Takuさん こんばんは

飛行機はエンジン出力が少ない方が距離が伸びます。
高速道路を走行する自動車みたいなものかな。
高速でアクセルを踏み込んでも速度が早くなっても、それ程燃費が悪く成る様な感じ?
抗力が増え方が大きく成ると書いても良いかな。

高度と距離を考えると、、、すいません、よく分かりません。
私の予測では、あのグラフは離陸から上昇分も含まれています。
C-152はあまり馬力が有りません。
その為、高高度は苦手で、上昇するのが一苦労。これが原因では無いかと思います。
速度を見ると、高い方が速度は早いですね。
こう考えるえると、上昇での燃費の悪さでは無いかと思います。

確定は出来ませんが、そんな所かとは思います。
誰か、答えをご存知の方、アシスタンスをお願いできれば助かります。



8-2 NAME : ふくねこ 2012/06/02 09:35:22

くれぐれも、まだStudentなアタシの解釈、理解だってことをお断りしておきます。
このグラフですが、要は満タンでどれくらい飛べるかって、燃費グラフみたいなもんだと解釈しています。
右に行くほど燃費効率が良くなるって。
2つあるグラフは、C152のStandard Tank(24.5gl)と、Long Range Tank(37.5gl)の違いだけなので、とりあえずStandard Tank側だけ見ていきます。

 まず飛行機のEngineってすごくSimpleで、車や船みたいに高度に電子化されているわけではありませんから、環境の変化に対応してくれません。
結果として環境や回転数、PilotのOperationによって、その燃料消費率は結構変化するようです。
アタシの知る限りでも、C152のO-235なんか3000ft超える程度の高度でもMixtureを調整してやんないと、空燃費がズレまくるくらいPower Bandの狭いTorque Type Engineです。
なお定義上、離陸上昇に関しては、Full Throttleで指定の高度まで昇るのだと思います。
だって出力40%とかじゃ、ろくに上昇もできないでしょ?

まず基本的な小型機の特性として・・・
・空気密度が小さい方が空気抵抗が少ないので速度が出る。
 (空気抵抗って、想像以上にデカいですから。)
・空気密度が小さいとEngine Powerが落ちる。
 (エマルジョンがちょっと大きくなるだけで、Powerは激減です。)
・出力と燃料の消費量は概ね比例する。
 (Big Powerな車の燃費は推して知るべし・・・です。)
傾向がありますから・・・
・12000ftでは60%(55%と65%の線のほぼ真ん中)の出力を維持するにはフルスロットルにしてやっと。
・低高度では空気抵抗が増えて速度は落ちる。
・低高度では空気密度が高いのでEngine Powerが上がる。
 ただし空気温度は低い高空の方が充填効率は上がる。

ってのがグラフの見方ではないかと思います。
(最後の充填効率は一般論なのでオマケです。)

 でO-235に限らず、出力の小さな固定ピッチプロペラ機の場合、何が重要って離昇推力が一番ですから、Propellerに合わせて、かなりトルクバンドは下に設定してるのだと考えています。
なにせ高高度の酸欠で回転が上がらない状態でも、十分なプロペラ推力を保持しなきゃいけませんから。
グラフでも12000ftでは60%の出力を維持するのに、Full Throttleにしなきゃいけないようですし。
この何%ってのは、Throttle開度ではなくて、Engine出力だと認識しています。
なので出力を抑えた方が、理論空燃比に近くなるのだと思います。

 結局高高度では大量に燃料を消費する割に、推力は小さくて距離が伸びないんではないかと。
Turbo Charger搭載機だと、上空の方が総合的に燃費が良くなると推測します。
実際Turbo ChargedなPA-28RTのPOH見ると、ほとんどのPower bandで18000ft辺りがDistanceのピークになってます。
Sea Levelで780nmなのが、18000ftでは900nm!
これがジェット機だと、絶えず過給してるわけですから、燃料消費より空気抵抗の小ささが勝ることで、さらに高高度の方が燃費が良くなるようです。
ただ一世を風靡したConcordの場合には速度優先でしたから、も〜成層圏あたりまで上がったそうですが、そうすると今度は空気が薄くなりすぎるので、燃費はめっちゃ悪かったそうです。 ^_^;

 C152のグラフでは、Long Lange Tank機の場合45%出力で4000ft付近を飛んでるのが一番遠くまで行けるみたいですね。(遅いけど。)
78KTで700nmだから、9時間近く飛んでられて、東京からだと奄美大島までNon stop!
(でも残り45分じゃ、どこにもDivertできない?)
う〜ん・・・新幹線で鹿児島まで行って、高速フェリーで渡るのとどっちが早いんだろ???

 でもこのグラフで不思議なのは、なんでStandard機では高度が低ければ低いほどRangeが伸びるのに(わずかな違いだけど)Long Range機では高度2000〜4000ftあたりにピークが来てるんだろ?
やっぱ重量変化が大きいからかなぁ。燃料重量が147lbs vs 225lbsなのでざっと1.5倍だし。



8-3 NAME : 管理人 http://www.cfijapan.com  2012/06/02 16:04:03

ふくねこさん、 こんにちは

「だって出力40%とかじゃ、ろくに上昇もできないでしょ?」
確かにC−152は8,000フィートを超えるとかなり怪しくなります。
10,000フィート以上登った事もありますが、ちょっとの下降気流でVyでも下降します。
本当に「あっぷ、あっぷ」って感じです。
アメリカに住んで飛行機ライフを楽しむなら、グライダーで上昇気流のお勉強をした方が良いんじゃ無いかと思うぐらい。
まあ、4000フィート以上の山岳地帯を通過しなければ良いのですけどね。
それか、そんな地域は馬力の有る飛行機で飛行すべきかな。

「結局高高度では大量に燃料を消費する割に、推力は小さくて距離が伸びないんではないかと。」
ここは表現の違いかも知れませんね。
Takuさんは「高高度では速度が速くなる」との一般的に言われている事との違いが疑問。
エンジン出力は45%と固定されてますから、プロペラの効率が落ちるってのがふくねこさんの意見ですよね。
それで私の考えは上昇に無駄が出るので、性能が落ちるとの考え。
Takuさんの考えは、ふくねこさんが言う巨大なターボを搭載したジェット機を元にしたのか?と思います。

経験則で申し訳ないですが、セスナとかの小型機エンジンはふくねこさんの書く様に
「空燃費がズレまくるくらいPower Bandの狭いTorque Type Engineです。」かと思います。
私らが使う用語では無いので、誤解が有るかも知れませんが、
私らが乗る飛行機は空冷式のエンジンで、無駄の多いエンジンとも思います。

正直、私は50%の余裕が無いと飛行する気には成れないし、AOPAもそれを薦めています。
東京から奄美大島は無風ならチャンスはギリギリに有るのでしょうけど、私なら絶対に止めますね。
それに飛行機の燃料計も怪しいし、そんな計器に命を賭けたくも無い。

まあ9時間なら、人間の上のタンクが先に空になるか、下のタンクが満タンになるでしょうね。


-----

「この何%ってのは、Throttle開度ではなくて、Engine出力だと認識しています。」
Crusie Perfomanceの表を見て頂ければ、理解出来ると思います。

ちなみに6000フィートで標準気温なら・・・・
45%はなんと、たったの2000RPM! 
大半の人は2300−2400RPMだと思います。

そんで、12,000フィートで2450RPMって書かれてるけど、
そんなにエンジンが回転するとも思えない。



8-4 NAME : ふくねこ 2012/06/03 10:33:06

 takuさん、アタシの云い方って結構わかりずらい部分があるようなので、不明なところは聞いてくださいネ。
(そもそも間違ってる可能性もあるわけですし。 ^o^;)

 高度に関しては、アタシは管理人さんの云われるように解釈しています。
確かに高高度では空気抵抗が減るので、同じ推力なら速度は速く飛べます。
でも問題はその速度を出す推力の方です。
空気抵抗が減るって事は、プロペラの推力も減るって事なので、同じ速度を維持しようと思ったら、それこそEngineをバンバン回さなきゃいけませんよね。
で、Engineをセッセと回したいんですが、空気が薄いんでThrottleを一杯開けても燃料の供給量の割に出力が上がらず、結果的に距離に対する燃料の消費量が増えてしまってDistanceが短くなるって考えです。

 この空気抵抗の減少とEngine PowerってO-235やO-320では結構バランスが良くて、結果的にRange Profileのグラフでは、線が垂直に近く立っています。
(つまり、どんな環境下でも変動が少ない。)
これがTurbo ChargedやJetになると、極端なひし形になっちゃいますから、飛行計画高度の変化によっては、Distanceの計算がかなり面倒になってしまいます。

ここからはStudentの領域を外れて単なるマニアックな話になっちゃうので簡単に。

例によって誤解を与えてしまったようなので、ちょっと言い訳です。 ^o^;
アタシが「SimpleなEngineだ」と書いたのは、無駄が多いという意味ではありません。
アタシはA&P Mechanicではありませんので、この世界で何と表現すればいいのか判りませんが、云い方を変えると、飛行機のEngineは無駄が少なすぎるんです。
(少なくともO-235やO-320のような昔からあるEngineでは。)
まったく内燃機関の基本構造のままと云うか、何も進歩していないというか、良く言えば内燃機関の究極形と云うか・・・とにかく良くも悪くもSimpleなんです。
未だにOHVだったりCarburator式だったり、Distributorだったりと、機構的にはおよそ前時代的ですが、固定ピッチプロペラでは回転を上げる必要は無いし、燃料の供給量も変動幅が小さいので、まったく問題無しです。
3850ccの大排気量Engineにもかかわらず、243.5lbs(110Kg)しかないのは、さすが飛行機用と云う所でしょうか。
(これ、ウチの車(2000ccで整備重量157Kg!)より、かなり軽いです。 ^^;)

その代わりと云ってはなんですが、様々な気圧高度の中を飛んだりするくせに流入空気量を計測して自動調整するわけでもないし、燃焼状態に合わせて進角させたり遅角させたりする機能も無い。
Mixture調整もPlimingも、うるさく言うくせに、運用はユーザーしだい♪
まったくPilot任せで、現在の車のように、誰でもお気軽に扱えるようにはなってないです。
そういったユーザーを補助する補器類が、全然無いんですよね。
(故障個所の増加を嫌ったんでしょうけど)
そのくせ、ボアがでかいせいもあるけど、CylinderあたりPlugが2本付いてたりと、整備性やコスト性は悪い・・・。

で、それが上手く表現できないので、SimpleなEngineって書かせていただきました。



8-5 NAME : taku 2012/06/06 03:03:11

管理人さん、ふくねこさん
分かりやすい説明ありがとうございます。

以下の説明がとてもわかりやすかったです。
 高度に関しては、アタシは管理人さんの云われるように解釈しています。
確かに高高度では空気抵抗が減るので、同じ推力なら速度は速く飛べます。
でも問題はその速度を出す推力の方です。
空気抵抗が減るって事は、プロペラの推力も減るって事なので、同じ速度を維持しようと思ったら、それこそEngineをバンバン回さなきゃいけませんよね。
で、Engineをセッセと回したいんですが、空気が薄いんでThrottleを一杯開けても燃料の供給量の割に出力が上がらず、結果的に距離に対する燃料の消費量が増えてしまってDistanceが短くなるって考えです。




お名前 必須
メールアドレス 任意
ブログとかサイト 任意 ▼本文必須 下記の本文は必ずご記入ください。
投稿キー(必須) 1852と半角で入力してください。

COLOR :
戻る

- P-Web Board 1.05 -