- 39 ミクスチャーのセッティングについて
- NAME : 紅の猿 2012/11/04 17:21:16
- いつもお世話になります
またお願いしいたいのですが、同高度を維持してベストエコノミーで飛行したい場合で、雲も無くさらに気温の変化も無い状態で、もしスロットルをいじった場合、ミクスチャーのセッティングは変える必要がありますか? ありませんか?
またまた愚問ですみません
- 39-1 NAME : 管理人 2012/11/05 01:16:59
- 私は必要が有ると思います。 「思います」レベルね。 特にPower UPさせた場合。
最新のデジタル式で、数度単位で気温が測定出来て、コンピューターライズされたエンジンを除きまして、、、、 一般的なCessna 150や152、とか Cessna 172Nとか、超一般的なトレーナーと考えましてですけど。 (まあ、最新式のエンジン制御装置の事を知らないのですけど)
レシプロエンジンの場合、Overheat防止の為に、MixtureをややRich気味にするのが、一般的です。 元々、何もしなくてもRich気味にInduction Systemは設定されていますし、また設定する様にと教えられませんでしたか? その為、MixtureをトコトンまでLeanにしている場合はOverheatが怖いので、Mixtureは再設定した方が良いと思います。 完璧なBest Economyの場合でも、エンジン温度が気になるので、そこまで微妙に設定されてるなら、再確認をするべきと思います。 それに飛行機のInduction や Fuel Systemはそこまで精密とはとても思えません。
まあ、一般的な余裕を持った設定なら、そこまで細かくは考えなくても良いと思います。 どうせ飛行機のエンジンは空冷式で、それほど精密には制御も出来ませんよ。 Fuel Gaugeがそこまで精密かも疑問です。
元教官として 「どうして、そこまでBest Economyに興味を示すのですか? 」 と疑問が。 あまりピッタリな設定は、精神的な余裕が無くなるので、あまり薦めたくは無いのですが。 もう少し、気楽な方が良いと思います。 あまりLeanだとエンジンの温度も常に気にしなくちゃ駄目でしょ。 行き過ぎは駄目だけど、ちょっと気楽な方が、楽で楽しくて、安全だと思います。
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ちなみに、飛行機のPOHやマニュアルには何て書いてありますか? 特殊な場合だと、私らが答えても、無意味になるかも。
- 39-2 NAME : 紅の猿 2012/11/05 07:04:27
- 管理人様
早速の回答ありがとうございました まず私がベストエコノミーにこだわるのは、そのメカニズムが知りたいと思ったためで実際に、とことんリーンにして飛んでいるわけではないんです 以前、整備士からも「あまりリーンにし過ぎるとエンジンにも負担がかかる」と聞いたことがあります
ただ何らかの事情で「速度を上げたい だけど燃料も心細いので最大限のリーンにしたい」みたいな場合、どうすれば良いのかな?と素朴に思ったわけです(一番良いのは、飛ぶ前にそんな状況にならないように計画してから飛べば良いわけですが・・)
で今回の質問は、友人との話の中で一人は「高度も気温も変わらないのだからスロットルを開いてもミクスチャーの再設定は必要ない」もう一人の友人は「パワーセッティングを変えたらミクスチャーの再設定をしろと教わった 根拠は解らないけど・・」みたいな話になり、物理的にはどうなんだろう?と思いまた質問させていただきました (これはC172での場合です)
POHやマニュアルを良く見てみます ありがとうございました
- 39-3 NAME : 管理人 2012/11/05 11:02:58
- 事情は分かりました。
「速度を上げたい だけど燃料も心細いので最大限のリーンにしたい」 この考えは間違ってます。 燃料が心細いなら、速度を下げないと駄目です。 心細いのに加速するのは本末転倒です。
出力は45%とか低めの方がレンジが伸びます。 Best Glide Speedでのフライトが一番Dragが下がるので、その速度程度で飛行すべきです。 RangeとEnduranceとの違いも有るので、Best Glide Speedが最適とも限らないのですけど。 まあ、C-172ならBest GlideとかVyぐらいを基準に速度を下げないと「無意味」です。
悪天候や夜間が迫ってるとか言うのでしたら、直ぐにDivertして近くに着陸しないさい。。。です。
「そのメカニズムが知りたいと思ったためで」 この考えなら、まだ理解は出来ます。 でも、C-172ならキャブレターですかね。 フロート式で燃料の量を調節しています。 (その一部にMixture Control Needleで調節もしてますが) しかし、主な原理は燃料に浮いたフロートの浮力です。 そんなフロートは、エンジン等の振動をモロに受けた燃料の中です。 その為、Mixtureは常に微量に変化していると考えた方が自然です。 その微量な変動で、微かにMixture比も変動してると考えてください。
常に変動しているMixture比を完璧に合わせ様とするのが間違いとなります。 言い方を変えれば、キャブレターは通常のフライトでは十分に精密だけど、質問レベルでの精密性は無い。 そして、エンジンはピークよりもややRich気味にするのが通常です。 エンジン温度を気にする様なフライトは避けたいのが本心。 そこまで精密じゃ無いよ・・・が答えでしょう。
Fuel Injectionなら、もう少し精度は高くなるでしょう。 でも当然ながら、完璧でも有りません。
「パワーセッティングを変えたらミクスチャーの再設定をしろと教わった」 これは正解だと思います。 もちろん、程度ってのが有りますけど。 キャブレターは、そこまで精密じゃ無いし、飛行環境も常に変動すると言うのを頭に入れてください。 Power Settingを変えると飛行環境が変わります。 この場合はスロットル弁が開いて、エンジンの回転数なり出力が変動します。 出力が変わると燃料の補給量も比例して変動します。 でもこの「比例して変動」ってのが最適なMixture比を保ってるとは限りません。 その為、厳密に考えるのであれば、Mixtureは再設定するべきです。
でも、ちょっとの変化なら、元々ややRich気味にしてるので、そこまで神経質になるのは疑問です。 ただエンジン出力を大幅に変えた時は再設定はすべきです。
Mixtureに気を取られてしまうのは健全ではありません。 真っ直ぐに飛行させたり、ATCとかの通常業務が優先です。 Mixtureの設定で、飛行機が傾いたり、状況が分からなく成るのは、操縦士としての基礎が間違ってます。
Full Powerにするとか熱い時は、Power UPの前にRich気味にしてやるべきでしょう。 その程度の考えで、やる事をやってから、Mixtureを再調節して下さいね。
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多くの人は、飛行機は完璧だと思っているでしょう。 でも、もうお気づきとは思いますが、操縦してると、そこまで完璧じゃ無いのに気が付いたでしょ? イメージとのギャップで、あれ? あれ? あれ? と思われているでしょう? 空冷式の航空機エンジンはそんな物です。 同等の自動車エンジンに比べて、騒音が高く、振動も多いでしょ。 空冷式は強固ですが、精度が落ちるんです。 精度よりも安全性が大事な世界です。
飛行コースも風の影響を100%受けて、直ぐに流されてしまうし、管制官も期待してない。 Traffic Patternも個人差が大きい。 制限の強い計器飛行方式の飛び方も、皆さん個性が有る。 3次元の世界ですから、自動車と違って、かなり「アバウト」な世界です。
気楽に身構えて、肩の力を抜く事も覚えた方が、操縦が上手く行きますよ。 計器を見てばかりのフライトじゃ、逆に高度もHeadingも守れないでしょ。 リラックスして、頭から雑音を減らした方が操縦レベルが上がるのが飛行機です。
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好奇心は大事ですが、行き過ぎると操縦には悪影響です。 程々にした方が良いよ。 その道を極めるなら、そっちの世界に行く方が面白いよ。 大学、整備、設計とかね。 もちろん、操縦を続けながらも別世界で、別の世界も極めるって感じで。 今の好奇心は操縦には行き過ぎですから、答えられる人が減ってくるのです。 でも、その道に行くと、その好奇心が普通の科目になります。
飛行機の世界は、ものすごく奥が深いです。 操縦はその一面だけです。 この世界が単純で簡単な物だと言う人は、見えてないだけの痛い人です。 もちろん、操縦にはそこまで大事にはなりませんけど、飛行機の世界では大事です。
今の質問は、操縦から離れて行っていますので、他の面も勉強されるのも良いかも。 好奇心が強いのは、紅の猿さんが操縦だけでなく飛行機の世界向けかもね。 だから操縦の世界だけで考えると、物足り無いのでしょう。
(まあ、私もこれ以上になると知識がかなり怪しくなりますけど。)
- 39-4 NAME : 紅の猿 2012/11/05 13:04:12
- ありがとうございました 「速度を出したい だけど燃料が心細いので最大限のリーンにしたい」と書いたのは、何か今回の質問をうまく伝えられるシチュエーションはないかな、と考えて書いてしまいましたが、おっしゃるとおりですね 最初から単純に「スロットル開度によって混合比はかわるかどうか」と書くべきでした すみませんでした
自分なりにも専門書等で調べてみようと思ってます ありがとうございました それではまたよろしくお願いします
- 39-5 NAME : 管理人 2012/11/05 13:49:31
- それなら「変化する可能性が高い」が答えでしょうか。
キャブレターは可能な限り、適切な混合比を守れる様に設計はされてるけど、 そこまで精密で有るとは言い切れない。。。が、私の思う理由。
そして、一般的な操作方法も余裕を入れてるので、多少の操作では気にする事も無い程度。 でも、Full Powerや急上昇、真夏では、ややRich気味にして操作。 余裕が出てから、微調節。 常に飛行機の操縦(姿勢)と状況把握が第一優先。
どちらにせよ、大気の状態も常に変動し、Power Settingは振動で少しづつ変化もする。 余裕の有る時には、Power Settingの変化に関係なくMixtureは微調節は必要。 以上でしょうか。
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せっかくです、ここまで来たのですから、違う世界も覗いて見て下さい。 操縦には関係が薄いですが、知識が豊かになり、 長い目でみれば、操縦士としての価値も上がると思います。
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