- 24 Liftの方向
- NAME : ふくねこ 2012/08/13 21:23:45
- いつも(サボりながら ^^;)勉強させていただいています。
Plivate PilotのGround schoolを聴講する機会があったのですが、そこでLiftの方向に関する話がありました。 そこでは、Lift(のベクトル)の方向はRelative Windと直角に発生する。 しかしRelative windは翼面上で下に流れるので、その分Liftの方向は後ろに傾く。 そしてこの傾斜したベクトルの後ろ向き成分がInduced dragになる。 と云う説明でした。 (実際にはWhite board上に絵を書いての説明です。) 設問としては・・・ 「翼断面の絵にCoord lineと平行にRelative windが流れているとき、Liftの方向はどれか。」 と云うもので、1番が垂直上方、2番が少し斜め後ろ、3番がもっと斜め後ろにLiftのベクトル線が引かれていました。 アタシは当然のように1番かと思ったのですが、回答は上記の理由により2番なんだそうです。
でもそれって最終的な力の方向であって、Plivate Pilotの学科で言うLiftとは違うような気がしますが、どうなんでしょうか。 だって、そんなこと云ったら、水平安定飛行中なんて上下はバランスしてるんだから、あとはThrastとDragを合成するとThrast方向、つまり前向きのベクトル1本になっちゃう。 そもそもLiftが後ろに傾くからInduced Drugになるんでなくて、LiftにInduced Drugが合成されてベクトルが後ろに傾くって事だと思うのですが。 LiftとDrag「だけ」合成して考えるのって片手落ちな気がするんですが、Ground Instructorとして教える場合は、そういうものなんでしょうか?
- 24-1 NAME : 管理人 2012/08/15 09:53:03
- ふくねこさん、どうも! 大分とギックリ腰が落ち着いてきたので、検定の方に行こうかと思うのですが、休んでいた間の仕事が、盆休みに。掲示板の分だけでも回答と言うか意見を書き込んでいます。椅子に30分以上とか座ると、激痛の元になったりします。
さてさて、Liftの話ですけど、どっちでも正解になる(可能性が有る)とでも答えます。物の取り方で回答が変わるので、ふくねこさんの説明だけでは100%答えられません。正直な所、見方で答えがどちらにでも転ぶと思うんです。
航空力学の世界では、Relative Windに対してLiftは直角でDragが平行に発生すると考えます。実際はどうであれ、これが「定義」です。 定義ですから、実際とは多少は違う場合も有りますが、例外を考えていると切りが無いと言う事で。航空力学では直角と平行で考えていると理解しています。 (実際はドアのノブや翼のリベット、汚れ、鳥の糞とかでも変わって来るでしょうから、色んな細かい事は横に置きましょう。)
「翼断面の絵にCoord lineと平行にRelative windが流れているとき、Liftの方向はどれか。」 この質問は、3つとも正解になり得ると思います。 1番は、航空力学上での定義を聞いている質問なら正解ですよね。 2番と3番は通常の翼が発生する揚力ですね。翼の上面は膨らみが大きいので、気圧差が発生して・・・・・・・・となって、揚力は後ろ向きになります。 2番と3番の違いは程度の物ですから私には分りません。(見えません)膨らみの違い、フラップの使用、Definite Wing、速度、、、ここらがあるので、程度の違いです。
「回答は上記の理由により」 これは、Induced DragやWing Tip付近での説明と思うのですが・・・
「Relative windは翼面上で下に流れるので、その分Liftの方向は後ろに傾く。」 航空力学の世界では、Relative Windは翼の影響が出ないかなり上流(全く別の場所)での風向を言います。 「翼面上で下」と言うより、Liftが発生する時の副産物としてDragが平行に発生するので「実際の」揚力が傾く、、、、とした方が良いと思います。
最初の質問に戻って、、、教官さんはLiftの方向を聞く時に「航空力学」か「実際」のどちらのLiftを聞いているのか?と明言するべきだったと思います。 もしかしたら、聞き逃したのかも。
「そしてこの傾斜したベクトルの後ろ向き成分がInduced dragになる。」 実は私も間違えて教えていた時期が有るので、大声では書けませんが・・・・・ 超ハイレベルな世界を除いて、航空力学の世界では、Induced DragはDefinite Wingでしか発生しません。要するにWing Tipが有るから発生するのです。Wingtipで渦が発生しますが、その時にRelative Windを折り曲げてしまいます。この折れた分で生まれたのがInduced Dragです。
(航空力学ではWingtipが無ければInduced Dragは発生しないのです。実際はそんな翼も無いし。でも、ここらが混乱を生むのも事実で、教官を含めて誤解している人も多いのが本当の所。正直、ここまで来ると操縦の世界じゃ無く、研究の世界です。)
そんな感じで、、、 「LiftにInduced Drugが合成されてベクトルが後ろに傾くって事」 も若干違って来ます。
「あとはThrastとDragを合成するとThrast方向、つまり前向きのベクトル1本になっちゃう。」 一定の速度で飛行している飛行機は、ThrustとDragは同じです。 違えば、その方向に加速します。
「つまり前向きのベクトル1本になっちゃう。」 ここまで来ると、物理の世界ですね。 飛行中はベクトルの合力は点です。 一定の速度で移動している物は、4方向のバランスが取れて、ベクトルは消し合います。
- 24-2 NAME : 管理人 2012/08/15 10:12:39
- 「Ground Instructorとして教える場合は、そういうものなんでしょうか?」
残念ながら、そんな物です。 法律の話も同時に出ていますが、私ら教官は幅広い事柄を理解する必要があります。 これは操縦士も同じ事ですけど。 より幅の広い事柄を、より分かり易く伝えるのが仕事です。 飛行の専門家であるのですが、各項目の専門家では有りません。
航空力学でも法律、気象、英語でも、それなりの知識はあります。 教えるだけ、飛行するだけには十分な知識はあります。 しかし、各項目の専門では有りません。その世界の人から見ると、穴だらけでしょう。
教官ともなると自信が必要ですので、飛行に十分なら、それで自信を持っても問題は有りません。 ただ、間違えている場合は素直に認める勇気は必要です。 私は運良く、アメリカの大学で勉強するチャンスが有ったので、他の人よりちょっとは多い知識とかが有るかなと思っています。 他の教官を見てると「ああ」と思う事は多くあります。でも、それで彼らが悪いとは思いません。ご指摘の通りですし。 それに、私は最新の情報が欠けてるし、操縦がド下手ですしね。
教官をすると言うか、人に物を教える時には、それなりの自信が無いと無理ですので、有る程度の知識で十分となってます。 ですから、専門的な人が居る時は、初めに有る程度は断ってから説明を始めます。 細かい事を言い出せば切りが有りませんし、Privateには必要ではありません。
また教官は、行動が営業でもありますので、多少は大きい事を言います。 でも、ここらは大きい目で見てやって欲しいです。 教官の人は、他の人や教官が間違って居たら笑ったり馬鹿にしたりするんじゃ無くて、教え有ったり情報の共有をして欲しいと願っています。
これだけ、幅の広い世界です。 100%のマスターをしてる人は居ません。 もしかしたら、究極の「広くて浅い」知識が必要とされてる世界かも。
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あかん、腰が痛い! Give UP。 変な文章ですけど、ご理解を。
- 24-3 NAME : ふくねこ 2012/08/20 21:34:07
- 管理人さん、ありがとうございます。
(腰をお大事に。アタシも帰りの飛行機で腰痛再発しちゃった。 ^o^;)
> 航空力学の世界では、Relative Windに対してLiftは直角でDragが平行に発生すると考えます。
了解です。 が、今は実生活の仕事や、ATC問題で少々頭が混乱しています。 またゆっくり考えてみます。 ってその前にATC、何は無くともATC・・・もうギャ〜!!です。 (ホント、帰ってきてからも、まだパニックと落ち込みが残ってるくらいです・・・^_^;)
- 24-4 NAME : 管理人 2012/08/20 22:25:00
- 腰痛はたまりませんね。 同じ姿勢が駄目だそうですが、目の前にPCが有るとね。
> 航空力学の世界では、Relative Windに対してLiftは直角でDragが平行に発生すると考えます。
この事は、実際はどうであれ、「航空力学を考える時には・・・・」と言う想定ですので、難しく考えない方が良いと思います。 航空力学を考える時には有る程度は共通な決まりがないと、見方によって紙の上での答えが違ってくるんです。 まあ「無線は英語を中心に行きましょう」に似ていると思います。
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