- 277 ATC Clearance について
- NAME : 海 2018/12/30 23:40:39
- はじめまして、海と申します、よろしくお願いします。
今、ATC Clearanceについて勉強しているのですが、どうしてもわからない事がありまして質問させて頂きました 以下のクリアランスはどう解釈すれば良いのですか?
"Maintain 5000, Expect Flight Level Three Four Zero - five minutes after departure"
離陸したあと5000フィートまで上がり、その高度を維持する…までは分かるのですが(汗)
どなたかご教授ください、よろしくお願いします。
- 277-1 NAME : 夜逃げ寸前 2018/12/31 00:57:43
- 海さん、こんちは。
ここらは計器飛行の勉強で基本となる所だから、頑張て理解してね。 計器飛行でのEmergencyは無線機の故障を想定してるのが多いから。
「5000フィートを保てね。 予測としてFL340を 離陸後5分」 直訳するとこんな感じ?
「5000フィートを保れよ〜。 離陸後5分したら、FL340の予定で」 計器飛行では、無線機の故障を前提としてます。 ←←← 基本中の基本 (時代遅れだけど、基本)
(このご時世、携帯電話があるじゃん、、、って思うんだけど、航空法は携帯電話が普及する前なので…… ま、携帯電話があったとしても上空で通話できる保証も無いけど。)
って事で、離陸直後に無線機がぶっ壊れて連絡とれなくなったら、一度は5000フィートまで上昇して維持。 5分後にFlight Level 340 (気圧高度34,000フィートの事)まで上昇してくれな。って意味です。
99%の場合は、5分以内に次の指示が出るけどね。(でも保証なんて無い) 次の指示が出て、それを暗唱(Read Back)したら、それが次の指示となります。
ルートはクリアランスデリバリー(無ければグラウンド、それもなければ、Flight Plan)でのルートとなります。
- 277-2 NAME : 海 2019/01/08 20:50:41
- 夜逃げ寸前さま、レス遅くなり申し訳ありませんでした。
とてもご丁寧に教授頂きありがとうございます。
無線機の故障を前提としていたのですね?…
実はATCの勉強をしていて、あるサイトに行き当たりそのサイトの中の IFR clearanceのページに以下の例が載っておりました
"Air Canada 301, Los Angeles Clearance Delivery. Cleared to the Calgary International Airport via the Gorman Four Departure, Shafter Transition, then as filed. Maintain 5000, Expect Flight Level Three Four Zero - five minutes after departure. Departure Frequency 124.30, Squawk 7201. Good Morning."
お陰様で何となく理解できそうですw
…このクリアランスをリードバックした後デパーチャーコントロールにコンタクトするんだと思うのですが・・・ 5000フィートに到達してからコンタクトするのでしょうか? それともリードバックした直後(上昇中)にコンタクトするのでしょうか?
また時間のある時にでもご教授ください(汗)
- 277-3 NAME : 夜逃げ中〜〜〜 2019/01/09 05:14:52
- エアーカナダ301便、LAクリアランス
カルガリー空港まで許可します (LA空港のSIDからその一つの)ゴーマン4デパーチャーを使い、 その中のシャフタートランジションのルートで出発して、、、、、、 その後は提出されたフライトプランのルートでね (then as filedの部分) (離陸後は)5000フィートを維持してね。 5分経過したら、FL340の予定です。 (無線が故障した時にでも。 実際は管制官が指示しますけど) 離陸後のDeparture Controlは124.30Mhz (管制塔の次ね) トランスポンダーは7201でヨロ〜。 おは〜〜〜
てっ感じですかね。 エンジンが始動してるか、してないかは不明。 理論上、先に滑走路に行く事もあり得るけど、普通はしない。
飛行機好きの方なのは良く分かりますが・・・・・・ 実際は全く違いますよ〜〜〜 知らずに、的外れ、、、、、でも普通ですけどね。 飛行機の世界って上手く出来てるのですが、想像で理解なんて出来ません。 この為だけの免許、計器飛行証明があると思っても良いぐらい。
一応、回答しますが、頭が混乱すると思います。 予想もしない事だらけで理解できないと思いますが、せっかくなので頑張って回答します。
質問されてる事は、本一冊分の世界と思ってもOK そんなレベルですので、理解出来たらラッキーと思って下さい。
> …このクリアランスをリードバックした後デパーチャーコントロールにコンタクトするんだと思うのですが・・・ 残念、違います。 Air Canadaは高確率でゲートに居る時です。 せいぜい、ゲートから離れた程度。
この後は普通は地上管制官、グラウンドですね。 ゲートからPush Backしてから、滑走路まで移動しないと。 滑走路の入り口に近づいたら、管制塔 LA Tower。滑走路への進入と離陸。 離陸したら、管制塔の指示に従ってDeparture Controlに周波数を変更してコンタクト。 昔はLos Angels Departure だったけど、今はSoCal Departure (略してソーカルって言うかな)
> 5000フィートに到達してからコンタクトするのでしょうか? 全く違います。 離陸後に管制塔からの指示が出てからです。 この5000は無線が故障した際の予備的な数値ですから、実際に使う事はまず無いです。 信じられないでしょうけど、計器飛行は「万が一、雲中で無線機が故障したら?」が基本になってます。 (今の世の中、携帯電話なり、別の手段が有るのが普通なんですけどね)
> それともリードバックした直後(上昇中)にコンタクトするのでしょうか? 全く違います。 先にも書いたけど、話にもならないレベルなのですが・・・・・・・ 実際は、ここらを計器飛行の資格を取る時に勉強しますので、知らなくて普通ですからご安心を。
質問の回答は・・・・・ リードバックは、クリアランスを復唱する事で再確認を含めて許可を得た事を確定する事だけです。 それから30分後とかに離陸するのが一般的。 (空中での例外とかは別ね。一般的な話です) ゲートでクリアランスをゲット。それから滑走路に移動。(タクシー) 管制塔に滑走路から離陸許可を取って、離陸後にこのコンタクトになります。
普通は駐機場からの出発前にクリアランスをゲットします。 そして、リードバックで確認されたら有効化されます。(まだ計器飛行は始まってません) そんな状態ですから、離陸はそれから何十分も先の話。
計器飛行の中に組み込んだよ〜って意味。プログラムの中とでも言いましょうか。 有効化されて事前に国空管制のシステムに組み込まれただけで、離陸してから始まります。 当然の事ですが、離陸する前に問題が発見されてクリアランスをキャンセルする事もありますし、 遅刻してキャンセルされる事も、色々とあります。
(計器飛行は色んな方法があるので例外は多くありますが、 多くの旅客機の場合は【離陸前から着陸まで事前に全てセット】になってます。)
こんな状況でのクリアランスですから、空域の予約を取った程度と考えたら良いかも。 しかもその予約は1機とは限らず、何機も居ます。 そんな世界なので、クリアランスにも多くの余裕を持たせてます。 後は実際に離陸してから、管制官が他の航空機とセットで微調節してくれます。
飛行機は電車とちがって秒単位からは遠い世界です。 分単位での飛行すら怪しい世界ですから、 頭の中の予想・想像とはかなりかけ離れてます。
まあ、想像と違って普通なので気にせず。 先にも書いたけど、ここら辺の免許がある世界なんで、混乱して普通です。
- 277-4 NAME : 海 2019/01/09 13:29:58
- 夜逃げ中〜さま
早速のレス重ねてありがとうございます。
>本一冊分の世界と思ってもOK、そんなレベルですので、理解出来たらラッキーと思って下さい 計器飛行証明の本が分厚くギッシリなのが理解できますw頑張ります!
夜逃げ中〜さまのご丁寧な説明で自分が勝手に思っていた世界と全く違うということが良くわかりました(汗)
日本語でこんなにわかりやすく説明して頂く事自体が貴重でして、すごく勉強になります、
ありがとうございます。
- 277-5 NAME : 夜逃げ中〜〜〜 2019/01/09 17:01:59
- 3次元の世界、しかも地上と違い固定されず、経験が無いと想像すら難しい世界。
でも、普通の人なら自動車と同じ様に考えてしまうのは自然な流れ。
故意的に強めに書いてしまったのは、思い込みが間違いの元になっるからです。 もちろん、その思い込みが悪いとは思ってませんが、忘れるのが重要。 「〜〜〜だろう」との思い込みを捨てて、心を開けると理解が早くなるかも。
実際の計器飛行証明のお勉強は、流れの中で覚えていき、知らぬ間に理解してるケースが多いです。 でも、パイロットも人間であり、基本は2次元の世界から来てるので勘違いしてる方も多い。
文章だけで、こんな説明なので、頭の中がグチャグチャになりますが、 実際の訓練を受けると自然に頭に入って来ます。 実際に計器飛行もするので楽に覚えられる。
まあ、私が管制官の教官なら、もっと上手く説明できるんですけどね、、、、 操縦をベースとした教官なので説明が下手になって困惑させてるかも。
ついでに 計器飛行 = 計器だけを参照に飛行する事。 (下手な操縦の証拠でもありますのでご注意を) 計器飛行方式 = IFR = 略して計器飛行とパイロット達も言いますが、本来は別物。 管制官が空域をクリアにして、その空域とルートを管制官が指定して、そのルートを飛行する事。 別名、IFRって言います。 計器飛行方式とかじゃ長いのでIFRって言ってます。 この計器飛行方式、IFRは別に計器だけを見て飛行する事では有りません。 管制官が許可したルートを、許可クリアランスをもらって飛行するのがIFRです。
二つは似てて、同時に行われる事でもありますが、よくよく考えると別物です。
計器飛行方式(ここからはIFRで書きます)は、空域の飛行機を1機に限定して空中衝突を防止する方法です。 理論上、空中衝突の可能性が無くなるので、雲中でも飛行が許可されます。 違う視点で見るとIFRでなければ、雲中を飛行する事は禁止されています。
IFRの許可を IFR クリアランスと言います。 略してクリアランス。 今回、質問されたクリアランスは、出発前にエアカナダがゲットしたクリアランスです。 先にも書きましたが、事前に許可を得ただけなので、飛行してるか?は別の話です。 (このため、クリアランスには時間制限も含まれてます。 指定されてる時間外だと無効になるケースも) 30分後にIFRが始まる事があれば、クリアランスが出たと同時に始まる事もあります。
IFRはルートを管制してる者が管理しますが、 (デパーチャー、センター、アプローチ、日本ならコントロール?) 滑走路での離着陸は管制塔が行います。 空港では色々な航空機だけでなく、自動車なども居れば動物が居たり、予想外の事があったり。 その為、別々の事になるので、クリアランスがあるからと言って、離陸しても良いか?は別件です。 (別の任務がある彼らですが、連絡は密に行ってますし、助け合う事も)
なお、雲中飛行など外部からの情報が無い時は計器に頼るしか方法がありません。 そんな時は「計器飛行」で操縦します。 (計器飛行方式は雲中だけではありません。) この2つも似てるんですが、別物なんでご注意を。
ついでに・・・・・・・ 飛行機を操縦する際ですが、多くの人は計器ばかりみてます。 計器の数値を守らないと駄目だ!との思い込みから来てるのですが、 実際の飛行で計器ばかり見てる人は操縦がど下手です。 シュミレターで疑似体験をしてる方は注意が必要。 (まあ実機で計器しか見てない人を見ると、なんで実機を操縦してるの?っても思いますが)
飛行の基本は「外を見て、自分自身、飛行機の状態」を理解するのが早くて上手い。 特に地平線を見るのが基本の基本。 地平線や風景から、自分自身の状況判断をする人は短期に操縦をマスターして、免許後も上手い。
シュミレターで飛行を経験する人は、どうしても計器しか見ないのですが違うんですよね。 地平線をみて判断をして、たまに計器をみて確認だけする、、、これが上手い人の操縦。
操縦が上手くなってから、計器だけを見る計器飛行をするのが本当の基本です。 雲中では外部が全く見えないので、計器だけで飛ぶのが普通になります。 でも、こんなケースだけが計器で飛行する状態。 (自動車でも速度計ばかり見てますか? 滅多に観ないでしょ? 自転車なら計器すらない)
LA Clearance さきほど、Air CanadaやLA Clearance と有りましたが。。。。。。 アメリカで住まれてるのなら、セスナとか実機の操縦をされたら? 日本だと体験飛行ですら、事実上の禁止です。 アメリカなら飛行教官さえ居れば、それで合法的にしかもお安く飛行できるよ。 10〜20時間で単独飛行ぐらい出来る技量が付くし、 その間に、飛行機の世界が見えてきて、理解がかなり広がりますよ???
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