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IFR飛行での雑談 ヒントにでも

私の掲示板に来て頂いていた方が、IFRの試験を受けられずに帰って来られました。 理由は詳しくは分かりませんでしたが、Multi-TaskとATCの無線が主な原因だったようです。 私はダブル−T(計器飛行も教えられる教官)では無いのですが、IFRは持っているし、それなりの勉強もしたので、計器飛行について書いてみたいと思います。


どんな資格であれ、C-150であれ、Multi=Engineであれ、ヘリコプターでも、「飛行機よりも先に行く事」が基本です。物事が起こってから行動するのでは無く、先を予測して色々な事に備えるのが先決です。遅れると、何をやっても上手く行きません。特にHigh Perforamnce機や計器飛行なら尚更の事です。アメリカ人的に言うと"get ahead of your airplane, never get behind"でしょうか。 航空機の速度が早くなればなる程、遅れが致命的になります。 飛行機に置いて行かれると、操縦はまず失敗します。 まあ航空機には安定性やミスを防ぐ機能が多いので、何とかなる事は多いですけど。


それでは「先に行く為には?」 とにかく準備です。 Private、 IFR、Commercial全てに共通していますが、取りあえず準備です。VFRクロスカントリーでFlight Planを作った様に、色々な事を想定して少しでも多くの事に備えていると意外と簡単に行きます。でも準備を怠ると致命的なミスを犯しかねません。 筆記用具、メモ用紙、チャート、離陸前のプランは多ければ多いほど飛行が楽になります。


さて、IFRに関してですが今回はApproachを中心に考えたいと思いますが結果はDepartureでも同じです。 まずApproach Plateは離陸前に何度も点検します。 En-Routeチャートも見ながら予測できる事は前日にでもできるだけ多くのケースを想定しておきます。 自己流でもOKなのでIFR Flight Planを作ってしまいましょう。 そして分からない事があれば、先に調べて起きます。 教官に聞くのが早いですが、時間に余裕があるのなら自分で調べましょう。意外な発見が出来るかもしれません。 分からない事は飛行機の中で勉強するのは至難の業ですし、また遅れの原因となってしまいます。

そして頭の中で、自分流のチャートを作り、各空港や主なVOR等の場所を頭に叩き込んでおきます。全て記憶する必要はありませんが、大体の位置関係を分かっているだけでも違います。出来れば周波数も整理して、メモして置くと操縦やATCが楽になりますよ。 行く空港が決まっているのなら。Localizerの周波数と方位はもちろん、Cross Checkに使うVORやRadialも頭の中で一度だけでも整理しておきましょう。丸暗記までは必要ありませんけど、一度理解しておくと後で思い出すのが楽になります。

訓練や試験で使う空港の数は限られています。 数も限られているので全てのチャートには目を通しておきます。 頭の中には自分専用のチャートを作り、出来るだけ多くの空港をイメージし、滑走路やアプローチに備えます。クロスチェックの方法や場所をイメージして一度、頭の中で飛行してみれば良いと思います。もちろんMinimumまで飛んで、Missed ApproachもHoldingも頭で練習します。まさにイメージトレーニングですね。飛行中、Cross Checkに使うVORの針は右から?それとも左から?そんな事も考えてイメージしてください。分からない事が出て来たら、離陸前に必ず解決しましょう。また自己流のIFR Flight Planを作るのもお勧めかも。 離陸前のメモにペナルティーはありませんからね。

また知らない空港やクロスカントリーに行く時はSectional(VFR)チャートで、途中のルートを確認してください。IFRチャートは色が少ないせいか障害物や便利な物を意外と見落としてしまいますからね。

とにかく離陸前は準備です。分からない事は全て解決しておく。 そして頭の中でイメージして、可能ならPlanも作っておく。 後はメモをいっぱい作っておきましょう。 余裕が無いとクロスチェックなんて出来ませんからね。 アプローチの周波数を先にセットして置くだけでも大分と違いますよ。


ATCに付いて: ATCは聞いて慣れるしかありません。取りあえず聞いて慣れましょう。 ここには多くの音声データがあるので是非聞いてやってください。 アプローチならSan Joseのページに。 飛行中にできる事は、取りあえず自分の番号を中心に聞き、関係の無い物と区別する。 慣れてきたら、他の飛行機に出されているInstructionを聞いておき、準備します。 また聞いている事で、他の飛行機が何処にいるかと、空が頭の中で見えてきます。

慣れてくれば、他の飛行機の事も聞いておいて、心の準備をしておきます。 私が最低に行っていたのは、周波数のチェックです。 "contact xxx approach on 124.0"等と聞いておいて、開いているラジオにセットしておきます。空きが無ければ、メモっておくと焦らずに済みます。 もっと余裕が出れば、何処にどんな飛行機が居て、何をしているかを想像します。 同じような飛行機が居れば、同じ事を言われる可能性が高いと思って、心の準備をしておきます。 Towerと同じでやっている事は、同じ事の繰り返しが多いですからね。

最近はRadar Controlが主流ですので、Radar誘導されます。IFRは「Radar無し」が基本と成って出来ています。 (これは無線機などの故障があっても即座に対応する為です。) でもRadarを使った方が、多くの飛行機を管制出来て、無駄も少なくなるので、RADARが多用され、今ではRadarが基本になってます。

そんなん事もあり、航空機が少ないEnrouteはVector Airway (Jet Way)が中心となり、空港に近づくと多くの飛行機を捌く為にRadar管制が主流です。離陸では出来るだけ早くAirwayやVORに乗せ、アプローチでは早くApproachコースに乗せる事をRadarで行われます。(もちろんTraffic Advisoryもあります。)

ここでのヒントなんですが、多く有るのがHeadingの指示です。 大きく方向変更を言われる時は管制目的で、10度ぐらいの変更は横風が主な目的です。 これは貴方をコースに乗せようと管制官が行ってるんです。 (ちいさな変化は風対応) 高度は大体、決まっているので他機の高度を聞いておくか、チャートを参照しておきます。先に頭の中で準備しておくと慌てずに済むので、「先に先に準備」をしておきましょう。でも例外も多いので、そんな例外には驚いては行けませんよ。


Scan ,Scan, Scan: 慣れてもよくやってしまうのが、一つの事に集中して、他の事を忘れてしまう事です。(Headingに気がとられて、高度が守れないとか) これは意識して目を動かすしかありません。その為の訓練でもありますが、自分に言い聞かせるしかありません。飛行機の訓練だけだとお金が掛かって勿体無いので、暇があれば頭の中でScanをすると言い聞かせませす。Cross Checkとも良いますけど。マニューバーの時は常に「飛行機がどんな状態」に有るのかを意識します。アプローチなどは心の準備して、「飛行機よりも先に」行く事を心がけ気持ちの準備をしておくと意識が一つに集中されずに、分散されやすくなります。

多分、T-Checkを教えられると思いますが、Attitude Indicatorを中心に、高度計やHeading Indicator、Airspeed Indicatorを確認します。正直な所、飛行機はパイロットよりも上手に飛行します。トリムとPowerをセットしておけば、勝手に飛んでくれるので、変な力を操縦桿与えない限り、飛行機は真っ直ぐ飛んでくれます。本来、パイロットがするべき事は、微調整だけなんです。狂い出せば、正しい方向に向けるだけで自然に戻るのを待ちます。無理やりに持って行こうとすると、Scanが疎かになるので注意です。「操縦桿は生卵、だから優しくね。」 VORやNav関係はそんなにコロコロと変わらないので、理解しておれば、そんなに見なくても済みます。余裕があるならCross Check用のVORでCDIを回して、何処に居るかを知っておくと余裕が出て、操縦(Planning)が楽になりますよ。 

高度やHeadingの変更: 変更を指示された場合、目標のちょっと手前でLevel Offするのは分かりますよね。目標に来てからLevelにすると勢いで目標から外れてしまいます。高度ならVSIの10%、Headingなら5〜10度手前からLevelにすると上手く行きます。注意して欲しいのは、変更をしない方が狂いやすくなるので、違う方を注意してください。 例えば、高度の変更を言われた時はHeadingが疎かになったりするので注意が必要です。 先ほども書きましたが、飛行機は上手に飛行しますので肩の力を抜いて操縦桿に変な力を入れないようにね。 

それにHeadingを90度変えようとしましょう。 するとStandard Rateでは30秒必要です。 と言う事は20秒ぐらいはHeadingの事はちょっと忘れても大丈夫です。 高度変化でも同じです。 Headingや高度の変更を言われると、そればかり気になりますが、逆に変更中は意識する必要が半減する思った方が、操縦が上手く行きます。


Final Approach: ここまで来れば、上手く飛べるでしょう。 先にApprocah Plateを熟知していればそんなに、焦る事は無いはずです。 まあ、1.Missed Approach Point, DH,  2.Minimum Altitude,  3.Missed Approach Procedureぐらいを確認しておけばそんなに狂わないはず。 Timed Approachは面倒ですけど、TrimとPowerの設定が上手く行っていればそんなに難しくないはず。 カウント・ダウン式の家庭用タイマーがあれば便利かな。 それとTowerの周波数もどこかにSetしておきましょうね。

問題になるのはHalf MileとかMiddle Markerぐらいから、コースが外れやすくなって来ます。 これは機械のせいではなく、パイロットのエラーです。LocalizerやVORでも近づくと感度が良くなって来ます。ちょっとのズレで針が左右に振れてしまいます。それを直そうとすると行き過ぎて、コース上でフラフラとしてしまいます。遠くだと感度もまだ低く、問題は無いのですが、滑走路に近いと数メートルの単位で針が振れるので注意が必要です。 正直な所、修正は1度ぐらいでも十分で、何もしないぐらいの気持ちでもちょうどです。Headingが決まっているはずなので、そのままのHeadingを維持すればフラフラとせずに綺麗に飛行できます。滑走路によっては、針が振り切っても、まだ滑走路上に居る時がありぐらいです。チャンスがあればSoloでILSのある滑走路に着陸してみてください。遠方だと真っ直ぐでも、Half Mile以内でちょっと左右にずれてみて下さい。CDIの針が大きく振れるのが理解できるし、それを修正するにはほんの微量の修正で十分とも分かるはずです。

ちょっと大きな滑走路にはILSやLocalizerが設置されている場合があります。 可能ならVFRでもILSをセットして動きを見てください。 Straight-Inを行う時、貴方の着陸する滑走路では無く、隣の滑走路にILSがあれば、その滑走路をリクエストするのも良いでしょう。 ただエアーラインが多い空港では、マナーとして、諦めて下さいね。 可能なら遠方とFinal、そして滑走路上での針の振れ方の差を見てください。一度目で確認しておくと参考になりますし、近付いてからの感度の良さが良く分かりますよ。


10年以上前にやっていた事を思いだして書いて見ました。 忘れてる事もあるでしょうけど、特に記憶に残っている事です。それなりに参考になると思います。 計器飛行は行動範囲を広げるし、飛行機の事を理解するには持って来いです。Privateだけで終わらせずに、IFRを取る事をお勧めします。 Airlineは殆どがIFRだし、それと同じように飛行するのですからね。 

まとめとして、、、、、

飛行機よりも先に行く。 起る事を予測して、飛行する。
準備を怠らない。 メモ魔になろう。
ATCは聞いて慣れよう
Scanを忘れずに。 一つに集中しない。
飛行機の方が、パイロットより上手く飛ぶ。 パイロットの仕事は微調整
Approachの終盤では調節は微量で、何もしない方が良いかも。

これ以外にも大事な事は沢山ありますが、今思い出せる事だけでも書いてみました。参考にして下さいね。私は現役では無いので、ご提案や異議も受け付けています。質問もOKですよ。 メール

製作 2007-09-08

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