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私の回答集です。1

Q1
軽飛行機の飛行規程のストールスピードは最大離陸重量だと認識していますが、だとすれば一人で乗っている軽い状態の場合、若干ストールスピードは遅くなりますか?


A1 Yes、ピッチが低くても十分の揚力が得れる為、失速速度が遅くなります。 

問題・回答ではピッチと書いて有りますが、正確には迎え角(Angle of Attack)になります。 この角度が大きくなれば揚力(Lift)は増します。軽い時はLiftがその分が不要になるので、迎え角(Angle of Attack)が小さくて済むので、失速が起こりにくくなります。(失速速度が遅くなる) この角度が大きくなれば揚力(Lift)は増しますが、大きくなり過ぎるとStallを起してしまいます。 飛行機が重たくなると、その分の揚力(Lift)が必要になるんで、迎え角(Angle of Attack)が大きくなります。 大きくなるとStallに近付くのでStall Speedが速くなります。

Critical Angle of Attack
翼は速度に関係なく、ある迎え角(Angle of Attack)を超えた時に、失速(Stall)を起します。 それをCritical Angle of Attackと言います。 高速でもGが掛かると、その分の揚力が必要となり、迎え角がCritical Angle of Attackを超えて失速してしまう場合があります。 

Pitch (ピッチ) 水平線に対しての角度。
Angle of Atttack (迎え角) 空気の流れに対しての角度

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Q2
次に飛行機の重さを二倍にしたとします。(貨物機などに荷物を満載にして重量を2倍にするとか。)実際のストールスピードは1.4倍になると考えて良いですか? 


A2 答えはYesですが、ちょっと違いが有ります。飛行機での表示は最大離陸重量の時のStall Speedを元にしていますので、軽い時は表示の速度より遅くなると考えていただいた方がより正解です。なお、大きなG(荷重)を加えた場合は、表示速度よりも速い速度でStallします。

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Q3
またパイロット一人の状態と、乗員、燃料満タンの最大離陸重量の状態で、お互い同高度で同出力の場合、重量が重いほうがピッチは上がりますか?ピッチが上がるのなら抗力が増えてTASは遅くなりますか?重い機体と軽い機体では同出力の場合、ピッチとスピードは違うのか?


例えば、通常に飛行する際には、下記の様になるのでしょうか?
  重量が重い=ピッチ大=飛行速度が遅い
  重量が軽い=ピッチ小=飛行速度が速い 全く同じ状況で競争すると勝つ

A3 Yes 正解です。 例文の考えで間違いは有りません。 

重たくなるとそのぶん、Liftが多く必要です。 Liftを大きくする為にPitchを上げます。 するとLiftは増しますが、Induced Drag(抗力)が増えてしまいます。 後ろに引っ張られる力が増すので、その分減速します。  実際は遅くなる分、出力を上げて加速する時も多いですね。

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Q4、60度バンクの2Gで同じ様な状態になった場合はどうなりますか?そしてストールスピードって荷重(G)によっても変わりますよね。( 例えば30度バンクで1.2G、60度で2G、それでストールスピードも60度で2Gなら√2で1.4倍とか。。。。)

A4. 翼は2倍の揚力を作る事になりますので、同じ様にPitchを上げないと高度が保てません。 もちろん、その分は減速します。また60度ぐらいになるとエンジン出力を上げて、それを補う時もあります。(失速防止の考えも有ります。) 迎え角(Angle of Attack)が大きくなりますから、失速速度も速くなります。 これをAccelerated Stallとも言いまして、20年前はPrivateの試験にもありました。

失速速度は、ご質問のように荷重(Load Factor)の平方根に比例して増加します。 √Gに比例して失速速度が増します。(Proportion to the squire root of the Load Factor.)  例えば4Gなら平方根は2と成るので、失速速度は2倍に、9Gなら3倍になります。 (部分的な翼の失速の可能性がある為、若干の誤差は有りますが、基本時にこの考えで間違いが有りません。)

G(荷重、Load Factor)が増えるのは旋回中だけでなく、急下降からの急激な機首上げ(Spin Recoveryも含む)、乱暴な操作、乱気流、意味は違いますが衝撃の強い着陸(Hard Landing)が考えられます。 もちろん、何らかの理由で重量が増えた場合も同じ考えで説明が出来ます。(バナー等、なにかの物体を拾った場合など)

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またVG Diagramと言う、勉強になる表を日本語化したので、見てください。

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