NTSB Part 830 航空機事故の報告に関する法律
アメリカ国内や領土では航空機や乗り物の事故はNTSB (National Transportation Safety Board) が管理、調査、判断を行っています。 航空機に関してはNTSBに関する法律のPart 830で決まりが定められています。(他の物はあまり関係はありませんので、830は理解しておいてください。)
このNTSB part 830を覚える時には大きく分けて、3つの事が有ると考えています。
- 航空機の事故をNTSBに知らせる。 Notify, Notification
- 民間機の事故に関する報告書の提出。 Report, File a report
- 事故機の残骸、郵便物、荷物、整備等の記録を保持する事。Not be disturbed nor moved (Preserve Wreckage)
NTSB関連での単語集:
航空機事故でも規模や搭乗者に与える影響によって、色々な言い方があります。 一般的な交通事故でも同じ様な単語を使います。
- Aircraft Accident 飛行を目的としている期間に起こる重大な事故。 重傷者や死亡者が出るか、機体に大きな損傷を与えた時
- Fatal Injury 死亡事故、 人間を死亡させるほどの怪我。 (Fatal = 死亡、 厳密には30日以内に死亡する場合)
- Incident 小さな出来事だが、航空機の安全飛行に影響を与える様な事件。
(NTSB 830.5(a)での場合)
- Flight Control (操縦系統)の Malfunction (故障)
- Inability of Crewmember 怪我や病気により、操縦士が通常の業務が行えなくなった場合。
- Turnine Enigneの故障、 (ブレード、Turbine Blade and Vanesは除く)
- 飛行中の火災 In-flight Fire
- 空中衝突 In-flight Collision
- 対物への損害額が$25,000を超えそうな場合。(修理代か代替えの購入費用)
- 以上は小型機にも当てはまるIncidentです。大型機やジェット・エンジンではもう少しありますが省きます。
- Serious Injury 重体、大きな怪我。 48時間以内に入院が必要な程の怪我。骨折を含む怪我(指先、鼻は除く)か、体に重大な損傷を起す程度、内臓を傷付けるほど、もしくは 全身の5%以上か第二か第三段階の火傷
- Substantial Damage 航空機の性能や強度に重大な影響を与える程のダメージ。『エンジンの故障、カバー「Fairing」の損傷、機体へこみや小さな穴、地面へのプロペラ接触、脚、タイヤ、フラップ、エンジンに付いている小物、ブレーキ、翼端は含まれません』
航空機の事故はすぐさま近くのNTSB事務所に知らせる必要があります。Nortify, Nortification
- 『Accident』か、830.5に定められるような、Incidentや故障、状況 (Flight Controlの故障、火災、衝突、など)
- 行方不明で、事故に遭遇したと思われる場合。 Overdue Aircraft
Nortifyとは知らせると言う意味です。Nortificationは速やかに行う必要がありあすが、書類の提出は後です。最初は状況を伝えるだけです。 報告書等を提出するのはReportと言います。 このReportは10日以内に報告する必要があります。行方不明で見つける事が出来ない場合は7日間以内です。Overdue
Notify |
何らかの形で
知らせる |
Immidiately |
速やかに |
Report |
報告書の提出 |
10 Days |
10日以内に |
事故機に遭遇した場合の、残骸や荷物、記録の保全義務について。
NTSBの職員か任命された者が残骸を引き受ける(Take Custody)までは、Operator(運行者)はその状態(残骸や状況)を可能な限り守らなくては行けません。もう少し、細かい決まりはありますので詳しくは NTSB 830 を参考にしてください。 短い法律です。
- 航空機事故を起した場合や、遭遇した場合は、むやみに航空機や荷物を触る事ができません。
- その航空機の整備記録など。 (事故が有って、証拠の隠滅などは出来ないよ、と言う意味です。)
- 下記の場合は残骸を触る事が出来ます。
- けが人を助ける為か、取り残された者を救出するため
- 残骸の状態を悪化から守る為。 (現状維持を目的とする場合)
- Public (民間、社会、人々)を守る為。
注意: 上記は私の主観的な考えです。 詳しくは最新のNTSB 830に従って下さい。 また内容に食い違いが有る場合は、私の間違いですので、連邦法に書かれた法律に従って下さい、 (解釈の一例と思って頂ければ良いかと。)