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Constant Speed Propellerの使い方、操縦方法

Constant-Speed Propellerを搭載している飛行機は、Pitch Controlと言うもう一つのエンジン制御用のレバーが追加されます。 Propeller ControlやProp Controlとも言います。前に押し込むとHigh RPMと言い、Pitchが小さくなります。そして手前に引いてくるとPitch角度が大きくなるLow RPMになります。

Pitch Controlの多くは青色です。 (Mixture Controlが赤色で、Throttleが黒色が多く見受けられます。(行機によって違うのですが、最近の飛行機は多いです) 

ThrottleとMixtureはFixed-Pitchプロペラの場合と同じ働きをしています。 ただ回転数(RPM)はエンジン出力と比例しないので、エンジンの出力を測定する物として、Throttle(エンジン出力)はManifold Pressureとして、表示されます。 これはエンジンに入って行く、混合気の気圧を測っています。

Pitch Control (Prop Control)は名のごとく、プロペラの角度を調節する事が主な目的となります。前に押し込むと「High RPM」となりPitchが小さくなります。 手前に引くと「Low RMP」となり、プロペラの角度が大きくなります。離陸時などFull Powerの時は基本的に前に押し込んで、High RPMにします。巡航など、出力を減らす時は手前に少し引いて、効率の良い回転数を選ぶ事が出来ます。これは飛行機のマニュアル、Pilot Oerationg Handbook (POH)の性能表を参考にして下さい。


 

Manifold Pressure / Fuel Flow Gauge Tachometer 回転数

上の写真はConstant-Speed Propellerを搭載した飛行機のEngine Instrumentsです。

写真の左側にある計器は、二つの物を表示しています。計器内の左側はManifold Pressureで右側はFuel Flowと言うものを測定します。Manifold Pressure Gaugeではエンジンに入って行く混合気(空気とガソリン)の空気圧を測定しています。この圧力を測定する事によって、エンジンが作り出している出力を測定しています。(エンジン出力 = Throttle = Manifold Pressure) Constant-Speed PropellerではRPMはエンジン出力と比例しないのでこのManifold Pressureと言う物を測定します。これはTrottleで調節します。 右側の部分はFuel Flow Gaugeと言います。Constant-Speed Propellerであっても無い飛行機もあり、またFixed-Pitch Propellerの飛行機にもある場合があります。Fuel Flow Gaugeはエンジンに流れていく燃料の量を表示しています。出力が一定になった後はMixture Controlでエンジンに流れ込んでいく燃料の量を調節する事が出来ます。 もちろんThrottleの動きにも敏感に反応しますし、Prop Controlにも影響を受けます。

写真の右側にあるのはエンジンの回転を表示するTachometerです。Cessna-152/172などのFixed-Pitch Propellerを搭載した飛行機と同じです。 Constant-Speed Propellerを搭載した飛行機は基本時にPitch Control でRPMを調節します。

Minifold Pressure Gauge Fuel Flow Gauge Tachometer RPM
Throttleで調節する 主にMixture用ですが、他の物にも影響される Pitch Control (Prop Control)
エンジンに入る混合気の気圧で出力を測定 エンジンに流れる燃料の量、Mixtureの調節に便利 プロペラの角度でRPMが決まる。

Propeller Control

このプロップ・コントロールは、エンジン出力が低下した時にPropellerの角度(Angle of Attack)を調節する為にあります。 Throttleを手前に引くと出力が下がり、PMも下がろうとします。 しかしConstant-Speed Propellerの場合、空気抵抗が増えたのか、出力が下がったのはプロペラには分かりません。その為、単にThrottleを絞ると、Propellerは自動的に角度(Pitch)を小さくしてRPMを保とうとします。(LOW Pitch) 

しかし、それではPropellerの効率が最高とは言えません。 その為にCrusieやCrusie Climbなどで、出力を下げる時はProp Controlも手前に引っ張て、効率の良いPitch(Angle of Attack)を選ぶ事になります。 この時はRPMで調節してください。 またその時の最良のRPMはPilot Operationg Handbookに出ています。 (厳密な話をしますと、最良のRPMは表示されていません。 Manifold PressureとRPMの組み合わせでの性能が表示されています。)

Constant-Speed Propellerでの注意

このプロペラを装備している飛行機で、一瞬でも行ってはならない操作があります。 それは「High Manifold PressureLow RPM」です。これは厳禁です。
Pitch Control (Prop Control)を手前に引っ張った状態で、Full Powerにしたり、 Full Throttleの時にLow RPMにしてしまうと、エンジン等が壊れてしまいます。

エンジンは高出力を生み出しています。その時に空気抵抗の強いHigh Pitch (Low RPM)の状態になると、回転を最大限の力で行ってうエンジンに、最大の抵抗を与えてしまう事になります。 プロペラの抵抗とは、エンジンの力に反発する物です。 その為、高出力の時に、空気抵抗が最大であるLow RPMにすると、二つの対抗する作用が物凄く大きくなります。 エンジン内部やプロペラ等に最大限の圧力が掛かり、エンジン内部を損傷したり、プロペラの構造に問題を起したりします。

エンジンの出力を上げる
エンジンの出力を下げる
厳禁 絶対にしては行けない事
先にPropを前に
先にThrottleを緩める
High Manifold Pressure
大きな出力
Powerplant Damage
次にThrottleを前に
次にPropを手前に
Low RPM
大きな抵抗

 

私は運良く、こんな事をした事がありません。 また数百万円するエンジンで実験を行う気にもなりませんので、実際にやってしまうとどうなるかは不明です。間違えて一瞬だけやった友人は「バーン」と言う本当にすごい爆音が響き、死んだと思ったそうです。たぶん比較的馬力が少なかった飛行機なのか、まだそんなにPitch Controlを引いていなかったのでしょう。 皆さんは数百万円を無駄にして命を危険にさらす実験はしないでね。

Prop Forward High RPM 角が小さい Dragが小さい RPMが上がる エンジン負担は少なめ FULL POWER OK
Prop Backward Low RPM 角が大きい 抵抗が大きい RPMが下がる エンジンの負担が大きい 高出力は不可


Constant-Speed Propeller でエンジンを操作する時

エンジンの出力を下げる時は、必ずThrottleから。 (逆にすると一時的にLow RPM、High Minfold Pressure,高出力になってしまいます。)
逆にエンジンの出力を上げる時は、必ずPitch ControlをHigh RPMしてから行ってください。

離陸時はFull Powerになるので、離陸前は必ずHigh RPMである事を確認してから始めてください。
Final Approachでは、多くの場合Low RPMになっていると思いますが、Go-Aroundに備えて必ずHigh RPMで着陸して下さい。

正しくChecklistを使っていれば問題は無いですよ。慣れてきて気が緩むと怖いですから、Checklistを使う癖を付けてくださいね。 ただ、いざと言う時は注意してください。 Power Downはスロットルから、Power UP 特にFull Powerはプロペラからですよ。

一般的なフライトで考えてみると。。。。

離陸の時は、エンジンの出力が最大にもなるので、High RPM (Pitch, Prop Control)を前に押してから、次にFull Pwerにします。 飛行機が加速するにつれて、プロペラ自体も同じ様に前に進みます。 その為プロペラの風向きも変わって来て、プロペラのAngle of Attack(Bite)が小さくなるので,空気抵抗が減って、RPMが上がろうとします。しかしConstant-Speed Propellerはプロペラの遠心力の増大を感じて、ピッチが自動的に変わります。そしては同じRPMを守るように、離陸時に最適なPitch角を保つ事が出来ます。(この角度はプロペラが受ける角度の事です。)

離陸して、安全高度に達すると、エンジンに掛かる「負担の軽減」と「燃料を無駄にし無い」為に、出力を少し下げます。出力を下げるとプロペラが抵抗が増えたと勘違いを起して、Pitchが小さくなります。(その代わりRPMは変化しませんが、Thrustは減少します。)実際は出力が弱くなっただけなので、Propellerの効率を上げる為に、Pitch Controlを手前に少し引きます。Pitch角を大きくする事によって、プロペラの効率を上げます。 適切な設定はPOH(Pilot Operating Handbook)を参考にして下さい。 

Level-Offの時も同じような事を行います。 事前にPreflightの一環として、調べておいた最適なRPMになる様にPitch Controlを操作してください。上手く合わせるとPropeller Controlを手前に引くだけで飛行機の加速を感じます。「ググッグ」と感じるかも知れません。

SQUAREと言って、Manifold PressureとPRMが同じになる様にする場合があります。例えば、25−25呼ばれている状態。 Manifold Pressureを25インチに合わせてRPMも25に会わせます。 このRPM<の25は2,500回転と同じです。単にThrottleだけを減らすと空気抵抗が増したとPropellerは勘違いを起してPitchが小さくなって、RPM(回転速度)は一定なんですが、最良な角度とは言えません。 その為、2,500RPMぐらいになる様にPitch Controlを調節して角度を大きくしましょうという考えです。 アメリカ人には多く、SQUAREと良く言われましたが、科学的根拠は分かりません。大体それぐらいで操縦されてます。まあ負担が少ないので大きな間違いでは無いでしょう。単なる目安だと思えば良いと思います。 正解は「POHを参考に」です。

下降する時、
エンジンの出力を出したまま、下降するとかなり早い速度で飛行が可能になります。「本当にConstant-Speed Propellerは早いなぁ」って感じます。急いでる時はともかく、あまり早く飛行しても仕方が無いし、VaやVno以上の速度で飛行するのも余りお勧めは出来ません。その為に少しは出力を緩めましょう。 その時は必ず先にThrottleを緩めてから、Propを操作してください。逆は厳禁ですよ!

着陸前、
Final やBaseではそれほど速度を出しても意味が無いので、Throttleをかなり絞る状態になると思います。 すると出力が弱くなるので、RPMも下がって来ます。Constant-Speed PropellerなのでRPMを守うとするの為にPitch角もかなり小さくなってますが、それ以上にプロペラを回すエンジンの力が弱くなってるのでRPMもかなり遅くなって来ます。 この低出力の状態ではThrottleでManifold PressureとRPMを制御する事になります。(途中で大きくエンジン出力を出すとまたProp ControlがRPMを制御するようになります。)

On Final、
着陸寸前では、Cheklistで「Pre-Landing Check」を終わらせていると思います。その時にGear DownとPropellerはFull Forwardになっていると思います。 Propellerを着陸前にFull Forward(前に)する理由は、Go-Aroundの準備です。(計器飛行ならMissed-Approachです。) 緊急時の時にFull PowerにするとLow RPM(Propeller Control)を後ろにした状態で、Full Throttleにしてしまう可能性が高くなります。エンジンと貴方の命を守る為に先にPitch Controlを前にしておきます。(もともとエンジンの出力が少ないので、Pitch Controlを変えても影響はありません。)

着陸後やTaxiでは、
エンジンの出力はかなり少ないので、Throttleだけで操縦が出来ます。Pitchは影響が無いので、前にしておきます。万が一、エンジンの出力を上げる必要が有る時の対策にもなりますし、また離陸を行うかも知れません。 エンジンの停止は、Checklistにしたがって行ってください。基本的な事は他の飛行機とは変わりませんが、機種によって多少は違うのでChecklistは必ず使ってくださいね。 

エンジンの停止後
Manifold Pressure Gaugeは大気圧を示します。 エンジンが停止してしまうと、エンジン内部の空気圧は外部と同じになるからです。


以上が私のConstant-Speed Propellerの説明でした。 もう15年以上も操縦していないので、抜けている事があるかも知れません。何か抜けている事や不明な点があれば是非教えて下さい。 またPitch ControlにはPropeller Control や Prop Controlと複数の言い方があって、本文の中でも混じっていますがお許し下さい。3つとも同じ物です。

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