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Spatial Disorientation 空間識失調 (Vertigo)上下や傾きが分からなくなる事。 視程が悪い時や雲の中、夜間に起こりやすくなります。経験が有っても陥る事があります。写真の時の様に雲の中や近くを飛行する時はSpatial Disorientationに注意が必要です。計器飛行の訓練を多く受けていれば、危険性はかなり回避できます。IFR Ratingがあっても、経験が少ないと危険です。 地平線が見えている時は問題は無いのですが、 雲や霧の中や地平線が見えない状態で、飛行機の姿勢が分からなくなる状態です。また夜間で地平線が明確に分からない時にも起こります。 飛行時間が多くあっても、かなり起こりやすい状態です。 上記のCape Blanco State空港から夜間に離陸する時もSpatial Disorientationにも注意するべきです。どちらの方向に離陸してもライトが少なそうな地域なので、新月の晩などは地平線がかなり見難いと推定できます。特に北西に向かって飛行する時は注意が必要でしょう。海に向かって離陸していくと、海上には殆ど何もありません。数隻の船が居ても、Spatial Disorientationを防ぐには十分な数では無いでしょう。またこの空港はRunway Lightも無いので、夜間にはかなり危険な空港と予測できます。
このSpatial Disorientationの状態になると体の感覚と飛行姿勢が会わなくなり、状況が分からなくなります。 地平線が見える時は直ぐに、頭の中が修正できますが 見慣れた地平線が見えないと、頭が混乱を起こして飛行機の姿勢が分からなくなります。 精神的な影響も大きく、一度狂いだすと修正できずに墜落に陥る場合があります。 人間では誰にでも起こりえる普通の状態ですが、対応が出来ないと非常に危険です。 地平線が見えない状況では、体が感じる物や機外から頭に入ってくる情報は全て狂っています。 通常では「癖」で計器を見て、「癖」で修正が出来ているのですが、ちょとした事で狂いだします、 もし間違った情報で飛行すると、もっと姿勢が悪くなるので状況はすぐに悪化します。 そうなると不思議な物で、自分の間違えた情報が正しいと思えてきます。そうなると悪循環の繰り返しで、気が付かなければ、地面に衝突、失速やSpin、空中分解などが考えられます。例えば旋回ですが、正しく旋回すると、体は傾きません。ただ、多少の重力の増加(G)を感じる程度です。ただこの重力の増加は、機首を引っ張り上げた時と同じで、パイロットは計器を見ない限り区別は付きません。 地平線が見えない時の飛行方法は、自分の感覚を全て無視し、計器のみを信じて飛行します。 自分自身の感覚を無視するのは日常を否定しているのと同じで、非常に困難ですが、これが出来ないと多くの場合は墜落します。Airlineの飛行機でも雲の中に入ると、乗客の私達でも傾いているか否かが分からなくなってきます。試しに着陸前に数十秒間だけでも目を閉じて、飛行機の状態を想定してみて下さい。真っ直ぐ飛行していない限り、多くの人は想像よりもバンク角が違って居ると気づくでしょう。傾いていないのに傾いていると勘違いする事もあります。
天気が良くても夜間では注意が必要です。 田舎など暗い所を飛ぶと、暗くて地平線が見えない時があります。例えば上のCape Blanco State空港。夜間に離陸すると回りには町が無いので注意が必要です 町の明かりもまばらで、地平線と思える物がただの光の塊の場合で、違う時も多いです。 ロサンジェルスの様な大都会でも光が多すぎて地平線が分からない場合もあります。 天気が良くても地平線が分からない時は、自分の感覚を無視して計器を信じてください。信じないと、ドンドンと状況が悪くなって、事故の危険性高くなります。 数千時間の飛行経験があっても、Spatial Disorientationは起こります。 陥っても普通です。大事な事は、それを認識し適切に対応するかです。 対応さえ出来れば、直ぐに回復します。 |
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