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Aviation Fuel, 航空燃料 Avgas

私達が訓練に使う多くのピストン・エンジンの航空機では、航空機用のガソリンを使います。(ジェット・エンジンはジェット燃料を使います。)英語で言うとAviation Gasolineですが、略してAvgasとも言います。この航空機用のガソリンには色々な種類の物があります。航空機用のガソリンは法律が厳しく、品質は良くて何処のガソリンメーカーの品でも品質は同じです。 

種類の区別はオクタン価(Octane Rating)で決まります。このオクタン価はデトネーションの起こり難さ、自然発火の発生率の低さで決まります。80や100と書かれている数字がオクタン価です。数が大きいとDetonationが起こり難くなります。 勘違いして欲しくないのですが、この数字が「大きいと燃料は燃え難くなります」。 この燃え難さが、高い圧力(Compression)まで安全に上げる事が出来る事が可能になります。この数値が高いと、異常燃焼(Detonation)の危険性も下がります。 Octane RatingはAnti-Detonationとも言います。

オクタン価(Octane)の種類には 100LL, 82UL, 80/87, 91/96, 100/130, 115/145が一あります。 一般的には100LLと80が多いです。ここ数十年では100LLと呼ばれるのが最も多く販売されています。 話によると、アメリカの場合は00LLしか販売されて居ないそうです。

  • 100LLとは、「100 Octane, Low Lead」、オクタン価が100で鉛が少しだけ有ります、という意味です。
  • 日本は100が普通で、それしかないそうです。 (個人輸入をしている人を除きます。) 日本の場合は環境に対する規制が厳しく、単に100と言っても、アメリカの100LLの基準は満たしているそうです。

Aivation Gasolineの色

  • Gradeが80の時 : 赤色
  • Gradeが100LLの時 : 青色
  • 100/130の時 : 緑色
  • Jet Fuel : straw色、麦の事ですから、薄い茶色でしょう。
  • 80 と 100を混ぜた時 : 透明

燃料には間違えないように、色が付いています。 多くは100LLなんで普通は青色だと言う事を覚えて下さい。 (日本では100なので緑色になります。) また赤色や透明な時は注意してください。 80のAviation Gasolineが認められていない場合が多く有ります。 (最近のエンジンは圧縮率、Compression Ratioが高いが多く、オクタン価が高いのを求められます。 どの種類のガソリンを使うかはPOH, Pilot Operating Hand Bookに書かれています。もし指定されている燃料が無い時は、Octane価(Grade)の高い航空機用のガソリン(Avgas)を使用が勧められます。同じオクタン価でも自動車用のは使えません。 

等級が低い(Lower Gradeの)ガソリンはデトネーションが起こり易く、エンジンの温度も上りやすくなります。(数値が低いというのは、Detonationに対しての耐久性が低いのです。) 等級の低いガソリンは燃えやすいのですが、その分燃焼温度も高く、エンジンを高温にしてしまいます。 その為にも、指定のガソリンが無い時はOctane価(Grade)の高いのをお使い下さい。 Detonationなどの異常燃焼に付いてはこちらでも。

自動車用のガソリンの使用を認められている飛行機もありますが(古い飛行機に多いです。一部のCessna 150とか)、ほとんど多くの飛行機では、自動車用は使えません。 ガソリン自体の品質も悪くゴム系の部品を溶かす場合もあります。場合によってはエンジン自体を壊す場合もあります。もし自動車用を使う時は、FAAからの許可が下りている事を確認して下さい。 (Form-337をFAAに提出して、 Supplimental Type Certificateと言う許可書が必要です。)


燃料を入れるタイミング:

長距離飛行に行く時は、燃料がなくなる前に、普通に入れて下さい。 しかし、離陸前にFuel Seletorの使い方も確認しておいて下さいね。多くのパイロットはCessna-152/172で訓練します。これらの多くの訓練機は同時に燃料を使うようになってるので、Fuel Selectorの存在を忘れがちです。 TwinなどFuel Selectorが複雑なものは、操縦士が使い方を知らずに、一つの燃料が満載でも、ガス欠で不時着と言う事があります。その為を防止する為にも離陸前には「燃料の量や状態だけ」を見るのでは無く、使い方も理解しておいて下さいね。

次に等級を間違えないように。 それとTurbo機の場合も(一部を除き) Avgas, Aviation Gasolineを入れてください。たまに飛行機の”Turbo”って文字に惹かれて、燃料屋のアルバイトの子が知らずに、Turbo Engineと言う名前に気を利かしてJet Fuelを入れてしまう事が有ります。 普通のガソリンエンジンにTurboが付いた飛行機では、普通のガソリン用のエンジンで動いています。 その為ターボ付きの飛行機でも航空機用のガソリンが必要です。 気を利かせて、間違った燃料をTurboエンジンに入れてしまう事故が多発しています。 ちゃんと調べれば直ぐに気が付きますが、Preflightで手抜きをすると離陸後直ぐに墜落って事になってしまいます。 ホースの形を変えて間違えない様にしていますが事故は無くなりません。 特にTurboって書かれた飛行機に乗る時は燃料の種類に注意ですよ。
(Turbopropと言うプロペラ付きのジェット・エンジンならJet Fuelを使いますので、それはそれで正解です。)

燃料を入れるのに一番ベストなのは、一日の終わりです。ガソリンタンクの中に空洞が有ると、ガソリンタンクの中には外気が入っています。しかし夜間に気温が下がると、タンク内に残っている外気も冷えてしまいます。もし湿度が高い日でしたら、夜間の冷気がタンクを冷やしてしまいます。 すると空気内の水蒸気が水滴として燃料の中に入ってしまう場合があります。その為、飛行後は燃料タンクを満タンにして、空気の量を減らしてくださいね。 それで、水が溜まりにくくなります。

それから離陸前ですが、燃料系に溜まった水を取り除く為にFuel Drainなる物が機体の外側に、付いています。 注意して頂きたいのは新しい飛行機など(Cessna-172XP)機体の底にガス抜きをするDrainが3、4個付いています。 前の172-N型まではDrainは一つでしたが、新しいのは増えていますので注意してPriflightして下さい。 (TankのDrainとは別で、燃料ライン、配管の事です。)

 

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