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夜間飛行での眼について: 人間の眼の仕組み。

人間の目玉の奥には光を感じる細胞が並んでいます。

中心には Cone (錐体細胞)ってのが沢山存在しています。
その回りには Rod (桿体細胞)がグルリと並んでいます。
   (右の図を見てください)

Cone (錐体細胞)
この細胞は色(Color)を判断したり、距離感、また細部(Detail)まで判断する事が出来ます。 貴方の視線と言われる部分で、特に昼間や明るい所で活躍します。

Rod (桿体細胞)
回りに多く分布しているこの範囲では、貴方が見る(直視する)所からちょっと離れた所を見ています。 これをPeripheral Vision、周辺視野と言います。 また、この範囲ではGray Scaleと言って白黒に見えるそうです。  また、細部までは認識できませんが、暗い所ではConeよりも物が良く見える様になります。 細部までは判断できないので、昼間の様に眼をキョロキョロと動かすより、夜間はジックリと見るのが方法です。

Rodは明るい所では、殆ど機能はしていませんが暗い所ではConeより5,000分の1の明るさまで感知できると言われています。

Cone と Rod

人間の眼は、明るい所では中心のConeで色や細部まで見て、真っ暗な場所では、回りのRodが変わりに機能する様になっています。 ただ都市の上や満月などの明るい所では、Coneが機能するには十分な明かりが有ります。 これには個人差が有るので、どれ位とは言えませんし、この様な状態でも、暗くなって行くとConeの働きが低下して、Rodの機能が良くなる時もあります。 

ですから、暗い暗い所を飛行する時はRodの細胞が多く光を得る、視線の回り(Off Center)を見る事が必要になります。 視線の真ん中ではRodには光が届きません。 この暗所で回りが機能している状態を周辺視と言うそうです。

暗い所に慣れるまで

人間の眼は上手く出来ていて、昼間の眩しい明かりから、夜間の暗闇まで認識できます。 頭では余り感じられませんが、明かりの差は10万倍ぐらいは認識できるそうです。 ただ明るい所と暗い所では眼の機能が違うので、暗闇に慣れるには時間が必要です。

Coneは暗くなってから5分から10分間で調節が出来るそうで、感度が約100倍向上するそうです。

Rodはもっと時間が必要で約30分必要とされています。そのかわり感度が100,000倍も向上し、暗闇ではConeよりもRodの方が良く見えるようになります。

この状態から、明るい所に行ったり見たりすると、最初はクラクラしますが、数秒で調節できると言われています。しかし、また暗闇に慣れるにはまた20−30分必要となります。(馴らす事をNight Adaptationと言います) ですから、夜間飛行では出来るだけ暗いライトを使い、眩しい物を見ない様にします。赤色のライトを使うのも夜間視力に影響を与え難くする為です。そして夜間飛行をする時は、30分以上は暗闇に鳴らしてから飛行するべきです。(明るい物を見ない。 大きな懐中電灯は使わない。)

地上をTaxiする時に、前方に飛行機が居ればLanding Lightを消すのがエチケットです。もちろんRunup中も不要ならLaonding Lightは消しましょうね。

視力と酸素

眼は酸素をよく使う器官です。暗がりでは眼は何時も以上に機能しています。 ですから視力を保つ為に夜間に5,000フィート以上を飛行する時は 酸素(Supplimental Oxygen)を吸いながら飛行するべきとも言われています。 

私たちの多くはCessna-152/172を飛行しているので現実的ではありませんが、それぐらい夜間には眼の機能が低下していると理解してね。 また安全な限り空気の多い低空を飛行して下さい。 運良く供給酸素が有る飛行機を操縦される方は、5,000フィート以上では酸素を吸いながら飛行してくださいね。 

人間にはこの視力低下はなかなか気が付かないそうです。 私は供給酸素を使った事は一度だけで、しかも昼間しかありませんので、夜間での体験はありません。 しかし、夜間に酸素無しで飛行し、途中で酸素を吸うとビックリするぐらい眼の周りが明るくなるそうです。

夜間飛行の注意

夜間飛行をする時は、事前に30分ほど暗闇に眼を鳴らします。そして赤いライトを使ったりして、夜間視力の影響を最低限にします。また赤いライトではチャートの色が変わって見えますので注意が必要です。 何らかの理由でライトを使う必要が有る時は、可能な限り暗くして、ライトを使用します。 (Minimum Light Intensity)

他にも注意する事は沢山あります。 RunwayとLightの見え方、坂になってるRunwayの錯覚、illusion。Runwayの幅が違って錯覚が起こる。 また地平線が見えないのでDisorientationに入りやすい。 海上や何も無い所に向って離陸する時の注意。 Black Hole Approach。 日中の疲れが出る。。。。等などと色々と注意点があります。 ここでは視野についての説明ですので、これで終りますが、夜間飛行の注意点は多く有ります。

夜間飛行訓練の前には必ず飛行教官から夜間飛行についての説明を受けてくださいね。 多くの方は街中で訓練されているでしょう。その為、多くの飛行教官は夜間でも明るい所を飛行している人が大半です。 その為、夜間飛行の事をあまり教えてくれませんが、貴方の飛行教官に上記の事をしっかりと教える様にと頼んでくださいね。 天気の良いVFR Nightで、Spatial Disorientationで亡くなる方も毎年の様に居ますが、訓練や知識で防げるのも多いのが事実です。

 

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