Attitude Indicator, Artifical Horizon, AI, 姿勢計、姿勢指示器、人工水平儀
調節方法:
姿勢計は常時、地平線の位置を示してくれます。 C-152/172などでは離陸する前に、地平線と飛行機がピッタリと合う様にセットします。 しかし、飛行機で飛行する時は、色々な状態で飛行します。 エンジン出力を少なめにしたり、荷物が多い時、高高度を飛行する時等は飛行機は上向きで飛行します。逆の場合もあります。 また燃料が減れば、少しづつ機首を下げていきます。 また飛行機によっては始めから、機首上げの状態にする飛行機もあります。 その為、操縦士はAttitude Indicator内部のMiniture Airplane、小さな飛行機を調節する必要があります。
左上の写真で赤い矢印で示されたノブを回転させて調節します。 クルクルと回すと、中の飛行機が上下します。 水平飛行(Straight and Level)に入ってエンジン出力と高度を設定すれば、中の飛行機を地平線(Artificial Horizon、 Horizon Bar)に合う様に合わせてやります。 操縦士は計器内の地平線の調節は出来ませんが、小さな飛行機の調節は出来ます。
Attitude Indicator Error
姿勢計にも構造上の問題で若干のエラーが発生します。姿勢計には摩擦が殆ど無いベアリングが使われているのですが、どうしてもその微量の摩擦が、ジャイロ独特のPression(摂動、プリセッション)を起こしてししまいます。 その様なそのエラーを治す為に、Self-Erecting Mechanismと言って、自動的に治る仕組みがあります。この仕組みのお陰で、飛行中に何らかの影響で姿勢計の体勢が狂っても、元に戻ります。 基本的に飛行機はStraight-and-Levelで飛行する物ですから、姿勢計も水平飛行で、正しく示す様に設計されています。
(仕組みの説明は、不要なほど細かいので省きます。このエラーを無くす為に、姿勢計にも重力を感じる部分が有り、それでエラーを無くすす仕組みになってます。でも、旋回中は遠心力で、ちょっとだけ姿勢計が勘違いを起こします。 その勘違いがまたGyro Precessionで・・・・とエラーがちょっとだけ出てきます。 すいません。 正直、私も詳しく説明する自信が有りません。)
しかし、この自動仕組みとGyroのPrecession Errorで、少しですが姿勢計の表示にエラーが表示される時があります。 このエラーも、少しの時間で元に戻ります。 しかし、フードを被って気合を入れて計器飛行の練習をしていると、この誤差に気が付きます。 まあ、微妙な量なんで、気にする事も無いのですが計器飛行の訓練をして居る時は、このエラーも頭に入れて置くべきです。 (クロス・チェックの癖が付いていると、気にはならない量です。)
Acceleration Error = 水平棒が下がる = 飛行機が上って見える = 上昇に見える (= 間違ってPitchダウンさせる可能性が有る。)
Decceleration Error = Horizontal Barが上る =
Miniture Airplaneが下降に見える (= 間違ってNoseを上げるかも。)
タクシー中にはこのエラーが強く出ないか確認します。Taxiの旋回でも多少は出る事もあるでしょうが、5度以上の傾きが有る時は、故障と判断し、この姿勢計は使えないと判断できます。 (タクシーは速度が遅いですが、遅い分、旋回率は早いんですよ。)
Turning Error = Coordinated Turnを終えると、若干ですが姿勢計はPitch UPと反対方向に旋回を示します。
180度ターンで最大になり、そして360度では、最初の180度と後半の180度でエラーどうしが消し有って、表示のエラーが無くなります。
誤差も小さく、数分で自然には治りますが、良く見ていると見えます。
Skidding Turn : 外すべりの状態、Noseが旋回の内側に来てしまい、ボールが外に飛ぶ状態
これも同じ様な現象ですが、構造上、Skidさせると、Gyro Pressesionで計器の誤差が強くなります。
この状態では、姿勢計に変な力が掛かり、姿勢計が間違った方向に修正をしようとします。 その間違いで、旋回が終わった時には、姿勢計が反対方向の旋回を示してしまいます。 これも水平飛行にはいると、じきに治るのですが、最初は姿勢計が逆の方向を示します。
Slipの場合は、それほど強く影響を受けません。 Slipの方は元々のエラーと重なり合う状態ですので誤差がもっと微量になります。
エラー自体もそんなに大きくは無く、VFRでは気が付かない程です。 計器飛行の訓練で気合を入れて、やっと気が付くレベルでしょう。しかし、姿勢計やGyro Instrumentsにもエラーは存在していると理解しておいて下さい。