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Airworthiness Directives (ADs, 耐空性改善通報)

航空機の設計や部品に何らかの欠陥が見つかり、全ての機に危険を及ぼす可能性が有ると判断された場合にFAAは修理(Repair)や点検(Inspection)、改善(Alteration)などを命令します。 これをAirworthiness Directives (ADs、耐空性改善通報) と言います。

航空機の場合は、このADには従う事を法律で定められています。 

必ず行う必要が有る時は英語ではMandatoryと言います。ADはMandatoryです。 

  • Informationalと言われた時は、参考にって意味で、Voluntaryは「意思があれば是非」です。 ADはMandatoryです。
  • また自動車のリコール(Recall)と似ていますが、航空機との違いは必ず従わないと飛行は認められません。
  • 飛行可能な飛行機の事をAirworthyとか言いますが、ADに従っていない飛行機は「Airworthyじゃない」と言います。

このAirworthiness Directives (ADs)は航空機(Aircraft)、発動機(Engine)、プロペラや部品・機材(Appliance)に対して出されます。 
例えばC-172のN型にADが出されれば、全てのC-172Nが対象になります。 もしA社のB型の高度計にADが出されれば、機種に関わらず、そのB型の高度計を搭載している航空機全てが対象になります。

このADですが、発行されると必ず従う事が義務付けられます。 この時は適切な航空整備士によって点検、修理、修繕が必要となります。 

  • 直ぐに対応が求められる物、次の点検までに求められる物、機体の飛行時間で求められる物、交換時など色々とあります。
  • 猶予が設定されている場合は、その時期に達するまで飛行は可能です。 
    • 筆記試験で:(直訳は変わりますが「if allowed by the AD」の一つと考えられる。)
  • また ADの内容によっては、条件付で飛行を認める場合もあります。「if allowed by the AD」
  • 一度だけで済む物 (One Time) や 定期的に繰り返し行う物(Recurrent)があります。
  • 飛行しようとする航空機に出されているADは通常Aircraft Maintenance Records (AircraftやEngine Logbook)に一覧があります。
  • ADに関する法律は FAR 39になります。 (39は整備用なので、操縦士はADに従っている事を確認すれば十分です。
  • 全てのADsに対して行った整備内容はMaintenance Recordsに行った整備士によって適切に記入されている必要があります。
  • Owner や Operator には全てのADに従っている事を確認する義務があります。
    • 対処するのは整備士の役目ですが、それを確認するのが、オーナーや運行者です。
  • 操縦士も、全てのADが行われている事を確認する義務があります。 (航空機の日誌を見れば分ります。)
  • 物によっては、ADの内容が変わる場合があります。 この様な状態をSupersedeって言います。
    • 新しいのが古い物を変えるって意味です。 法律的な書類とか刊行物でよく見かける単語です。

Airworthiness Directiveの事

多くの航空機には複数のADが出されています。 大昔はADが無い方が故障が少ないとメーカーは喜んでいましたが、今の訴訟の時代になるとメーカーはドンドンとADを発行してもうらう様に祈ってます。 さてそのADですが、 通常は航空機の日誌、Logbookに一覧表が張られています。 法律的には、この日誌をAircraft Maintenance Recordと言いまして、多くの小型機にはEngine LogbookとAirframe Logbookと書かれた物が2冊ほど有ります。名前は違いますが同じものです。 どんな訓練機でも10個以上はADが出されてるでしょう。

一覧表が有る程度、読めればまあ飛行試験はOKでしょう。 ですが、怪しい航空会社の飛行機を操縦する場合は本当に整備されてるかが気に成りますよね。その時はFAAのWeb site(http://www.faa.gov/)のリンクを辿ってAirworthiness Directivesのページに行くとADが出ています。(2009-06でのリンク) リンクは頻繁に変わる可能性があるので、 その時はRegulations & PoliciesからAirworthiness Directiveのリンクを探してください。 

昔はADが出されるとFAAから郵便でADの事を知らせてくれました。今は不明ですけど、上記の様にFAAのサイトで見れるので、昔よりも簡単に探せます。 C-152やC-172の様によく飛んでいる飛行機は多いですよ。 また機種によっては、主翼を取り外さないとADの確認が出来ないADが出されている時がたまに有ります。 (まあ、負担が大きいのでこの様なADは変更される時が多く有ります>)

アメリカでは、簡単に「AD」と呼びます。自動車と比較する為に、アメリカでは「自動車のリコール」を例に取ります。 ただ大きな違いは、航空機の場合は、法律的に修繕などの対応を義務付けています。 
    自動車の事をアメリカでは「Car、 Auto, Automobile」と言いますので、参考に覚えておいて下さい。

 

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