実際に計算をしてみよう。
最初は重量からが良いでしょう。 (順番は多少変えても大丈夫ですよ)
この例題でしたら、下記の様になります。 また燃料はガロンと容積で表されているので、ポンドに変換する必要があります。
(航空ガソリンは、1ガロン=6ポンドです。)
飛行機の重さは、上の表の仲の、右側下よりに書かれています。
Weight 2,015 lbs、 Moment/100が1,554.
項目 |
重量 |
Arm 距離 |
モーメント/100 |
飛行機(自重)
空の状態での重さ |
2015 |
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1,554 |
項目1 前の席 |
415 lb |
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項目2 後ろの席 |
110 lb |
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燃料 44ガロン |
264 lbs |
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予備タンク 19ガロン |
114 lbs |
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荷物 Baggage |
32 lb |
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合計 |
2950 ポンド |
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重量が分れば、合計重量が分かります。 2,015 + 415 + 110 + 264 + 32 = 2,950
また、この表のモーメントは100で割られていますので、「Momt/100」と表示されます。 重量と距離を掛け算した場合は、統一する為に100で割ります。
(もし、全てを計算でされる時は、100で割る必要はありませんが、今度はどの項目も表の「Momt/100」は使えません。)
次はモーメント。
人間の部分は、指定された重量でのモーメントが計算されていません。 重量とArm(距離)の掛け算をして、モーメントを求める必要があります。 また他のモーメントと統一する為にも、積を100で割る必要があります。 Armは 85インチ と 121インチになります。
Front Seat : 415 lbs x 85 in = 35,275 in-lb それから計算用に100で割ります。 35,275 / 100 = 352.8 (Moment / 100)
Rear Seat : 110 lbs x 121 in = 13,310 in-lb ですから 13,310/100 = 113.1 この二つが人間の分です。
次に燃料とモーメント
燃料の事は、右上の二つの表に出ています。
上がMAIN WING TANK 普通の燃料タンクと同じ、主翼の中に有るタンク。そして
下がAuxilary Wing Tankで、予備のタンクと言う意味です。
燃料は、Weightよりも容量(ガロン)を中心に書かれています。
燃料はガロンで補給するので、重量よりもガロンの方が分りやすくなってます。
この飛行機は、何か分かりませんが、機種によってはガロンでの目盛や印がある機があります。
燃料を補給する、タンク車や燃料ポンプはガロン表示です。
今回はMainが44ガロン、 Auxが19ガロンです。
表の中で一番、大きな数字ですから両方を満タンにしているのでしょう。
Main Tank
量は44 Gallonで 重量は264 lbs, そしてMoment/100 は 198 と分ります。
予備 Aux Tank
量は19 Gallonで 重量は114 lbs, そしてMoment/100 は 107 と分ります。
最後に荷物。32ポンド
荷物(Baggage)の重さは32ポンドです。
運悪く、32ポンドでのモーメントは表示されてませんので計算します。
ARM(距離)は140インチと表示されてますので、、、
32 lbs x 140 in = 4,480 lbs-in
モーメントは100で割る様に統一されてますので、、、
4,480/100 = 44.8 がBaggageのモーメントです。
これで全部のモーメントが分ったので、表に書き込みます。。。。
項目 |
重量 |
Arm 距離 |
モーメント/100 |
飛行機(自重)
空の状態での重さ |
2015 |
--- |
1,554 |
項目1 前の席 |
415 lb |
85 |
352.8 |
項目2 後ろの席 |
110 lb |
121 |
113.1 |
燃料 44ガロン |
264 lbs |
75 |
198 |
予備タンク 19ガロン |
114 lbs |
94 |
107 |
荷物 Baggage |
32 lb |
140 |
44.8 |
合計 |
2950 ポンド |
--- |
2,389.9 |
Armは必要は無いですけど、分る部分を書き込んでおきました。
合計モーメントは、全てを合計します。 2,89.9となります。
CG Location、 CGの位置は?
次は重心位置が安全か見てみます。
2,950ポンドでの、安全なモーメントの数値を見てみます。
重量が2950ポンドの時は、安全なモーメントは2,422〜2,499となります。
今回のモーメントは2,389.9でしたので、最小の2,422以下です。
重心位置はLimitよりも前になるので、重心が前過ぎます。
重心は制限外と言う事で、
CG out of limitsとなります。
参考に今回のCG位置は 238,990 in-lbs / 2950 lbs = 81.01.......inchです。
この飛行機のCG位置の許容範囲は、図33の右下に書かれています。
2950ポンドの時なら 82.1〜84.7インチ
2525ポンドの時なら 77.5〜85.7インチ
2475ポンド以下なら 77.0〜85.7インチ
この範囲内の距離にCGがあれば、飛行する事ができますが、今回は81.01インチに重心があり、2950ポンドでは重心の位置が前過ぎます。
重量がもっと軽ければ、81インチでも大丈夫でしたが、重量が思いと認められません。 重量が多いと、制限が厳しくなるのです。
今回は、 重量は制限以内でしたが、CGが前過ぎました。 軽くするか、後ろの人を前に座らすなどの方法で安全に飛行が出来たかも知れませんね。