航空機の操縦で、目的の高度に上昇したり下降したりするのは日常茶飯事です。 Student Pilotの頃から普通にやっている事です。 目的の高度に達して水平飛行に戻るのを「Level Off」と言います。 Privateの練習など、有視界なら何となくの気分で簡単に高度の変更は出来たでしょう。 計器飛行になると「人間の目で地平線」が見えないので、Level Offでも有る程度のルールを決めておかないと、スムーズな調節が出来ません。 計器飛行でも慣れてしまえば気が付かなくなるのですが、やはり目からの情報が有るのと無いのとでは違います。
この単純な「Level Off」でも、有る程度の基本があります。 (もちろん、強引な操縦で短時間で終わらせたりも可能ですけど、それは別)
まず、目的の高度に達してから、Level Offの操作をしても、Overshootと言って、行き過ぎてしまいます。 これを防止する為に、ちょっと早めにLevel Offの操作を開始します。 これをLeadとかLead Timeと言います。 (旋回やVOR、Localizer、ADFでも似た様な所は有ります。
Climb から Level Off の場合
- これはVSI(昇降計)の10%の数値の手前から、Level Offを始めると、スムーズに移行できます。
- 例: 上昇率が 500 feet per minutes なら 10%の50 feet手前。
- 例: 1000 RPMなら 100 feet手前からLevel Offします。
- 上昇の場合は、Full Powerかそれに近い状態なので、あまりLevel Off後の速度は考えません
Descent から Level Off の場合
- 下降からの場合ですと、Level Off後の速度で対応がちょっと変わります
- 一定速度を守るなら、10%手前からCruise Powerを入れてやります。 そしてPitchの微調整となります。
- 速度を上げる必要が有るなら、25%手前からPowerを入れて、Pitchの調整する必要があります。
- 私達が訓練するような飛行機、Cessna-172やPA28シリーズなら500 fpmが基本なので、通常は50 feet Leadで。
- もちろん、VSIの数値が大きければ、それに合わせて、修正してくださいね。
水平飛行で微調節が必要な場合 Correction in Level Flight
- 水平飛行をしている場合は、Trimをセットしてやると高度は、大きく変わる事はありません。
- それでも、頻繁に高度が変わるのは、Trimが正しく設定されてないか、 緊張の余り手が操縦桿を押している場合です。
- 基礎が出来ていない場合は、一つの計器に目が行き過ぎて、必要以上に操縦桿を触ってます。
- ヒントは、トリムをセット、手放し飛行が可能か確認、手の力を抜く、そしてInsturment Scanningを忘れない。
- Primary Pitchとして VSIを見る事も出来ますが、敏感すぎるので高度計も良いでしょう。
- でも、どうしてもちょっと変化してしまうのが現実。 その時の微調整の基本は
- Attitude IndicatorのBarで調節、VSIで高度変化の確認、Altimeterで高度の確認とするのが一般的でしょう。
- 100 feet 以内の誤算なら、Attitude IndicatorのBarの厚み半分で調節。
- 100 feet 以上の調節なら、 Barの幅分のPitchを変えてやります。
- もう一つの方法としてVSIを使う場合は、修正したい高度の倍の数値を最大としてVSIに合わせるぐらいで。
- 100 feet の修正なら、最大で200 feet per minutes (fpm)
- 余りにも大きい修正の場合は通常のClimbやDescentをして下さい。
- まあ、基本は大きく操縦しない。 小さく、基本はBarの厚み半分、不足時に厚みをもう半分。 合計でAttitude IndicatorのBarの幅分ぐらいで調整と覚えておけば、通常の飛行には十分でしょう。
- そして Scanningを忘れるな、です。