Sectional Chart 区分航空図: 地図としてのチャート
飛行機用のチャートと言っても、地図から出来ています。 航空専用の記号などが多く書き込まれていますが、よく見ると良くできた普通の地図です。このページでは簡単に地図としての説明します。 小学校で地図の見方を勉強されていると思うので細かい説明は省いていきます。チャートの裏面と言うのかLEGENDって所を見ると大半の事は書かれています。
もっと詳しく知りたい人はFAAが発行する「Aeronautical Chart User's Guide」がお勧めです。
無料のPDFが配布されてます。
Lambert Conformal Conic Projection
地球は球体ですが、地図は平面です。 その為、地球が丸い分、地図には歪が有ります。航空ではLambertと呼ばれる方法で地図が描かれています。 (ランバート正角円錐図法、円錐に球体の面を映写した手法) 詳しい説明はネットで調べて下さい。 言えるのはこの方式では基準としている所では歪が少なく、基本的に誤差が無いと考えても大丈夫です。 その代わり、左右や上下のチャートとは、ずれが生じています。 合わせて見ると数マイル狂って居るのが分かりますが、そのぐらいの誤差は許容範囲とされていますし、誰も気にしていません。
Longitude and Latitude 経度 と 緯度
地図や地球儀では、場所が分かる様にと南北の線と東西の線が描かれています。これをLongitude (経度) と Latitude (緯度) と言います。
Prime Meridianと言って、グリニッチ天文台を通過する上下の線をLongitude 0度として、そこから左右に180度広がり、地球の反対側で合流します。
アメリカは西経100度前後 (100°W Longitude)、 日本では明石市の東経135度(135 E Longitude)ぐらいです。 (明石市はイギリスから東へ135度に有る)
Latitudeは赤道を0度として、北極点と南極点を90度して考えています。
日本もアメリカも北緯35度 (35°N Latitude)ぐらいでしょう。 もちろんアメリカは広いのでもっと広範囲ですけど。
チャートを見ると、南北と左右を結ぶ線が描かれています。 Lambertの地図を使っているため、真っ直ぐには見えませんが、ほぼ垂直・水平と思って差し支えは有りません。
Variation
通常の地図と同じく「北が」上になってます。 この北は北極点を中心とした北で、磁石の北とは違いがあります。その違いをVariationと言います。
チャート上では赤茶色(マゼンタ)の点線で表されています。
右の図では、赤い矢印で示している部分です。
北極点と磁石の北は2000キロほど離れていまして、毎年、少しずつ移動もしています。
右の図では、Variationが16度あり、磁石は東の方向へ16度示します。 青色の矢印を見るとVORの北が東に傾いています。 VORはMagneticで示されますので、0度(真北)が東に傾いて表示されています。
アメリカの中央部分ではVariationが0度で、西海岸に向かうとEastよりのVariationが増え、東に向かうとWestよりのVariationが増えます。
その為、西側にあるVORは、全ての北が東よりに傾いていますが、東海岸では西よりに傾いています。
なお日本では、広範囲で7度Westで日本のVORの北は西へ傾いています。