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Constant-Speed Propeller

このプロペラは自動的にプロペラの角度(ピッチ角)が自動的に変わって、そのPropellerのAngle of Attackが一定になる様に作られています。プロペラも翼と同じですから、最も効率の良いAngle of Attackが決まっています。 Constant-Speedは自動的にプロペラのAngle of Attackが一定になる様に作られています。

Angle of Attackが一定と言う事は、「飛行機の速度が変わっても」空気抵抗は同じなので(Propeller Drag)、回転速度は一定(RPM)になります。違う書き方をすると、、、、Constant Speed Propellerは、

Airspeedが変わってもRPMは一定 = プロペラの空気抵抗が一定 = プロペラのAngle of Attackが一定 =
=  プロペラの Angle of Attackも一定 =Airspeed変化によるプロペラ効率は同じ。 
広範囲のAirspeedで適切なプロペラの角度が得られる。(一定の迎角を維持する。)

上記の事は、離陸や巡航中の事です。エンジンを多く使っている一般的な飛行状態と想定して下さい。 着陸時やTaxi中などにエンジンの出力が弱くなると、空気抵抗が強すぎると言うのか、プロペラが重た過ぎると言うのか、回転数は一定では無く、Fixed Pitchの様に回転数が下がってきます。

Constant-Speed Propellerの仕組み
文字だけで説明するのは大変ですし、Private Pilotの試験では出ないと言っても過言では無いので、簡単に説明させてください。

Constant-Speed Propellerの場合は、Spinner(プロペラの前に付いている三角錐の形の物)の中で、軸の真ん中に右の写真の様な物が付いています。そこにプロペラが一枚づつ付いています。右の写真で赤色の矢印で示している所がSpinnerの中にあります。

(写真は八尾空港の関西アビエーションさんの入り口に飾ってあった物です。 1995年に最高の航空整備を行われて居ると書かれているので、その時の記念品でしょうか。)

内部には色々な部品があって自動的にPitchが変わる様になっています。 大きく分けて、Engineに付いているGovenorからのOil Pressureを受け取る部分と、プロペラの回転による遠心力を感知する部分があります。Govenerはエンジンに付いている装置で、プロペラの角度を変えて、RPMの制御をしています。

原理はプロペラの回転(遠心力)を感知し、それを元にOil Pressureが変わり、そのオイルの圧力でプロペラが動く仕組みになってます。 RPMが早くなると遠心力が増大し、それが元でOil Pressureが変化し、プロペラのピッチが大きくなります。 ピッチ(角度)が大きくなると空気抵抗が増して、RPMが下がろうとします。逆にRPMが遅くなると、反対ですが同じ様な現象が起こります。その結果、プロペラの回転が一定になります。

プロペラの回転が一定になると言う事は、プロペラのDrag(抗力、空気抵抗)が一定になっているので、そのDragを作り出しているAngle of Attackも同じになります。

結果として出力が同じなら、飛行機の速度に関係無く、自動調節でプロペラのAngle of Attackが一定になります。 言い方を変えれば、角度が固定されたFixed-Pitchと違い、低速でも高速でもプロペラのAngle of Attackを一定に保つ様に出来ています。

  1. 何らかの理由で、プロペラの空気に対する角度が変わる(Propeller Angle of Attack)
      これは飛行機自体のAirspeedの変化が想定されます。
  2. 空気抵抗が変わる。
  3. RPMの変化を感じて、プロペラ内のOil Pressureが変わる。 
  4. そのOil Pressureでプロペラの角度が変わる。 (元に戻そうとする方向で変化します。)
  5. 角度が変わるので空気抵抗が変わって、空気抵抗が元に戻る。
  6. RPM、回転数も元に戻る。
  7. 結果として、同じAngle of Attackに戻る。  (同じ様な空気抵抗には、同じ様なAngle of Attackが必要)
  8. プロペラ効率も殆ど変わらない。 (Fixed Propなら飛行機の速度で効率が大きく変化します。)
  9. 速度が変化しても、自動的に角度が変わり、同じプロペラのAngle of Attackを守る事が出来る。
  10. 同じAngle of Attackなので、性能はほとんど変わらない。

以上がContant-Speed Propllerの原理です。 分かりましたか? 多分、訳が分からないでしょう? それで普通です。 解説を書いている私でさえ、なんて書けば良いか悩んでいました。 Privateを目指されている方はこのプロペラが付いている飛行機で試験を受けない限り、これを飛行試験で聞かれる事はまず無いでしょうから、分からなくても大丈夫でしょう。 Privateの資格を取られたら、Constant-Speed Propellerの付いた飛行機に乗ってみて下さい。 すると、もっと意味が分かると思います。 一般的にCommercial Pilotのレベルの問題でしょう。 Multi-Engine Airplaneなら99%付いているので、Private-Multiを目指される方は、基本的な事だけでも理解しておいて下さいね。

ちなみにC-152/172の様なFixed Pitchでは、速度が速くなるとAngle of Attackが小さくなります。(Pitchは固定なので同じですけど)
その為、速度が早くなるとRPMが上ります。 巡航でFull ThrottleにするとRed Lineを超えてしまう場合もあります。
離陸の時にFull Powerで2300RPMしか出なくても、離陸しちゃうと軽く2,500を超える場合が有ったのに気が付きましたか?
これが下降とかダイブだと、Red Lineを超えてしまう場合もあります。

注意:
プロペラの角度には 「Pitch」 と 「Angle of Attack」 二つの角度があります。   かなり似てますが、ちょっと違います。高速で回転しているプロペラは、そのちょっとの違いが大きな差を生んでいます。

Pitch は Fixedの場合はプロペラの取り付け角、Constant-SpeedはShaft(軸)に対しての角度です。
Angle of Attack は 空気の流れに対しての角度です。 Relative Windに対してです。取り付け角だけでなく、飛行機の速度にも影響されます。

Fixed の場合、 Pitchは何時でも一定ですが、Angle of Attackは飛行機の早さにも影響されます

 

次はConstant-Speed Propellerの使い方、Operationに関して書いてみたいと思います。 どうぞこちらへ。

 

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