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Maneuvering Speed (飛行機の操縦で大事な速度の一つです。)

飛行機で無理な操縦をしてしまうと、機体が破損する失速を起こします。
このManeuvering Speed 運動制限速度よりも速い速度で急激な操縦をすると 機体に過大な負荷がかかり構造上に破損等が生じ、危険な状態になります。 最悪の場合は空中分解を起こします。

逆にそれ以下の速度で無理な操縦をすると、破損する前に翼が失速してしまいす。失速では一時的にLiftが無くなって操縦が困難になりますが、その失速が飛行機に掛かる負荷を急激に減らします。確かに着陸寸前や離陸直後の超低空での失速は危険ですが、上空では驚くだけで、高度が十分な時の失速は危険ではありません。 逆に操縦士や機体を破損、空中分解から守ります。理由としては、過大な圧力が掛かる前に翼に失速を起こし、機体(翼の付け根)に掛かる負荷が無くなってしまいます。 その為、機体にダーメージを与える事が最小限か、損傷が無い位に抑えられます。

翼と胴体のつなぎ目に掛かる力。ここに最大の負荷が掛かる。

急激な操縦をする時や乱気流の中を飛行する時はManeuvering Speed以下で飛行するようにします。 この速度以上で危険な状態に陥ってしまった場合は、急激な動きを避け、ゆっくりと減速します。 参考に覚えて置いて頂きたいのは、飛行機に掛かる圧力や「G」は速度の2乗に比例します。ですからちょっとの加速でも構造に掛かる力は大きくなります。

なお、設計上では有る程度の余裕は計算されています。 しかし、それは新品の状態でもあるので過信は禁物です。乱気流も機体に負荷を与えます。無理な操縦をしている時に乱気流に突入しないと言う保障は一切ありませんので、いつも余裕をもって操縦して下さい。 また、飛行機を強く作ると重くなるので、設計以上に強く作る事はありません。

このManuvering SpeedはVa (VA)と呼ばれ、POH, Pilot Operating HandbookやPlacardに記載されています。下記はCess-152からです。

重量とManeuvering Speed
大事な速度であっても、速度計には記載されていません。 この速度は飛行機の重量によって変化してしまうからです。 重量が重たいと失速しやすくなり、Maneuvering Speedは早くなります。(失速しやすいので、高速でも安全度が高まります。) 逆に重量が軽いと、翼が失速せずに限界を超えてしまい、高速では危険な状態に陥ります。その為。軽量では安全を保つ為にManeuvering Speedは遅くなります。 もちろん、軽い方が離陸とかは安全ですが、急激な操縦をする時は注意です。 低速と高速では飛行機の危険性は違うので注意して下さい。

注意点: 重量が軽くなると、Manuevering Speed遅くなります。 「軽い = 低速」になるので勘違いをしない様に! 軽ければ余裕が有ると思うのは勘違いです。逆に空中分解の可能性が高くなります。 重たい方がVaは早くなって、逆に安全です。「失速しやすいので、逆に安全。 失速が本当に危険なのは低空で速度の遅い、離陸直後や着陸寸前、そしてGo-Aroundだけで、上空では驚くだけです。

多くのパイロットは最大重量でのManeuvering Speedを覚えていますが、 最大重量で飛行する事は少なく、実際は記憶している速度よりも遅くなります。 100ノットであっても、実際は80ノット以下の可能性もあるので、注意してくださいね。 日常の訓練飛行でも、離陸前には重量計算をして、正確なManueuvering Speedを求めてください。

「時間を開けても、直らない!」
機械類は一度、損傷を与えると、どれだけ間を空けても元には戻りません。 「待てば直る」と勘違いしている人が多いですが、一度壊れると戻りません。生物は損傷を治そうとしますが、 飛行機は生物では無いので、自己修正する能力はありません。 絶対に無理な操縦は避けてくださいね。 壊れた物は一晩寝ても直る事は修理するまでありません。

Manuvering Speed が理解できるVG Diagramのページも作りました、参考に見てくださいね。
Liftについての解説


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