Load, Load Factor and Limited Laod Factor
Load Factor:
荷重比率と言うもので、翼が支えるLoad(荷重) 割る 飛行機の重さです。
基本的には揚力/重量の比率です。(翼が作り出している揚力 / 飛行機の重量)「G」とも呼ばれます。重たい飛行機は何もしないでも大きな揚力を生み出していますし、小さな飛行機は逆です。どちらでもLoadなのですが、大きい飛行機はその重さに耐えられる様に強く作られていますし、小さな飛行機では軽いので強くする必要がありません。 こうなるとLOADだけを測定しても意味が無いので、 揚力を重量で割って、その比率で飛行機の設計や操縦の限界を考えます。この比率をLoad Factor (荷重倍数)と言います。
通常に生活している時や、水平飛行をしている時は1Gとしています。「G」はGravityという意味で、引力の事を言います。特に何燃して居ない時は引力による重量だけですから、1Gです。 Straight -and-Level(水平飛行)では何もせずに空に浮いている物ですから、これも「1G」です。この「G」ですが、増えるのは何時かと言いますと、翼が大きな揚力を作っている時です。 それは旋回中、特に高速で急激に上昇を始めた時(Pull −UP)、そして乱気流やアクロバティックな操縦です。旋回以外では、色々な要因があって簡単には出来ませんが空中分解の危険性には注意しておいて下さい。
Pull-UP
急激に機首を上げた場合(ピッチを急激に変化させる)は瞬時にLoad Factor(G)が増します。気を付ける必要が有るのは、StallやSpin等のダイブからのRecoveryです。 急激な変化や眼に迫る地面に驚いて、Pitchを急に上げ過ぎると、揚力が爆発的に生まれます。確かに急上昇はしますが、急激な揚力の増加の為に、急激にLoad Factor(またはG)が増して、空中分解の危険性があります。運良く、速度が遅くて失速してくれれば命は助かります。しかし教官には怒られるし、飛行試験ならまず不合格は間違い有りません。(一応ですが、二度目の失速はSecondary Stallって言ってRecoveryの悪い見本です。不合格の元。)
(この状態でのLoad Factorも計算は可能ですが複雑なので、設計者以外では不用なんで削除します。)
急激な変化
飛行機の姿勢を急に変えると、Load Factorが大きく変化します。 急な操作だけでなく、乱気流との遭遇、着陸の失敗など色々と考えられます。急に姿勢が変わるとLoad Factorも同じ様に変化します。急激な変化でも機体に損傷が出ない速度がVaと言います。
そして、乱気流がある時の制限速度がVnoとなります。(覚える必要は無いですが:乱気流は垂直方向の突風の速度、50 feet/minが基準としけ計算してます。)
最重要 旋回
どれもLoad Factor(荷重倍数)には大きな影響はあります。しかし旋回(TURN)では最も重要視されています。 私的には、Diveからの急激なPull−UP、機首上げが危険とは思うんですが、問題集を見るとTurn(旋回)とLoad Factorの事が多く出ています。まあ旋回は遊びでやってしまう人が多いので注意の意味を含んでいるのか、計算しやすく想像がしやすいからか、それとも単に入り口なのかは不明です。 確かに旋回は凄く必要ですが、荷重を増やしてしまう操作ですからね。 理由はともかく旋回とLoad Factorに付いてです。
メモ:荷重倍数か? 飛行機は重さによって、Loadが大きく変化します。それでは計算が各飛行機や搭載状況によってコロコロと変ります。 これじゃ計算が大変なので、比率、荷重倍率を中心に飛行機等の設計をしたり、航空力学を考える様になったのです。
重量が10倍になればLoadも10倍になります。お客さんや荷物の量でも変化します。 毎回、些細な事を考えずに済む様に、Load Factorで物事を考えます。
- 飛行機が旋回する時は、l飛行機を旋回したい方向に飛行機を傾けます。(バンク角)
- すると揚力(Lift)が旋回したい方向に傾き、揚力の力の一部が旋回に使われます。(Horizontal Compnent of Lift)
- 何もしないと、旋回に使われた分、揚力が減るので、減った分を補充してやります。
- それと同時に、旋回をすると飛行機にも遠心力と言って、飛行機を旋回の外側に投げだす力が掛かります。
- その遠心力と重力の合計が、Loadとして飛行機にかかります。
- バンク角が小さいと微々たる物です。
- しかしバンク角が大きいとLoadも大きくなります
- 下の図の赤い茶印はバンク60度で、2Gの力(重力の2倍)が掛かっています。
- もし70度にもなると、約3Gの力が飛行機にかかります。
- この力(G,Load Factor)は中に居る人間や物にも感じられます。60度ならサングラスが鼻に食い込んで、腕が物凄く重たく感じます。
違った方法で説明してみます。
- 自動車では頭の向きを変えてやるだけで、進行方向は変わります。
- しかし、飛行機では頭の向きを変えても、勢いで真っ直ぐに進むだけです。
- 何故かと言いますと、自動車の場合はタイヤの摩擦で進行方向が変わります。
- 進路を変えるには、横に力が必要です。 (自動車の場合はタイヤの摩擦です)
- でも飛行機の場合は空気の中を飛んでいるので、摩擦は期待できません。
- 飛行機では、飛行機を傾けて(バンクさせて)
- 翼が作る揚力を横に行く力(Horizontal Componet of Lift)に変えます。
- この横に行く「Horizontal Componet of Lift」で飛行機の向き(Heading)を変えます。
- 問題は揚力の一部を横の力に変えているので、何もしないと高度が落ちてしまいます。
- それを補う為には、機首上げなどをして補う必要があります。
- さて、旋回が始まると飛行機には遠心力が働きます。 Centrifugal Force
- 遠心力は飛行機にとっては荷重(Load)です。
- この大きさはHorizontal Componet of Liftと同じです。
- まあ、作用・反作用と考えてOKです。
- 旋回中の飛行機に掛かる荷重倍数(Load Factor)は、重力と遠心力です。
- 基本的に重力は何時でも同じです。
- この二つは向きが90度違います。 (一番上の図)
- ですから、Load Factorは単なる足し算では無く、90度の向きを検討した上での合計になります。
- 計算式は、三角関数を使えば簡単に計算できますが、そこまで必要有りませんので、ご安心を。
- その代わり、2番目の図でもある、Load Factor Chartってのを理解して下さい。
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- Load Factor Chartの読み方
- 最初に飛行機のバンク角をチャートで探してください。
- 図の下の軸が飛行機のバンク角(傾き)です。
- 例として、赤い線が60度バンクです。
- 図の曲線まで、上に行きます。
- 曲線にぶつかった所から、今度は左に行きます。
- 赤い線と一緒に、チャートの横まで行って下さい。
- すると、そのバンクの角度でのLoad Factor (G)が分ります
- この場合(60度)は、「2G」です。
- 2Gとは飛行機に掛かるLoad Factorが重力の2倍と言う事です。
- 飛行機の重さが2、300Kgでしたら、4、600Kgの力が翼に掛かっていると分ります。
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- 飛行機が傾けば傾くほど大きくなります。 (2番目の図、表でイメージしてください)
- 70度で約3G、 2,300Kgの飛行機なら3倍の約6,900Kgの圧力が掛かってます。
- チャートだけでは細かい数値が読みにくいので、横に表でバンク角とLoad Factor(荷重倍数)が書かれています。
- バンク90度ではLoad Factorは無限大になります。 まあ理論的には飛行は無理って事です。
- えっ?
- 映画や航空ショーで90度を見た事があるって?
- 映画の状態なら、勢いで一瞬90度になっただけです。
- 航空ショーでは90度バンクターンをしている様に見えますが、正確な旋回ではありません。
- プロペラを上に向けて、推力の一部ををLiftにしています。 エンジンの馬力が馬鹿でかい飛行機でしょ。
- そしてあれは旋回しているのでは無く、単にPitch UPしてるだけです。
- エレベーターを引っ張ってるんですよ。
- 真横になった飛行機がNose UPしたらどうなりますか?
こんな説明で、旋回とLoad Factorの説明が分って頂ければ良いのですが、、、、、 テキストだけでは理解が難しいですよね。 すいません!
分らんかったら掲示板で質問してもらうと嬉しいです。 リンクは上に有るよ。 あまり使われてないから、使ってもらうともっと嬉しい。メールでもOKだよ。
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