Air Density and Performance - 空気密度と航空機の性能
航空機の性能は安全面で考えると、離着陸距離と上昇性能がかなり大事になります。いかに短い距離で離着陸し安全に早く上昇できるか。そしして高い山を安全に超えられるか? それが私達、パイロットが飛行するのに大事になってきます。
航空機は、空気の中を飛んでいるので空気の密度が性能に大きな影響があります。 空気の密度が高いと言う事は、一定の体積でより多くの空気の粒が有る、と言うことです。 空気の密度が高いと航空機はグングン上昇し、短い距離で離着陸ができます。そして高い山でも飛び越える事が可能になります。
通気の密度が多いと、翼の上を通過する空気の量が多くなって、低速でもより多くの揚力が生まれます。またエンジンも沢山の酸素が供給されるので、エンジン出力も増えます。 またプロペラも、エンジンに無理やりに回される翼と同じですから、空気密度が高い方が、より強い推力を生み出します。 逆に空気が薄くなると、翼、エンジン、プロペラの性能が落ちて、高度を保つのも困難になります。
空気の密度が増える時
- 密度が増えるのは、気圧が高い時です。そして低高度です。 高度が上ると気圧が下がり、比例して密度も下がります。
- パイロットとして大事なのは、気温の影響です。 気温が高くなると密度が低くなります。 これは高温になると空気の粒が大きく振動して、空気が広がろうとします。その結果、一定の体積の中では空気の粒の量が減ってしまいます。(夏の暑い日は上昇性能が目立って悪くなる時が有ります。)
- 湿気の多い日。 影響は少なめですが湿気も航空機の性能に影響を与えます。 理由は大気を構成する、窒素(N2)と酸素(O2)の粒が水蒸気(H2O)も重たいからです。簡単に説明すると空気の粒は水蒸気よりも重たいからです。 (これは覚える必要はありませんけど、説明です。窒素や酸素など元素のままガス状になると二つの原子がくっ付きます。でも水蒸気はH2Oのままで、二つの分子がくっ付く事はありません。水素は軽いので、その差が空気の密度に影響を与えます)
- 最悪な状態は、標高の高い空港(気圧が低い)から離陸する時に、うだる様に熱い真夏のお昼で、日本の様に湿気の高い日です。
この様な空港から離陸する時は、少しでも気温の低い早朝に離陸するのが、最良の選択となる場合が多くなります。 この時はMixtureの設定もしてから離陸します。
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High Density |
Low Density |
空気の粒 |
空気の粒が多い |
空気の粒が少ない |
性能 |
翼、エンジン、プロペラ等の性能が高い |
各部品の性能のが落ちる
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Altitude |
低高度 |
高高度 |
Temperature |
低温度、寒い日 |
高温度、暑い日 |
Humidity |
乾燥した日。カラッとした日 |
湿った日。ジメジメな日 |
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空気抵抗 |
高い |
低い |
真速度 |
遅い |
早い |
唯一、密度が低くて得する場合もあります。 安全性は落ちますが、空気が薄いと空気抵抗も少なくなります。 その為、上空では実際の速度が速くなります。 しかし、密度が低いのでAirspeed Indicatorに与える影響も低くなって、計器に表示されえる速度は遅くなりますが、実際の速度、True Airspeed、真速度は早くなります。平均的に1000フィート上昇すると2%速度が増すと言われています。
密度高度 Density Altitude
「密度が高いから性能が良いよ。」と言われても、どれぐらい良いのかは言っている本人以外には分りません。その為に、平均的な大気として標準大気、Standard Atmosphereと言うのが定義され、 それに従って、「航空機の性能が標準大気では、高度がどれぐらいの性能か?」と言うのに密度高度、Density Altitudeと言うのが飛行機の世界では頻繁に使われいます。
もし、Density Altitudeが3,000フィートと言われれば、誰が何を言おうとも、航空機の性能は標準大気では3,000フィートの性能を発揮すると分ります。
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High Density Altitude |
Low Density Altitude |
Density 密度 |
Low Density 空気が薄い |
High Density 空気が濃い |
Altitude |
高度が高いのと同じ |
低空と同じで調子が良い |
大気の状態 |
高高度、高温、高湿度 |
低空、寒い、カラッと |
翼、Wing |
揚力(Lift)が減少 |
力強く上に行く |
プロペラ |
推力が減る |
空気が多く通過するので調子が良い。 |
エンジン |
空気の量が少ないで、スロットルが閉まり気味と同じ |
酸素が多いので、調子よく動く |
速度 |
真速度が速くなる。 計器の指示速度は変わらん |
空気抵抗が普通に有るので。真速度は遅めなる
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離着陸 |
真速度が速くなる分、離着陸距離が長くなる。 |
低速でも性能が良いので短い距離で可能 |
上昇 |
空気が薄く、上昇率が落ちたり、上らなかったり |
空気が多いので、調子よく上昇する |
密度高度や色々な高度についての説明はこちら。 Denstiy Altitudeを求める表はこちら。