航空機に必要な点検は、Annualと100-Hourと言うのがあります。 どの航空機にも必要なのがAnnual Insepctionと言って一年に一度必要な点検があります。乗客を運ぶ事業用や訓練用に使う航空機(私達の多く)では100時間毎に点検が必要となります。
- Annual Inspectionは飛行する日(その月)から遡って12 Calender Month以内に必要となります。(End of the month)
- 100 hour Inspectionはエンジンのタコメーターを見て、遡って100時間以内に点検が必要となります。(Carrying Passanger for hire OR Instruction)
- Annual Inspectionは100 hourの代わりにもなります。が、100 hrはAnnualの代わりにはなりません。
- また100 hourが何らかの理由で遅れた場合は、次の点検は遅れた分、早くやる必要が有ります。(遅らせても、次のは元々の定時にする必要があります。 遅らせても将来に遅らせる事は認められないのです。)
これらのInspection、点検は航空機のMaintenace Recordに資格を持った整備士からの記入が必要です。内容は「Inspectionが適切に終わり、必要な修理や保守を行った。 そして飛行しても安全、"Approved Return to Service"」の様な内容が記入され、そしてその整備士のサインが必要となります。私達が操縦する小型機では、このMaintenance Recordとして、Engine LogbookとAirframe Logbookと言う2冊の整備日誌が多く使われます。
また100 Hour Inspectionを受ける為に、飛行が必要な際は、10時間までその時間を超える事ができます。 もし、この特例の10時間を使った場合は、次回の100時間からその分を引かなくては行けません。 (もし点検が103.5時間目に行われた場合は、次回の点検が96.5時間目までにとなります。 注意点は点検を受けるためのEn-Routeとされているので、訓練には使えません。)
Annual Inspectionは100 hour Insepctionの変わりにもなりますが、 100 hourはAnnualの変わりにはなりません。
Annualと100時間の内容は同じですが点検を行える者の資格が違います。 100時間は整備士の資格(A&P)を持っている者なら出来ますが、 Annual Inspectionは「IA、Inspection Authrization」と言う資格をもった整備士で無いと許可を出す事ができません。
(Annual Inspectionですが、Annual Condition Inspectionとも言われます。)
個人で所有し、個人で飛行するなら100時間点検は必要ありませんが、オイルやフィルターの交換、プラグの調節などがありますので、末長く使う場合は必要が無くてもお薦めです。 特にオイル交換は重要です。 1時間ぐらいなら大丈夫でしょうけど、10時間以上を超えてしまうとエンジンの磨耗が半端じゃありません。 また50、100、200時間ごとなど定期的な点検が義務付けれれて居るAD (Airworthiness Directive)がある場合もあります。
整備後のに必要な事
FAR 91.407 Operation after maintenance, preventive maintenance, rebuilding, or alteration.
航空機に対して整備(保守、修理、改造・・・・)を行なった場合は
1. 有資格者(FAR43.7)から、飛行しても良いよと許可をもらい、Maintenance Recordにその内容とサインを書いて貰う必要があります。 (内容はFAR 43.9 or 43.11に従う必要があります。 まあ、FAR 43に関しては整備士が知ってるでしょう)
2. また、飛行特性を変えてしまう様な整備を行なった後は、乗客を乗せる前に必ず、その航空機に対して最低でもPrivate Pilot Certificateを保持している者が、テスト飛行を行い、安全に飛行できる事を確認する必要があります。
- 整備と言う日本語をここでは使ってますが、アメリカのFARではmaintenance, preventive maintenance, rebuilding, or alteration
もしくはmaintained, rebuilt, or alteredとなります。
- Maintainance 保つ事、整備
- Preventive maintenance 軽微な保守 (Owner Private Pilotが出来ること)
- Rebuilt 作り直すこと、 壊れた物や、分解された物を元に戻す事
- Alter 改造、 違う形へ変える事
- FARには Approved to return to service、単にReturn to Serviceと言う言葉があります。 これは、飛行しても良いよとか、航空機の使用を認めるって意味です。 基本的には整備士 A&Pが行ないます。
- またMaintenance Recordと言うのがありますが、これは整備日誌の事を示します。 訓練機や私達が乗る様な飛行機にはAirframe LogbookとEngine Logbookと二つに分けてMaintenance Recordとしている場合が大半です。
- 試験の前、出来れば単独飛行の前には一度ぐらい見て見て下さい。 現実では任せっきりの場合が多いですが、本当は操縦士にも確認の義務があります。 試験でも「見せて」と言われる場合があります。 単に日誌でなく、内容をです。
- Owner or Operatorに求められる事: 複数有りますが、特に大事なのは
(航空法でも義務づけられてます。)
- Airworthyな状態に保つこと
- 全てのAD(Airworthiness Directive)に従う事
- 整備が行われた後には、必ず内容がMaintenance Recordに正しく記載された事を確認する。
安全に飛べる状態を「Airworthy」と言う言い方があります。 法律的な単語でもあり、色々な説明が有ります。 少なくとも、私らはAirworthyな飛行機しか飛行は認められていません。 Airworthyの説明はこちらへ
ここまで書いてきた事は私達が飛行する航空機のクラスの事で、旅客機などは違う点検のプログラムが可能で使われていますが、ここでは範囲外ですので省きます。と言うか本音は、そんな飛行機を操縦した事も関わった事もありません。将来、あなたが大型機に乗る事があれば教えてくださいね。