HOME CONTACT LINK 検索
   ATC:航空無線      筆記試験 > PVT : IFR      PTS:飛行試験項目      お勉強室      航空辞書      けいじ板  

Slow Flight, Minimum Contrallable Airspeed, MCA

手順,Procedure (これは私流なんで、教官に合わせてね。)

手順や方法は、教官や学校、また飛行機によって多少変わります。 しかしどれでも同じです。 
訓練時間や訓練費用を少なくする為に、 皆さんは貴方の教官に合わせてください。 結果はどの方法でも同じです。
最初は教官が教える「各ステップを丸暗記して下さい。 最初はそれで『十分です。

後からでも良いのですが「私の希望は各ステップの意味」を分って下さい。 
最初は丸暗記させられるのが通常ですが、個々のステップを理解していると、驚くほど操縦が向上しますから。

1. Prelanding Check 
通常は着陸を想定するので、「チェックリストを使って」点検を行ってください。 
また何があっても大丈夫なように、先に点検と準備をしておくと言う意味もあります。

セスナー152・172クラスだと単純なんですが大きな飛行機に成ると、操作が複雑になります。 その為にも、初期の段階からチェックリストを使うと言う癖を付けます。 FAAの方法でもあり、PTSにも明記されています。忘れると落第対象にもなります。

2.Clearing Turn
左右90度旋回して、あなたの回りに他の飛行機が居ないか確認します。 Slow FlihgtやStallだけでなく、Lazy-8などでも必ず必要です。 マニューバー中は回りが見えなくなります。コクピットからの窓から見える範囲も限られています。 そして傾いたりするともっと見えなくなりますし、操縦に集中して、周りを見る事を忘れますので、必ずClearing Turnをして貴方の命を守って下さい。

また、他の飛行機が貴方の存在に気が付いていても、急に向きを変えるなんて想像が出来ないので必ず確認して下さい。そしてSlow FlightはStall(失速)する可能性もありますので、地平線よりも下も確認して下さい。 PTSに明記されていて、これも忘れると落第対象にもなります。

3.Powr Down 1500 RPMぐらい 減速をする為に。 
最初は通常速度(高速)で飛行しています。 最初は減速する事から始まります。 その方法としてPowerを抜くのが普通になります。

Pitch(機首)を上げて、減速する事も可能ですが、普通に飛行している状態でPitchだけを上げると高度が上ってしまいます。 その為、最初はPowerを落とすことから始めます。 (後でもあるのですが、Flapを下げる場合、通常の飛行速度では早すぎる場合がありますのでVFE, VLO 以下に減速する必要もあります。)

4.高度を守る Pitch UP (Maintain Altitude)
上記で単にPowerを落を落とすだけだと、Pitchが下がって飛行機が下降を始めます。
この時に、Pitch UPをして機首を上げて高度を落ちない様にしてやります。そうすると、高度落ちない代わりに速度が落ちていきます。

減速中: 速度が速い時
  Powerで減速、
  Pitchで高度

5.Below VFE (Airspeed Indicator, White Arc) Flap Down to 10
Flap Down (Dirty)で行うとして、速度がVFE以下になればフラップを降ろしていきます。
  (弾き込み脚、Retractable Landing Gearの場合、VLOであれば、この時点でGearを降ろしてもOKです。
   以前でも以降でもOKですがタイミング的にはこの頃がベストでしょう。 飛行機によって適正が違うので、Gearは臨機応変にね。)

急にFull Flapにすると、急激に姿勢が変わるので、10度づつとゆっくり降ろして行きます。

また「Flap UP」や「Clean」で行う様にと指示があれば、FlapとGearはUP(出さずに)で操縦を続けてください。 次は8番へ

6.安定したら20度
安定すれば、またフラップを少々降ろしてください。 だいたい20度位になります。
この間は、Pitchで高度を守る様にして下さい。自動的に減速が続きます。

7.安定したらFull Flap
フラップはどんな飛行機でも大きな影響があるので、ユックリと降ろしてください。 ただ、Full FlapになるまでにStall Warningが鳴ると遅すぎますので、常識的な速度でやって下さい。慣れれば一気にFull Flapにする事も可能ですが、そこまでは行き過ぎです。

8.最低速度になるとPower Up 私なら(多分、多くの教官・試験官は)Stall Warningが鳴ると最低速度と考えます。ここでPower Up。
Stall Warningが「ビービー」となったら、最低速度に減速したと考えてPower Upします。 (多くの人がC-152,172なんでこの考えでも良いでしょう。) これは、速度がそれ以下にならない様にする為です。(Stall 防止も有るよ)

飛行機や状態によって違いが有りますが、Slow Flightはその飛行機の最低速度で飛行するのが通常の目標となります。 Stallする寸前の速度が本当の最低速度なんですが、本当にStallさせては失格です。 その為、Stall Warningを 「First Indication of Stall Warning」としてPower Upして、高度を守りながら、速度を安定させます。

「First Indication of Stall Warning」なんですが、これは「失速するぞ」と言う何らかの表れを言います。
セスナ152・172クラスではStall Warning Hornが鳴りますが、 飛行機によってはランプが点灯するものや、飛行機がブルブルと震えるものがあります。

セスナ152クラスでもStall Warning Hornが不調で鳴らない場合もありますから、 Hornだけでなく、他の症状にも注意してください。 操縦桿がブルブルと振動するのもStallに対しての警告ですので、その速度で飛行してもOKです。

9.Right Rudder (Powerに合わせて)
Powerを入れるとエンジンのLeft Turning Tendencyが強くなります。勝手に左に行きます。 そうならない様に、Right Rudderを踏み込んでやります

離着陸時のLeft Turnig Tendendencyと同じですが、より低速の為、Right Rudderの量がもっと多くなります。 踏み込む量は「BallがCenterに来る様に」と教えられると思いますが、 本当は、「風景が代わらない様に」です。真っ直ぐ目の前に目標地点を見つけて、そこからNoseが動かないようにしてやります。目標物が見えないと不安な方は、Noseの左右に見える風景、地平線が旋回・移動し無い様にすればOKです。

BallをCenterにと言われますが、コツは前と外を見て、機首が変わらない様にしていれば、勝手にBallが真ん中に来ます。 Ballが左右に外れると、機首も勝手に変わっていきます。 ですから、計器でHeadingを守るのでは無く、地平線にある目標物に対して真っ直ぐに飛行してやるのが基本です。 目標物は多分見えないでけど、見えてると想定するか、左右の風景が変化しない様にします。

Trimは使いたければ使って下さい。 (私はTrimの使用はどちらでも良いと思ってます。Slow FlightでのTrimの使用は色々な意味が有るので、好きにすれば良いと思います。長時間の場合はTrimを使うべきです。でも短時間だとRecoveryの時にエレベーターの調節が大変なるので、どちらでもOKです。)

10. Slow Flightでの微調整
この状態での高度と速度の調節方法の基本
  ・AirspeedはPicthで守る
  ・AltitudeはPowerで守る
この二つの考えで、良いのですが、厳密には両方とも必要になります。でも Airspeed = Pitch、 Altitude = Power と理解しておいて下さい。

厳密には、高度が下がってPower Upしてやると高度が上りますけど、速度もちょっと変わってしまいます。 でも速度はPitchで操作するので、この二つの組み合わせを自動的に出来るようになれば、 勝手に(無意識に)両方を調節できるようになります。

残念ながら多くの訓練生は教官にBallやHeading、高度と注意され眼が計器を見てしまいます。 その為、意識が計器だけを見てしまう傾向があります。(眼では外を見てるのですが、教官に言われた方向や高度を守ろうとして、脳みそが計器だけを見ています。) 計器だけを見てのSlow Flightは可能ですが、経験が少ないLow TimeのSutdentやPrivateレベルじゃ無理です。 外を見て状況や姿勢を理解して飛行する方が簡単に出来ます。 計器はあくまでも「確認用」です。

最初は戸惑いますが、 高度とHeadingを守る為に外部を見て操縦してみてください。 軽く見るのでは無く、意識的に外を中心に見て下さい。

11. Slow Flightでの旋回はバンク角度を5度ぐらいで
この状態では翼の状態がStallに近く、速度も遅いので、Bank角度は5度ぐらいで十分です。 RudderはRight Rudderの量を減らしたり増やしたりで十分です。
この場合なら、バンク角が10度でも、Steep Turnの状態です。
  (10度にもすると、勝手にバンク角が増えて30度にする人もいます。しかしこれは失格!Overbanking Tendencyを忘れないでね)

覚えて置いて頂きたいのは180度の旋回をするのに1分、360度で2分と時間が必要なので 焦らずに、ゆっくりと旋回してやって下さい。 早く旋回を終らそうとバンク角度を30度とかする人が居ます。これは旋回が難しくなるだけでなく、Stallの可能性も高くなり、高度が大きく落ちる可能性もあります。 Slow Flightでは時間が必要と覚えておいてゆっくりと旋回してください。

Slow Flight中での操作

速度 = Pitch、Elevetorで調節
高度 = Powerで調節

微調整は必要ですけど、上記が基本です。

Bankは0度に。 AileronでLevelにします。
Heading は 前を見て、風景が変化しないように。 Right Rudderで調節

旋回: 5度バンクぐらい。 (10度ならSteepです、焦らない様に。)

 

12. Recovery
Powerを増やします。 (Full Powerでも良いのですが、教官の指示に合わせて下さい。 )
高度が上ろうとしますので、高度が上らない様にPitch Downします。

Slow Flight 中はPitchで速度を保つのが基本でしたが、Recoveryの時は操作が変わりまして、Powerで加速します。Pitchだけけでやると速度が遅すぎて高度が落ちます。その為、Recoveryの時は先にPowerを入れて、Noseを押さえ込む様に加速します。

単にPowerを増やすと高度が上るので、高度が上らないようにPitch Downして下さいね。 これで加速が始まります。

速度がある程度増えてきたら、少しづつFlapを上げてください。 急激に上げるのは厳禁です。
また速度が上ると、Left Turning Tendencyも減ってきますので、前を見ながらRight Rudderを緩めてください。

Flap 0度になって、速度が元に戻ればSlow Flightは終わりです。PowerをCruiseにもどして下さい。 Trimを使っていれば、必要に合わせて修正してください。

Recovery中は機首が変わらない様に、前を見ながら飛行して、
Pitch Downが上手く行ってるか確認する意味で、ちらっと高度計を確認して下さい。
ちらっとですよ。 じーっと高度計を見ないようにね。高度計に意識を取られるとHeadingが狂いますから。

13. 普通の速度に戻ったら、終わりです。 Crusie Powerに戻して、Trimを合わせて下さいね。


もしも、Rudderの量で、

Right Rudderの意味が分らんかったら、 教官にお願いして「もしRight Ridderを使わなかったらどれだけHeadingが変わるか?」って試させてもらって下さい。 Slow FlightでRight Rudderを使わなかったらビックリするぐらいHeadingが変わりますよ。その時は外を見てね風景がグルーっと変化しますから。 その風景が回転しない様にするのがRight Rudderです。 風景が一定なら計器を見なくてもHeadingが守られています

"I have a hard time understanding Left Turning Tendency during a Slow Flight, I like to see the effect of right rudder during a slow flight.
Please let me do the slow flight WITHOUT using rudder, and I want to see how much the nose turns to the left."
なんて頼んでみるのも良い勉強ですよ。 それか、
"Please let me release the right rudder during a slow flight and see the Left Turning Tendency which Pitch is up and Power is on"

戻る

 

HOMEATC:航空無線筆記試験 > PVT : IFRPTS:飛行試験項目お勉強室航空辞書けいじ板LINKサイト検索
Copyright c 2007-2017 Koji Ueda. All rights and Copyrights are the properties of Koji Ueda. All Rights Reserved. 上田浩史に著作権はありますが、お勉強・訓練には使ってね。教育関係はの方は必ず「CFI Japanから」と添えてお使い下さい。