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Turn Coordinator、 旋回釣合計、旋回傾斜計

Turn Coordinator  旋回釣合計、旋回傾斜計

Turn Coordinatorは飛行機の旋回の割合とロールの割合を示し、機首の変化、Yawの変化を示してくれます。そしてInclinometer(グラスの管)のBallがRollやRudder(Yaw)のバランスを教えてくれます。言い方を換えれば、Rudderの量が適量かどうかを教えてくれます。筆記試験やFAAのテキストではQuality of Turn、旋回の質を教えてくれます計器と書かれています。

この質とは、チューブの中にあるボールが示します。バランスの取れた飛行状態では、このボールが真ん中に来ます。 バランスの取れた状態では、気流の流れが飛行機に対して平行に流れるので、旋回がスムースになります。 貴方が飛行機の操縦に慣れて来ると、無意識にボールが真ん中に来る様に操縦が出来る様になるでしょう。

計器の中の小さな飛行機は、主に旋回率(Rate of Turn)を教えてくれます。 

右のTurn Coordinatorは内部のジャイロの設計でロールの割合も教えてくれます。内部の回転部分が30度傾いており、その傾きが旋回の初期の段階でロールの割合を示します。明確な単位が無いので、どの様に読むのかは説明が困難ですが、大きく変化する時は、速度に対して、大きなロール変化があると分ります。

バンクを始めた時は、Turn Coordinatorはロールの割合(Rate of Roll)を表示して、旋回が落ち着くと、次はRate of Turn(旋回率)を表示します。

旋回が安定すると、計器の真ん中に有る小さな飛行機は旋回率、旋回の割合を示します。 バンク角度は示しませんが、機首の動きしめします。 「R」や「L」と書かれた目盛に合わせて旋回すると、2分間でちょうど一周、の360度旋回をすると言う意味です。 1分で180度、真後ろに向きます。 この割合での旋回をStandard Rate of Turnと言いまして、通常のフライトでは標準的な旋回とされます。特にInstrumet Flyingでの基本となります。

注意点は割合を示す計器ですから、バンク角度や姿勢はこの計器からは分かりません。 割合とRudderとAileronの量、または旋回の質が分りますが、角度や姿勢までは分かりません。 参考に: 旋回率はバンク角度だけでは決まりません。 速度にも影響してきます。

Ball Inclinometer 単にボールと呼ぶときが多い。
この計器の下部にはInclinometerと言って、液体の入ったガラス菅の中に黒いボールが入っています。このボールはRudderやAileronが正しく使われているか、 旋回が上手く行われているかを教えてくれます。 このBallを見る事で、旋回の質(Quality of Turn)が分ります。 

ボールが真ん中に来ている時は釣合いが取れている状態で、BalancedとかCenteredと言います。 この状態ではAileronやRudderが正しく使われていると言う意味です。この状態では航空機に掛かる力が、ちょうど航空機自体の下の方向に向いている事が分ります。地面じゃなく、構造上での下って意味ですよ。その場合では気流の流れも気体と平行に流れて旋回がスムースになりますし、体が左右に傾く事はありません。万が一の失速の場合でもリカバリーが簡単に行いえます。 ボールが中心に来ていない時は、ラダーの量が不適切と分ります。 ボールが有る方のラダーを踏み込んでください。英語では「Step on the Ball」とか「Kick the Ball」と言います。

Turn and Slip Indicator

昔はTurn and Slip Indicatorと言って、飛行機の模型の変わりに針が使われているのが多く有りました。Turn Coordinatorとは違いますが、表示しているRate of Turnは同じです。(左の図) 
ただ構造上の違いで、Rate of Rollまで通常では表示しません。 Rate of Turnのみと思って下さい。
Ball Inclinometerは同じ物ですから、表示も同じです。


 

ボールが中心じゃ無い時、 Un-Coordinated

Skid 旋回の外側にボールが来る事を言います。 (Rudderの量が多いかAileronが少な過ぎる)
Slip 旋回(傾き、バンク)の内側にボールが来る状態を言います。

Skid と Slip のお話しと説明ページ

また飛行機にはLeft Turning Tendencyという物が有り、何もしなければ左に行こうする場合がありす。その為に翼が水平でも狂う時がありますので、常時、ボールが中心に来る様に操縦してください。 

High Pwer と Pitch Upの組み合わせで、左に行く力が強く出ますので、それに抵抗する為にRight Rudderが必要になります。 量は出力と機首上げで決まります。 Turn Coordinatorのボールを見れば、ラダーの踏み込み量が分ります。 実際の飛行では、前方を見る癖を付けてください。 ラダーの量が不適切であると、機首が左右に移動します。その左右の動きを抑える様にラダーを踏み込んでやると、見なくてもボールが真ん中に来ます。 慣れてくると旋回中で機首が変化の異常も分かる様になります。

また、飛行機にはそれぞれの「癖」があります。 Rudderの調節が悪かったり垂直尾翼とプロペラ後流の関係で外れる場合があります。 この場合はラダー・トリムで調節できます。 C-152の様にラダートリムが無い飛行機では、垂直尾翼のラダーについているトリムを手で曲げてやる方法もあります。

 

この計器も Gryoの原理を使っていますので、Gyroscopic Instrumentと呼ばれる内の一つです。 (これはGyro Precessionと言う原理を応用していますので姿勢計などとはちょっと違います。) またこの計器の動力は電気を使っています。他のはエンジンが動かす真空ポンプを動力源に使っています。これは真空ポンプに異常があった際に、この計器が予備として使える様にとの考えです。

電気を使っているので、Preflightの際などに電源を入れると聞えるモーター音はこの計器から出ています。 もし、電源を入れても静かで、何も音がしない時はTurn Coordinatorがかなりの確率で故障しています。 (真空ポンプを使うタイプでは音はしません。)

Turn CoordinatorのPreflight Check

  1. グラス管の中の液体が満タンで有ること。 空気が2,3滴ぐらい入っているのは普通ですが、それ以下なら不足しています。
  2. 電気式(普通の場合)はマスター・スイッチを入れた時に、Torn Coordinatorのモーター音を確認して下さい。変な音は無いか?も。
  3. 電源を入れた時に、赤い表示が出ていないのを確認。
  4. 中の飛行機や針が真っ直ぐ表示されてるかを確認。
  5. タクシー中は、飛行機が旋回する方向に傾きボールが反対側に流れる事を確認。 ボールが自由に動くかも確認。

 

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