旋回の航空力学 Turning in Aerodynamics
Slipping (内滑り) と Skidding Turn (外滑り)
旋回のバランスが取れていない時、ラダーを踏み過ぎとか、バンクが弱すぎるとか、ラダー不足とかで起こる現象。上のBallが中心から外れる時です。旋回の内側にボールが来る時をSlipping Turn(内滑)と言います。遠心力が弱くて、ボールや人間、荷物が内側に傾きます。 Skidding(外滑り)の場合はその反対です。
In slip, rate of turn = too slow for the bank, the ball moves to inside of turn 内滑り、遠心力が弱い。 内側のラダーを踏んでRateをUP
上の図を見てください、Slipでは遠心力(Centrifugal Force)が小さくなるのでLoadも減少します。(Load Factorが小さくなる。)
In skid, rate of turn is too great for the bank, tha ball moves to outside 外滑り、遠心力が強い。 外側のラダーを踏んでRateを抑える。
Skidding Turnでは遠心力が強くなるので、下に引っ張るLoadも増加します。 その為、Load Factorも大きくなります。
Slip と Skid のコース
右に旋回方向の図を作って見ました。 黒色が通常の旋回、Coordinated Turnです。
Slipは日本語で内滑りとも言います。
これは機首が向いている方向よりもコースが内側に成るからです。
英語で書くと、turns (slips) into the center となりますので Slip IN と覚えれば楽でしょう。
Skidは外滑りとなりますが、
この場合では、機首が向いている方向より、コースが外側になるからです。
英語では、Turns away from nose, skid outside となりますので、Skid OUTが覚え方です。
覚え方のコツは「Slip-in と Skid-out」です。
寝過ごす「Sleep in」との言い回しが有るんでSlip-inと覚えてけば楽かな。
注意点は、機首(Nose)が向いている方向に比べてです。
(Coordinated Turnと比べてではありませんのでご注意を。)
飛行中のSlip and Skid
飛行中は「SlipやSkid、内滑りや外滑りしてる!」なんて考えなくても良いです。 大半の航空機の中にはBallってのがTurn Coordinatorに取り付けられています。 (下の写真です。Inclinometerと言う名前が有りますが、私らは単にBallと呼んでます。)
基本的には、このBallが真ん中に来ていれば、SlipもSkidもせずにCoordinated Turnをしています。 使い方はBallが来ている方向のラダーを踏み込んでやって下さい。 それで、ボールが真ん中に来ます。 "Kick the Ball"なんて教官が叫びます。
左旋回中にボールが左に来ていますので、「Slip、内滑り」です。
旋回の方向にボール = Slip、 内滑り
この様な場合は、左にボールがあるので、左のラダーを踏みます。
飛行コースが、Noseよりも内側に来ているので、左のラダーを踏む事で、Noseの向きを旋回方向に向けてやるんです。
慣れてくれば
操縦に慣れてくれば、心に余裕が出来て来ます。 すると、このボールなんか見なくても、体の傾きで無意識にボールの位置が分かります。私は「お尻で感じろ!」と教えられたので、お尻でこのボールを感じる様にしています。 ボールが左に来ると、自然と左のお尻に圧を感じる事ができる様になります。 ボールが左に来ると、体全体が左に傾きますので、左のお尻に圧を感じる様になります。 アクロバット飛行士のPropさんには肩で感じた方がもっと正確だとも教えてもらいました。
どちらの方法でも、他の方法でも良いです。 体が真っ直ぐとなっていれば、ボールは真ん中に来ます。 緊張していては感じませんが、飛行中はリラックスして操縦するのがコツです。 逆に体の傾きを感じるぐらい「力を抜く」事が大切とも言えます。
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次へ (旋回が高度に与える影響)
始めに : Adverse Yaw と Ball : Slip/Skid : 旋回中の高度 : 旋回率 : 旋回半径