Terminal Arrival Area TAA
TAAの目的はGPS(やFMS)を使い、計器飛行方式でEn RouteからApproachへの移行を以前よりも簡単にした物です。 以前からある地上施設を使う計器飛行方式では、En Routeから Appraochまでは決まったルートを飛ぶ必要が有りました。(Feeder Route) でもTAAでは決まった点(Fix, IAP)に真っ直ぐと飛ぶだけで、En RouteからIAFまでは決まったルートは有りません。 ルートでは無く、範囲(Area)が決まってるだけなので、そのエリアに入れば、管制官にも操縦士にも優しくアプローチが可能になります。
以前からの方式では、En Routeから数の少ない決まった点から決まったコースでIAFを通過する必要がありました。 コースが限定されている為に、計器飛行機の混雑などで管制上に制限が有りましたが、 TAAではかなり自由に飛行できるので制限が少なくなります。
TAAの基本的考えは「provides a seemless Transition from the En Route Structure to the Terminal Enviroment for arriving aircraft with GPS」
もっと簡単に書けば、「Gives Seamless Transition from Enroute to Appraoch with GPS」
上記のApproachはJacsonville空港に向かうRuway 6へのTAAを使った、GPSアプローチです。 左右か中心に有るIAFから入り、 073度でアプローチします。 決められたルートはIAFからの「T−字型」のルートだけですので 「Basic "T" Design」とも言います。 (赤いライン)
通常のアプローチでは"En Route, Feeder Route, IAF, Instrument Approach" と Enrouteからは決まった数本のFeeder Routeを飛ぶ必要が有りました。しかしTAAではこのFeeder Routeなど事前に決まったコースが無く、通常30 Nautical Miles以内のNAVAIDやFixから直接IAFに飛行する事も可能です。上記のエリア内で有れば、アプローチクリアランスが出れば、細かい指示が無くてもそのまま指定のIAFに飛んで、Approachが可能です。管制官もその範囲内の航空機にはTAA内なら何処からでも、簡単な許可を出すだのが可能です。パイロットはチャートに描かれているTAAの指示に従って、飛ぶだけですので、簡単にIFR Approachへの飛行が出来ます。
TAAではProcedure Turnは必要ではありません。 (T-字の所にNoPTって書かれてます。) Procedure Turn も描かれいますが、通常は飛行しません。 特殊な例としてはIAFから離れたBase AreaからCentral IAFに直接向かう場合等などを除きます。 基本的にはProcedure Turnは必要無いとされているので、必要と思った場合や、高度が高すぎてHolding Patternに入る時はATCに確認する方が良いでしょう。
TAAは便利なのですが、全てのRNAV Approachに有る訳でも有りません。 大きな空域をカバーする為に特に交通量の多い地域ではTAAはあまり使われません。 AIMには増えていくと書いて有りますが、将来はどうなるかは不明です。小型機用にBoundaryの狭いTAAが出来るかも知れません。 未確認ですが、現状でも25マイルとかも可能だそうです。 もしかしたら進入範囲を限定した数マイルに押さえたTAAとか、変形のTAAなど新たなProcedureが生まれる可能性もあります。GPS自体の歴史が浅いので、今後の変化は想像が難しいです。
続く (TAAの説明)
メモ: 大都市圏やRadar管制官の空域ではRadar Vectorで、指示に従うだけの場合が多く、多くの皆様もこの方法で訓練された思います。 しかし、計器飛行の基本は自力で飛ぶ必要があります。また、それが可能ですし、レーダーや指示が無くても自力で飛べる知識が必要です。レーダーばかりに頼ってきた人は、自力でFinal Approach Courseまで飛行ルートと高度を正しく選択できるか確認して下さい。 実際にこのアプローチをする時は、管制官がFianl Approach Courseまでレーダー誘導をする可能性も高いですが、指示が無く"Cleared for Approach"と言うかも知れません。
計器飛行の中心はRadarと思っている人が居ますが、Radarは補助的な物と認識しておいて下さいね。