下記の図は、AC 60-22に出ていた一般的な判断工程を書かれた図です。 それに、日本語訳と私の意見を付け足しました。 ADMの世界では、右下の部分になる「Headwork Required」の部分を進歩させ様な物です。(それは次のページで)
上の図は、一般的な状況の変化と判断の工程を表にした物です。 Conventional Decision Making Process
それに私なりの和訳と、意味を付け加えました。
注意:
処にも各項目の細かい説明が出てい無かったので、作者の意図とは違う場合もありますので、必要に応じて変化させて下さい。
有る飛行の状況(SITUATION)に変化、Changeが起こり、操縦士がそれに気づく所からDecision Making(判断)が始まります。それに対してどの様な行動タイプ(Response Type)が必要か選ぶ。(個人的には両方が必要と思うのですが。)
操縦して回避する(Skill and Procedure)のか、もしくは頭の中の判断(Headwork)して考えを改める。 そして、色々な状況変化に応じて判断や操縦、調節を下して、対処して安全な飛行を続けます。
この結果、操縦士は何らかの判断を行い、問題が無ければ飛行は続きます。(上のSituation)に戻ります。 しかし、判断ミスがあったり、それが不十分な結果であれば、事故(Mishap)になってしまいます。
Mishapは事故と言う意味ですが、Accidentよりも意味が広がります。死亡事故のような大きな事故もあれば、ちょっとした不要な出来事など安全な飛行を妨げる様な小さな出来事を含む場合もあります。
4 Fundamental Risk Elements
上にある四つの物はそのフライト、もしくは Situationに関して、大きく影響する物です。これらは「4 Fundamental Risk Elements」とも呼ばれ飛行に対しての危険性、リスクとなりえる4つの大きな判断材料です。 これらは安全に飛行が可能かと考える時の判断材料になります。 「離陸前に飛行を決行するかの判断」や、「ある飛行状態からの変更判断」に大きく影響を与えます。 気象や飛行環境が微妙な時に離陸を行なうかの判断、飛行続行を諦めて代替に向かとの判断、機首や高度、エンジンや装備設定の変更、ルートの変更の判断など色んな場面での判断状況に影響する物です。
- Pilot 操縦士 − 技量、経験、免許、飛行時間、機体への慣れ等もあれば、健康状態や日常や飛行でのストレスも含む
- Aircraft 航空機 − 性能、整備状態、装備、耐空性、
- Environment 環境 − フライトを取り巻く環境、気候、気温、空港、滑走路、管制、空域
- Operation (Mission) 運行や目的 − 運行内容、目標、 なぜ飛行をするのか? 何故その様に操縦や変更を行なうのか。
水平飛行、離着陸、訓練、観光等のフライト全体を表す場合も有れば、ここの状況での操縦目的と局所的な場合も有る。)
Response
左下にある「SKILL & PROCEDURE」が操縦訓練で身につける操縦術全般で、右下に有る「HEADWORK REQUIRED」が操縦士の判断です。ADMの考えでは、この右下のHEADWORKの部分を強化しようと言う考えだと理解しています。 この際の対応が不十分だと事故などの悪い結果に結びつきます。
変化や事件が発生する「CHANGE/EVENT OCCURS」で操縦士が気が付かないと、回避操作が行なわれないので事故などに直結してしまいます。 また遅れると、回避が困難になり危険度も増します。 「気づかない」をSkillやHeadworkが不十分で有ると置き換える事も考えられます。 なお、「INADEQUATE」とは不十分と言う意味です。
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ADMを取り入れた際の判断工程。