ADMでは、飛行前の判断や飛行中での変化に対応する時の考え方を強化した物です。Headwork、考える事が必要になった場合の対応をシステム的に考えます。 ADMの第一段階は、操縦士に危険な考え、姿勢が無いかを確認する事から始まります。
Attitude Management
まず、操縦士の考え、飛行に対しての姿勢を見つめなおし、必要なら考えを改める様にします。(1と2) 危険な考え方や、陥りやすい状況を事前に勉強し、より安全な判断を下せる様にします。
Stress Management
次に、操縦士にかかるストレスを制御して飛行への悪影響を最小限に食い止めます。このストレスは飛行から来る物だけでなく、日常生活のストレスも含まれて居ます。(3)日常生活のストレスが大き過ぎる時は操縦や判断に大きな影響を与えます。
Headwork Response Process
そして、Headworkの部分では頭の中で最良の判断を検討します。(私はこの部分で適切な判断が下せる様にするのがADMの大きな目標ではないかと思っています。
Crew Management
もし、他の乗員が居る場合は、彼らも判断や操縦に協力させる事を考えます。(5) その判断で、状況をより安全な方向に向かわせます。
Crew (Cockpit) Resource Management (CRM) や Single Pilot Resource Management (SRM)、 Sterile Cockpit など
Critique Actions
その後に、その判断について検討します。 これが飛行経験となると思います。 飛行時間が全てとは思いませんが、経験が多い方が今後の判断に役に立ちます。
無理して、偶然に帰還できたとしても、そこで勘違いはしない様に。 危険な状態に陥り、それを回避できた場合は、次にはその状態にならない様にします。 同じ様な時に「過去には大丈夫だったから」と繰り返すのは判断ミスです。無理な判断は間違いですので勘違いしない様に注意して下さい。「運良く帰還」したのは運だけで、次回の保障はありません。 ADMではその様な「無理は繰り返さない様」にと明確にされています。 運だけで帰って来たのは判断ミスです。
「過去に大丈夫だったから」と漠然とした、運だけの結果を次に期待しては行けません。
Risk Management
飛行中や飛行で考えられる危険性を検討します。 操縦士の技量と航空機の性能で、それらの危険性を克服できるかを検討します。 危険と判断した場合は、飛行を中止したり、進路を変更する等の判断を行ないます。
今回の判断結果も次に役立てます。上で書きましたけど危険な状態を運だけで帰ってきた時は、それを繰り返さない様に自分に言います。危険な状態で帰還できたからと言っても、次回の保障は有りません。 科学的に考えて下さい。「この前は大丈夫だったから」との単純な考えは捨てて下さい。 Thunderstormに近づいたり、通過して偶然に帰って来たとしても、次に同じ事をしては意味がありません。危険な事は教訓として避けて下さい。
各項目を簡単に説明しました。不十分とは思います。 個々に、もっと多くの事が研究されていて、詳細は貴方のテキストにも出ているでしょう。 後日、各項目をもう少し深く書いて見たいと思います。 ここではADMの意味だけでも理解して頂ければと思います。
以上でADMの概略と言うか、ADMのイントロです。 単語の意味が分かって頂ければ、良いかな。 最初に戻る