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アメリカでは飛行試験の内容と合格ラインを明確にしています。 PTSは実際の試験で行われる科目と基準を細かく書いた本です。
また、環境に合わせて内容が頻繁に修正されますので、FAAのサイトより最新のを確認して下さい。 

PRIVATE PILOT
Practical Test Standards PTS for AIRPLANE Single-Engine LAND


私が考えた解説をつけました。 解釈は人によって誤差があります。私も間違えます。 実際の使用は最新のPTS(FAA・英語版)で確認してください。基本的にはPTSのIntroductonの部分を私なりの考えを織り交ぜて和訳してみました。 間違いや疑問な点がありましたら、至急お知らせください。 C-152等のSingle-Engineをイメージしています。内容は他のPTSにも殆どが共通していますので参考にして下さい。 英語のオリジナルはこちら。

 

General Information

飛行試験の公平な基準としてFAAがPTSを作りだしました。 試験官はPTSを基準に試験を行ないます。 教官はPTSを元に、訓練を行い、試験の準備をします。そして 生徒は、訓練中にPTSの内容を理解しながら訓練を受けます。(その方が安心して試験も受けられるし、弱点の克服にもなります。万が一、不合格となった場合でも理由が明確となります。)

この本に使われている単語の“shall” と “must”は義務付けられて居る事柄です。
“should” と “may” は「好ましい」や「かまわない」と言う意味がありますが、義務では有りません。

FAAは皆からの意見も参考に作っています。 またPTSの出版物は購入する事も可能です。

 

Practical Test Standards Concept
FAR part 61でPrivate Pilotに義務付けられている項目がPTSのAREAS OF OPERATIONの部分になります。
(航空法 パート61は正式には「Title 14 of the Code of Federal Regulations (14 CFR) part 61」と呼ばれています。連邦法のタイトル14が航空機に関する法律で、その中にあるPart 61番が、パイロットの免許や資格に関わる法律です。)

(アメリカでは多くの法律が明確に書かれていません。これは世の中の流れに対応するためです。航空法もその一つです。)
航空法CFRでは変更が可能なように、詳しく定義はされていません。それを補うため、FAAがAREAS OF OPERATION やTASKを決め、受験者の能力を試験します。 また、航空の安全などを考慮しPTSを変更する事があります。 (SpinやAccelerated Stallなどです。)

Practical Test Book Description
このPTS本は Private Pilot のAirplane Categoryを網羅しています。(Land, Sea, Single-, and Multi-Engine)
Section 1 が Airplane Single-Engine Land and Sea で、 Section 2 が Airplane Multiengine Land and Sea に成ります。
Private Pilotを初めて習得する受験者に必要な全ての AREA OF OPERATION と TASK が書かれています。

Practical Test Standards Description
AREAS OF OPERATION は 試験の順番並べられています。 試験官は効率を上げる為に、順番を変える事は出来ますが、必ずGroundを先に行なわなくては行けません。(Oralと呼ばれている試験で、飛行前に色々と質問されます。)

TASK は 各AREA OF OPERATIONで能力を試験するのに必要な、知識内容、飛行方法、飛行操作が書かれています。

各TASKの後には、試験を行なう必要があるClassが略語で書かれています。
ASEL (飛行機−単発陸上) Airplane Single-Engine Land
AMEL (飛行機−多発陸上) Airplane Multiengine Land
ASES (飛行機−単発水上) Airplane Single-Engine Sea
AMES (飛行機−多発水上) Airplane Multiengine Sea
もしTASKの後ろに略語が省かれている場合は、全てのClassで試験が必要になります。

NOTE は AREA OF OPERATION や TASKで特に考慮するべき事を記述しています。
REFERENCE は TASKの事を説明している書籍(本)が書かれています。 不明な点がある時には、Referenceに書かれている本を参考にします。

参考に使われている書籍:
14 CFR 航空法 part 43 Maintenance, Preventive Maintenance, Rebuilding, and Alteration
14 CFR 航空法part 61 Certification: Pilots, Flight Instructors, and Ground Instructors
14 CFR 航空法part 91 General Operating and Flight Rules
AC 00-6 Aviation Weather
AC 00-45 Aviation Weather Services
AC 61-23 / FAA-H-8083-25 Pilot's Handbook of Aeronautical Knowledge
AC 61-65 Certification: Pilots and Flight Instructors
AC 61-67 Stall and Spin Awareness Training.
AC 61-84 Role of Preflight Preparation
AC 90-48 Pilots’ Role in Collision Avoidance
AC 90-66 Recommended Standard Traffic Patterns and Practices for Aeronautical Operations At Airports Without Operating Control Towers
AC 91-69 Seaplane Safety for FAR Part 91 Operations
AC 120-51 Crew Resource Management Training
FAA-H-8083-1 Aircraft Weight and Balance Handbook
FAA-H-8083-3 Airplane Flying Handbook
FAA-H-8083-15 Instrument Flying Handbook
AIM (Aeronautical Information Manual)
A/FD (Airport Facility Directory)
NOTAMs (Notices to Airmen)
Other Pilot Operating Handbook, FAA-Approved Flight Manual 飛行機に搭載されているマニュアル, Navigation Charts, Seaplane Supplement

Objective lists はTASKの合否を決める基準になります。 Objectiveと書かれている内容の事です。

1. specifically what the applicant should be able to do; 受験者が出来る必要がある事、
2. conditions under which the TASK is to be performed; and タスクが行なわれる状況や、
3. acceptable performance standards. 合格基準が書かれています。

Use of the Practical Test Standards Book
FAAは全ての飛行試験が、PTS (Practical Test Standard)に沿って行なわれ、Introductionに書かれている規則にしたがう様にに義務ています。特に指示が無い限り、受験者は各AREA of The Operation の全てのTASKSに合格する必要があります。

既に他のPrivate Pilotを保持している者が、他の等級の追加する際は「Additional Rating Task Table」に指定されている AREA of Operation と TASKを試験されます。 また試験官は各自の判断にてそれ以上の物を試験する事が出来ます。複数のRatingを保持している者は、より少ない内容で、試験を受ける事が出来ます。

Emrgency Proceudre 緊急時の対処法について、
天候や地形、受験者の仕事量、飛行機の性能に応じて、安全な方法で行ないます。必要に応じてSimulate「模式」で行う事も可能です。

Special Emphasis Areas
試験官は『飛行機の安全性に重要な事柄』には特に注意する必要あります。受験者が常時出来る必要がある項目は、

1. positive aircraft control; 受験者が確実に飛行機をコントロールしている事。投げ出したり、無茶な操縦をしない。頭が真っ白になるようでは厳しいでしょう。
2. procedures for positive exchange of flight controls (who is flying the airplane); 操縦している者を確定している事。誰が操縦してるのか確実にしておくこと。試験官は操縦は上手いでしょうけど、あまり操縦しません。不明な時は確認しましょう。
3. stall/spin awareness; 失速やスピンにお陥らぬ様に注意している事。
4. collision avoidance; 他機との衝突防止。
5. wake turbulence avoidance; 後方乱気流の回避。
6. Land and Hold Short Operations (LAHSO); LAHSOの指示に従う。 "...cleared to land Runway 20Right and hold short of runway 23 ..." 等のようなクリアランス。無理な時や危険を感じる時にはTowerにハッキリと伝えましょう。
7. runway incursion avoidance; 滑走路での衝突防止。
8. controlled flight into terrain (CFIT); 地面や山、障害物に衝突しないように注意する事。衝突回避。
9. aeronautical decision making (ADM); 飛行操縦士としての適切な判断。
10. checklist usage; and チェックリストの使用。(記憶は無効で不合格です。訓練初期からチェックリストを使い癖づける。)
11. other areas deemed appropriate to any phase of the practical test. その他、安全飛行に必要な事柄

上記の内容はTASKには書かれていない物があります。しかし安全面には重要な事柄で試験中には常時、判断(試験)されます。 受験者は上記の事柄に関しては、何時でも試験されていると覚えておきましょう。(また大事な事なのでSoloでも免許をとった後でも注意すべき事です。)

Removal of the “Airplane Multiengine VFR Only” Limitation
Removal of the “Limited to Center Thrust” Limitation

(多発機の項目につき 削除)

Private Pilot - Airplane Practical Test Prerequisites
自家用操縦士になる為に必要な項目は、航空法、14 CFR Part 61に定められています。
An applicant for the Private Pilot - Airplane Practical Test is required by 14 CFR part 61 to:
1. 最低17歳以上であること。
2. 英語が読めて、話せて、理解できる事。(ペラペラとは書かれていません。)もし疑問がるときはAC 60−28を参照にします。
3. 飛行試験を受ける日より遡って、24ヶ月以内に筆記試験に合格している事。(Knowledge Testと言います。)
4. 法律で決められているトレーニングを受け十分な技能を備える事。そして必要とされている知識も習得していること。
5. 少なくとも3rdクラスのメディカルを保持している事。
6. 試験を受ける日より遡って60日以内に、認定教官(CFI)より試験の為の訓練飛行を受ける必要があります。
そしてその飛行時間をログブックに記載し、さらに試験の準備が完了したと裏書(Endorsement、書面とサイン)を得る事。
7. 筆記試験で不適当とされた部分(間違えた部分)について、受験者が十分な知識を得たとEndorsementを得る事。

Aircraft and Equipment Required for the Practical Test 試験に使える飛行機

飛行試験では、受験者が飛行機を準備する必要があります。 その飛行機は「Airworthy」、法律に従って点検や整備されており安全に飛行できる状態であると認定されている事。

またその飛行機は

1. 米国籍、外国籍、軍所属の飛行機で、受けようとする試験と同じクラスである必要があります。
2. デュアル・コントロールの飛行機でなくては行けません。2の席から操縦が出来る事。
3. 全てのAREAS OF OPERATIONに書かれている全ての項について、試験が出来る事。

Flight Instructor Responsibility
PTSに書かれている事を全て訓練し十分な技量を持たせる事。また教官の影響力は強大です。そのために十分な技術と知識を持つ事が求められます。また、全ての段階において。教官は衝突防止に関してのトレーニングに重点を置く事が大事です。
(教官向けに付き、少々削除されています。)

Examiner Responsibility
試験官はPTSに定められた内容の試験を行います。「Oral、口頭」 と 「Skill、技術」に関しては明白な境目が無いので、試験中には最後まで両方をについて試験する事。(飛行中にも、Oralの部分が含まれていると言う事です。)

もしTASKを終了できない時や、結果が不明と判断した場合は、TASKをもう一度行なうように指示する事ができます。 公平性を保つ為、教習や練習を行なったり、失敗したTASKを繰り返す事は認められません。(失敗は不合格になります。失敗では無く何らかの理由で中断した場合や、合否が出せない場合はもう一度、TASKを行う事が出来ます。)試験中は、受験者が衝突防止を常時行なっているか、も対象になります。マニューバーを行う前のClearing Turnや旋回する前の確認です。 もちろん、他に飛行機を見つける事があれば、安全が確認出来るように行動します。(コースを変えたり。少し待ったり。単なる振りでは不十分です。)

On multiengine practical tests where ....の部分は多発機の為、削除。
(他にも試験官にいて書かれている物もなので削除しました。
なおクリティカルエンジンのSimulated Failureの試験は400 feet AGLに引き上げられました)

Satisfactory Performance
合格レベルは、安全に、、、、

1. Area of Operationに書かれているTASKを行う事が出来ること。
2. 各TASKを基準以上のレベルで行い、飛行機の操縦をマスターしている事を確実に証明すること。
3. 基準以内での熟練度と適正を証明する事。
4. 常識的な判断を下す事。
5. 一人でも安全に操縦できると、証明する事。

簡単に書くと、「安全に常識以内で」PTSに書かれているレベルで操縦できれば合格です。

Unsatisfactory Performance
もし、一つのTASKでも不合格であれば、そのAREA of OPERATIONが不合格になります。そして、試験全体が不合格になります。(でも試験官も人間です。総合的に判断してくれるので、ちょっとのミスで気落ちしないように。ミスっても完璧な対応が出来れば合格としてくれる場合もあります。)

不合格になれば、その時点で試験を中止する事ができます。もし受験者が望めば試験を続ける事が出来ます。それで合格したAREAに関しては合格とする事ができます。しかし、試験官の判断によって再試験の時にそのAREAを再度、試験される場合もあります。

(不合格の場合、合格したAREAに関しては、次回に免除されます。不合格となった場合でも、受験者の希望により他のAREA分の試験を続ける事も可能です。上手く行けば、その分も次回に免除されます。もちろん内容によっては試験官の判断で合格した範囲の再試験もあります。)

よくある、不合格の理由や原因:

1.受験者の不手際の為に、試験官が操縦を行なう必要があった場合。
(試験官が操縦する場合もありますが、それだけでは不合格ではありません。危険な状況に陥って操縦をしてしまった場合などです。)
2. ScanningやClearingなど衝突防止の努力を怠ったった場合。 Checklistもそうですが、安全
3. PTSのObjectiveで決められた許容誤差を何度も守れなかった場合。
4. 許容誤差を超えてしまっても、素早い対応が出来なかった場合。
(PTSで決められた誤差を数回超えてしまうだけでは、不合格になるとは限りませんが、その時の対応が求められます。もちろん誤差を一度超えるだけで不合格になる場合もありますが、状況によっては許される場合もあると理解できます。)

Notice of Disapproval、不合格通知が発行される場合。
不合格 の Area と TASK を明記します。 行なわれていない範囲も含まれます。
もし「Special Emphasis Area」に不備があった場合は、その事も明記します。(上記に示されて居ます。)

Crew Resource Management (CRM)
CRMとは飛行に使える全ての物を上手く効率よく使う事です。 人間(パイロット・乗客、運行者、整備士、管制官)、機械、道具、情報など飛行に使えるもの全てを上手に使い、安全に飛行を行なうことです。 CRMは一つのTASKではなく、全てのTASKに関係しています。

(機長一人で全ての事を行なうのではなく、有る物は全部使って安全に飛行を行なうと言う考えてす。例えば、記憶のみに頼らず、筆記道具を使ったりして、効率的な運行を行な事です。他のTrafficを見つけられない時に、管制官や乗客に協力を頼む事も考えられます。試験には直接関係が無いが安全飛行に必要な事柄を試験官に頼む事もCRMの一例です。簡単な例では、落し物や後部に忘れた物を試験官に取ってもらう事が考えられます。)

Applicant's Use of Checklists
受験者は適切なチェックリストを使う必要があります。使い方は各TASKによって変化いたします。もし、操縦中にチェックリストの使用が危険を及ぼしたり不適切な場合は、その状況が終わってから、チェックリストで内容を確認してもかまいません。チェックリストの使用中でも注意を内外に分散して、衝突防止やATCなどを忘れる事は許されません。

Use of Distractions During Practical Tests
複数の研究によると、飛行中の危険な状態でに起こる不測の事柄や邪魔などの障害が起こると事故が格段と起き易くなります。 その為、試験官は飛行中に受験者に起こり得る不足な事態を作り出し、受験者が適切に対応できるか確認します。(例えば、操作中に周波数の変更を指示するとか。)

Positive Exchange of Flight Controls 操縦桿の確実な受け渡し。
飛行中は誰が操縦をしているか、確実にする必要があります。飛行前には必ず、操縦桿の受け渡しに付いて確認しておく必要があります。もっとも薦められるのが3−Step方法です。

操縦を代わる時のは
1."You have the flight controls" を言って相手に渡します。
2. 渡された方は"I have the flight controls" と確認します。
3. 渡した方は、確実にするために"You have the flight controls" と念を押します。
最終的には眼で確認し、いつでも誰が操縦しているかを確認す必要があります。

Metric Conversion Initiative
パイロットがメートル法に慣れる為に、PTSでは高度がメートルでも書かれています。 換算する時に、細かくなりすぎないように10メートル単位で表示されています。
(メートル法を使わないアメリカ人の為に書かれていますが、実際の試験はFeetです。日本でもFeetがよく使われています。)

PTS:
飛行試験項目

PTS:
Practical Test Standards



Private 日本語 英語
Oral 予測問題集

Instrument

Commercial

Flight Instructor

ATP

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