Single-Pilot Resource Management (SRM)
Communication
- Communicate the essential points of the situation. その場で一番重要な事を話す。 (不要な事は排除・言うな。)
- Communicate the situation in a logical and systematic way. 会話では合理的で建設的に。(順序良く話そう。)
- Follow existing procedures. 決められた手順を守ろう。
- Be aware of and use relevant terminology for the situation. 状況に応じた単語を選ぼう。 (知識の自慢はしない)
- Prioritize issues. 大事な事から順に行う。 順序だてて、何が一番大事かを考える。
- Give and receive feedback routinely, ask questions, and be willing to admit when they don’t understand.
会話を行う事によって情報の交換を行う。疑問は全て聞く。そして、分からない事は分ら無いと素直に認める。
SRMでの会話の方法。 (他人との効率的な交信手段とでも考えりゃ良いかな。) 航空無線だけでなく、パイロット、ガソリン屋、乗客、乗務員、整備士等の航空産業に関わる全ての人を含めて行う会話の事です。 色々な情報をより効率的に入手する事が基本となります。 回りからの情報は大事になりますが、 効率よく聞きだし、入手するのが基本となります。 上記のリストは、その基本となる物ですね。
これれらを勉強していて思ったのは、飛行機だけでなく、このテクニックは日常生活でも大事だと思います。日頃から行う事によって会話の技術を向上して、より有益な情報を得るのが大切だと感じます。 そして、それが操縦の境だと安全な飛行に繋げる事になると思います。
色んな人から、より多くの有益な情報を得れる人間は、上手く人生を送れると思いますし、飛行機の世界では、そのテクニックが安全性を高め、より良いパイロットに育てると思います。 効率的に会話を行い、重要点を聞き出していくのが必要でしょう。 遊びなら話が脱線しても問題は無いでしょうけど、専門的な会話をする時には重要な事を中心に聞きだす様にするべきと思います。 一回のフライトでも色んな人との関わりがあります。 そんな時に無駄話をするのは効率的に思えません。 特に飛行機は早いですから、色んな事がドンドンと発生します。
また、男性に多いのですが、プライドが邪魔して、分らない事が素直に認められない人が多いです。自慢話も楽しみの一つかも知れませんが、『分らない事を知っている振り』するのは飛行機の世界では危険でしょう。 また相手に伝えられ無いと意味が無いので、不用意に専門用語を使うのも考え物です。 常にどの様に相手と接すれば、効率的に大事な事を聞きだせるか?と考えるのが必要と思います。
SRM Crew Coordination Techniques Communicationの方法で複数の人間が居る時に大事になります。
これは教官と生徒の間など、操縦士同士の会話で重要になってきます。 それに免許を取った後にもお客さんを乗せて乗った時にも必要になってきます。ど素人のお客さんでも、安全飛行のお手伝いは可能です。 ここは『誰が何をしているのかを明確に』しましょう、って事です。 (これはSingle Pilotとは言わないですけど、SRMでのCommunicationは大事な事です。)
- Heading, Altitudes, 新しいコース設定、周波数を変える時に声を出して確認する。Verify out Loud.
- 乗客へのドア、シートベルト等の機材の使い方の説明方法を練習し、客が分らない時には質問が出来るような環境にする。
- 他にパイロットが居る場合、飛行前に役割を明確にしておく。訓練飛行を含む。経験者同士での飛行が意外と危ない
- Challenge-response methodでチェックリストを使う。(一人が読んで、他が確認する。例えば教官が読んで、生徒が行う)
- 離陸と着陸前に確認をしあう。Departure and Approach Briefing
- 「Positive exchange of flight controls.」の訓練をする。誰が操縦桿を持ってるの?"I have control"とかの確認。
- 「Sterile Cockpit」を保ちましょう。 物理的に機内を整理するという意味では無く、パイロットが集中が出来る様にする。
巡航中以外は無駄話はしない事です。
Sterile Cockpitとは
「Sterile Cockpit」 とは無駄や無駄話が無い状態です。パイロットや乗務員が無意味な事に気を取られ無いようにするのが目的です。物理的な綺麗さを示している物ではありません。飛行に関係の無い事で意識の分散をさせずに、安全に飛行を行えるようにする事です。 これは事故が発生しやすい離陸や着陸時に無関係な話によって、大事な事柄を忘れない様にするのが目的です。 飛行機に慣れてくると、馬鹿な話をしてしまうのが、人間なんですけど、この気の緩みが、多くの事故の元にもなってます。 不十分なPreflightも危険を生みます。
この無駄な事よる事故を減らすのが「Sterile Cockpit」の目的です。 離着陸時が危険ですから、Taxiから注意が必要です。 Approachも危険ですから、巡航以外で注意が必要です。またPreflightや整理整頓も大事になります。
熟練パイロットでも雑談や無意味な事を繰り返すと大事な事を忘れる時があります。C-172ぐらいでは何とかなりますが、大型機ではフラップの設定等が大事になります。無意味な事を行う事によって大事な事を忘れる可能性も出てきます。どれだけ飛行時間が多いパイロットでも設定がまちがってると事故にもなりますし、 逆に気の緩みが怖くなります。 また整理整頓を怠る事によって、「探す」と言う行為で飛行が疎かにもなり、事故に繋がる可能性も出てきます。また飛行前の準備もSterile Cockpitを保つ為の大事な方法です。飛行中に周波数を探したり、空港のガイドブックを読むのは無駄な行為で、パイロットのの意識が操縦から離れてしまいます。出来るだけ準備は行い、飛行中は雑談を控えましょう。
Radio Communication
管制官の言うとおりに飛行すれば、ミスが起こったりする事がかなり減ります。下記の方法でATCとの誤解や間違いを減らしましょう。
- Read back clearances. クリアランスは必ずRead Backしましょう。(無線で管制官と同じ事を言い、確認する。)
- When in doubt, verify instructions with ATC. 自信が無い時は管制官に確認しましょう。忙しさは関係ないです。
- Do NOT assume that the controller’s silence after a read-back is verification. Ask the controller for a verbal confirmation.
あなたの交信後に管制官が何も言わないのは、管制官が確認したという意味ではありません。必ず、管制官からの確認を声で貰いましょう。
- Be alert for similar call signs. 似たような機体番号(Call Signには注意しましょう。)
- Use call signs to acknowledge transmissions − not a double click of the mike or “Roger.”
マイクをクリックするだけや「ラージャー」だけで終わらさずに、必ず機体番号を言いましょう。
- Use correct radio phraseology. 正しい無線用語を使いましょう。
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