Sectional Chart: Towerの読み方 - Aiprot Information編
Sectional Chart等を見る時、当たり前ですが、凄く大事です。ここではその空港の印や情報の読み方について説明します。
筆記試験にもChartでのTower空港の情報を読む問題があったので、まとめて説明してみます。
(右横にある図は実際の問題に出ていた物ですが、見やすくするために、故意的に不要な情報を削除しています。)
空港を表すのには2色あります。青色がTower(管制塔)が有ると言う意味です。 言い換えれば、離着陸には管制官からの許可(Clearance)が必要な空港となります。もちろん、離着陸に影響が出そうな距離に近づくにも許可が必要になります。その様な空域をClass-Dと言いまして、青い点線で囲まれています。(赤い矢印で示した点線。) 英語ではTowered Airport や Controlled Aiprotと表現します。 大きさや形は空港によって違いますので、チャートで確認する必要があります。
上限(高さ)は青いL字型の印で囲まれています。(黒色の矢印)。 数字が高さで100ft MSL単位で表示されています。 また数字の前に「-」が付いている場合は、その高度を含まないと言う意味になります。Addison空港の場合は3,000 ft MSLですが、30の前に「-」が付いているので、3,000未満で3,000フィートは含まれて居ません。 上のサンプルには「-」が無いのでClass-Dは2500フィートも含まれます。「-」印のある空港は、上空にClass-BやClass-Cなどの空域が有る場合に多いです。 Addisonの場合はDallas Class-Bが3000フィートから始まっています。
もしTowerの無い空港でしたら、赤茶色(マゼンタ色)で表記されています。下にNon-Tower空港の例があります。
8000フィートぐらいの滑走路までが円で描かれます。滑走路も描かれています。(正確には8069フィートまで。約2500メートル)。上下左右に四角い物がある空港には燃料が普通の時間帯なら販売されている事を示します。 (Fuel Service) そして円の上に描かれている星印がRotationg Beaconと呼ばれている物で、夜間か気象が悪い時にライトが照らされます。 詳しくはリンク先を見て下さい。右が滑走路の長い大きな空港の例(赤色の矢印がBeaconの位置)
左がNon-Towerの例です。
アスファルトやコンクリートなど固い滑走路は、チャート上に滑走路が表記されています。 (Hard Surfaceとも言います。) 上を見ると・・・
ChesapeakeやAddisonには普通の硬い滑走路がありますが、Fischerにはグラス等の柔らかい滑走路しかありません。
なお、 (Pvt)は個人の空港という意味で、持ち主の許可無しに使用する事はできません。(Non Public, Private Airport) 皆さんが使う空港はPublic空港となります。また軍用空港も通常は使う事は出来ません。 空港名にNAS(海軍) AFB(空軍) MCAS, NOLF等と表記され、周波数もUHF帯も使われてます。
Fuel Service
チャートを見ると、その空港に燃料のサービス有無が分かります。
燃料サービスがある空港には空港の印に正方形の印が、上下左右に付いています。 Rotating Beaconがある空港は、上部の正方形がBeaconの星印に変わっています、 また燃料サービスは、一般のガソリン屋と変わらないので、24時間とは限りません。基本的には平日の朝10時から夕方の4時頃を目処としてください。 丸だけで描かれている空港にはガソリンの給油サービスはありません。上の図ではChesapeakとAddisonにはありますがFisherは有りません。
ここの問題の解説に参考図があります。
Soft Surface (Hard Surfaceではない) 空港
大半が舗装された滑走路ですが、一部にはまだ芝や土の滑走路も残っています。 舗装された滑走路を持つ空港は、滑走路が描かれていますが、やわらかい滑走路の空港は丸で書かれています。大半はPrivate空港ですが、一部は一般向けも有ります。
舗装された滑走路は無いですが、燃料屋が存在する空港。
この空港は、舗装された滑走路は有ませんが、Beaconが設置されてます。
空港情報の読み方
ADDISON (ADS)
CT-126.0* C ATIS 133.4
644 *L 72 122.95
1列目に書かれているのが、空港名とそれの略語(Identifier)となります。 Addison空港で略語はADSです。
一部の空港名が、四角の箱で囲われている時があります。 これはFAR 93で特別なルールがある空港と言う意味です。
2列目の行は
「CT-126.0* C」 管制塔、Control Towerの周波数が126.0 Mhzで、星印(*)があるのは24時間では無いと言う意味です。
次の「白抜きのC」はCTAFに使う周波数でもあるという意味です。 Tower Closed閉鎖した後にパイロットどうして使う周波数にもなります。
Control Tower 126.0 Mhz, Not Continuous (Not 24 Hours., When the tower is Closed use 126.0 as CTAF.
ATIS 133.4 これはATISが133.4 MHzで放送されていると言う意味です。 まれにですが、無い空港もあります。
一部の空港ではATISの代わりにAWOSやASOSが代用されている場合があります。
3列目は、順番に「標高、滑走路ライトの有無、滑走路の長さ、UNICOMの周波数」が書かれています。
この空港の標高は644フィートとなります。 地上では高度計が644と表示するようにします。
「L」は滑走路に、ライトが設備されて居ると言う意味です。 日没から日の出まで(Sunset to Sunrise)
「L」の右横にある「*」はライトは常時付いている「訳では無い」 Not Always, Not Continuos。 パイロットが点灯するTypeか、時間が決まっているかです。
ライト自体が無ければ横棒が描かれます。「-」
ChesapeakeにはRunway Lightは常時点灯しますが、Ficherにはライト自体がありません。
次の数字は、滑走路の長さを100 feet単位で示しています。
Addisonは72なので、滑走路の長さは約7,200フィートです。 約2,200メートル
(Chesapeak は5,500 feetで、 Fisherは 2,400 feetの滑走路があります。)
最後の周波数はUnicomと呼ばれるもので、ガソリン屋とかのサービス屋さん(FBO、Fixed Base Operator)が使っている周波数です。
この空港で、ガソリンが欲しい時や、何か聞きたい事があれば、返答してくれるかも知れません。 相手は一般人なので、忙しい時には無視されたり、暇すぎて誰も居ない時もあります。 Addisonは122.95、Chesapeakは123.05MHz、 Fisherには自家用空港なので特に周波数はありません。
また、チャート上の場所が限られている時は、改行されている時もありますが、内容は同じです。ただ、場所が無いだけです。
このAddison空港にはありせんが4列目以降がある時もあります。そこには「RP 10」 や 「RP 30R 12R」と書かれている事があります。
これは、Traffic Patern が Right Turn(右旋回)の滑走路を示しています。 ここで書いた例ですと、前者はRunway 10はRight-Hand Traffic Patternが使われており、後者は「滑走路12 Right, 30 右、Right Trafficを」と言う意味です。平行の滑走路では通常、左右別々のパターンを使いますが、一部の空港では、両方ともで、同じ向きのパターンを使う時もあります。
ちょっと読みずらいですが、Elizabeth City CGASは Runway 1 と 10が Right Traffic Patternを使用します。 (なお CGASは Coast Guard Air Stationと言う意味で、沿岸警備隊の専用空港ですので、私ら一般人は許可無く離着陸は出来ません。)
Right Traffic
Right-Hand Traffic
Right Traffic Pattern
Right-Hand Traffic Pattern
Right Turn Traffic (Pattern) 等と呼び方は色々と書きましたが、全て同じ意味です。ATCでは頭に"a"を付ける時もあります。
また、Airport of Entry や AOEと書かれている事もあります。 これは税関や移民局の役人が居る空港で、外国から着陸する場合はこの様な空港を使います。アメリカでは入国する点を「Port of Entry」と言いまして、空港の場合は「Airport of Entry」と言われる場合もあります。ただロサンゼルスやサンフランシスコ等、大きな国際空港では省かれている時もあります。間違い無く、税関はあるんですけどね。同じClass-Bでもサンディエゴには書かれており、基準は不明です。 一般の小型航空機用の税関が有ると言う意味かも知れません。 (勉強不足ですいません。)
たまに1列目の上にも、何か書かれている時があります。
もっとも多いのが「FSS」でこれは空港にFlight Service Stationがあるという意味です。
多くのClass-B Airportには 「NO SVFR」とあり、これはFixed WingのSpecial VFRは禁止・無いと言う意味です。 Fixed Wingは固定翼と言う意味で、飛行機やグライダーを指します。
右の図は、大きな空港でテキサス州のDallas - Ft. Worth国際空港の説明です。 この空港は大きな空港で大きな滑走路が7本もあり、日本からの直行便もあります。確か大手のアメリカン航空の中心空港だったかな。この空港はClass-B内にある空港で、名前の上に「NO SVFR」と書かれているので、飛行機などの固定翼のSpecial VFRは禁止されています。また一番下に「Airport of Entry」と書かれているので、税関などもあります。
Heliports
ヘリコプター用のヘリポートです。 これは病院用でしょう。 (MED CNTR = Medical Center)
Seaport, Seaplane Base
水上機用の空港。 水で出来ている滑走路です。
左はPrivateが大半ですが、Public用のも存在しています。
沢山の水上機が有るとは思えませんが、場所によっては数機駐在している所も有ります。
Unverified
Unverfied 未確認?の空港。
不十分な情報しか分かって居ない空港です。もしくはFAR 139に対応していないとか、何らかの理由が有ると思うのですが、調べても分かりませんでした。 全米に点在して居ますが、アラスカの方のチャートでよく見かけます。
運営上か法律上での何かが有るのでしょう。 名前、長さや標高がサッパリと分かりません。緊急用以外には使わない方がいいでしょう。西海岸にも有ったのですが、上空からは確認が出来ませんでした。
Closed Airport
閉鎖された空港。 緊急用でも危険かも。滑走路の中心にフェンスが設けられていたりします。 チェックポイントには使えます。