HOME CONTACT LINK 検索
   ATC:航空無線      筆記試験 > PVT : IFR      PTS:飛行試験項目      お勉強室      航空辞書      けいじ板  

Icingの種類

Icingには3つの種類があります。 着氷になる水滴の大きさに大きく影響されます。 水が氷に変化する時に融解熱(Latent Heat)と言って、熱を放出します。この熱が凍らなかった水滴を液体として、流します。

Clear Icing
水滴が大きい時に発生しやすい危険なIcing, 着氷。 最初の衝撃で、最初の水分が着氷に変化します。凍った時には熱が放出されて、凍らなかった水がその着氷の後ろに流されます。しかし、Aerodyamamic Coolingや気温の低下で、その液体が凍ってしまいます。大き目の水が凍ると、硬い氷となって翼や機体などに張り付いてしまいます。空気が入っていないので、透明な氷が張り付いてしまいます。透明の氷はフワフワとした物と違い、カチカチで重たいのが特徴です。 Deicing Bootsと呼ばれる、ゴムなどで出来た装置では除去が難しくなります。 取れない危険な状態です。 

上昇気流で水滴が大きく成長しやすいCumulus(積雲)の中で遭遇しやすくなります。 その為にも乱気流だけでなく、着氷Icingを迂回する為にCumulus、積雲を避けるのが常識です。

Rime Icing
水滴が小さい時に起こりやすい現象です。 Stratified Cloud(層雲)や霧雨、霧など水滴が小さく、融解熱で溶ける事がなく、全てが瞬時に凍ってしまう状態に出来やすくなります。(FogやLow-level Stratus Cloudと呼ばれる状況が危険です。)霧雨など小さい水滴では空気が沢山入るので、白くなります。Clear Icingに比べて、かなり軽いので、重量の問題は無いのですが、大きく成長するので、翼型の形を大きく変えて揚力や推力が大きく低下します。Rime Icingは割れやすいので、Deicing Bootsでも比較的除去をしやすとされています。

Mixed Icing
これはClearとRimeの間ぐらいのIcingです。 水滴の大きさがバラバラな時や、雪や氷の粒が存在する時に発生します。これはキノコ型になって急速に成長する時があります。

 

Icingになった場合は、早急な対応が必要ですが、どれがベストかは私には不明です。 気温の低い低空では衝突の恐れがあるし、上空では雨が降っているので気温が高い場合もあります。しかし、高高度での上昇なら性能が十分に有るのかも疑問。空気が薄いだけでなく、Icingで性能も落ちている。その場で直ぐにUターンが良いのかも知れないけど、高度が変わると、意味もないし、急旋回だと逆にLoad Factorが増えて危険かも。 まあ失速になりやすい状態ですから、速度を早めに飛行するのは間違い有りません。 Icingは避けるのが一番、対応も即座に。でも状況判断も的確に。

注意1: どんなIcingでもC-152/182の様にDeicing SystemやAnti-icing Systemが無い航空機には致命的です。 Light Icingと報告されていても、Systemが無いと、除去する方法がありません。 絶対に飛行しないでください Icingが予測される時は絶対に飛行しないでください。 また計器飛行で可能性がある所を飛行するのも除去装置が無いと違法行為です。 またDeicing BootsもLight Icingぐらいが限界です。 ですから、私たちの様に小型機を操縦する者はIcing状態が予測されるだけでも飛行はしないのが普通です。

注意2: このページはIcing Condition(状態)で飛行する為の説明ではありません。 Icingの危険性を理解して、少しでもこの危険な状況を察知して回避するためです。 10分以上飛行できる場合があっても、早い場合では1分以内で、操縦が不能になる場合があります。

注意3: Icingは予測できても、実際の事は飛行しないと、FSSの予報官やFlight Watchには分りません。 将来、大きな飛行機を乗る事があれば、IcingについてのPilot Reportをして下さい。 遭遇した場合はもちろん、 予報されていてもIcingに遭遇しなかった場合も報告して下さい。それによって、予報の精度が高まります。 

 

Icingの問題 : Icingの原因 : Icingの種類 : Supercooled Water 過冷水

 

HOMEATC:航空無線筆記試験 > PVT : IFRPTS:飛行試験項目お勉強室航空辞書けいじ板LINKサイト検索
Copyright c 2007-2017 Koji Ueda. All rights and Copyrights are the properties of Koji Ueda. All Rights Reserved. 上田浩史に著作権はありますが、お勉強・訓練には使ってね。教育関係はの方は必ず「CFI Japanから」と添えてお使い下さい。