ILS Parallel Approach と PRM (Precision Runway Monitoring)
サンフランシスコなど大きな国際空港には、平行滑走路(Parallel Runways)が設置されている所もあります。旅客機が多い所では、悪天候でも影響が出ないように、平行滑走路の両方にILS Appraochが設定されている場合があります。 しかし、計器飛行では航空機の安全を保つ為に、航空機同士に一定の距離を開ける様に義務付けられています。 しかし、滑走路の間が狭い場合があり、通常のAppraochでは同時にAppraochが出来ない場合があります。 これは安全上、絶対に必要な物ですが飛行制限にもなり混雑の元になります。 その為に、平行滑走路で同時に行われるILS Appraochでは3つのAppraoch方式が有ります。
(私は通常のILSしか経験が無いので知識が不十分です。これは簡単に整理しただけです。詳しくは、最新のTerminal Proceudre, AIMを読んでね。)
- DEPENDENT Parallel ILS Approach
- INDEPENDENT Parallel ILS Approach
として、2種類。
通常では無い、2機の飛行機が同時にIFR Appraochを行う。
- Simultaneous Parallel ILS Approach
- ILS PRM Approach (Simultaneous Close Parallel) / SOIA (Simultaneous Offset Instrument Approach)
DEPENDENT Parallel ILS Approach
- 滑走路のセンターラインが2,500feet 以上離れている事。
- Staggered Appraochと言って、アプローチする航空機の間隔が1.5か2.0マイル以上開けられている事。
- 左右、並んでアプローチする事は無い。(1.5/2.0マイルの間隔が義務付けられてる為に)
- Final Monitor Controllerの必要が無い。(Finalに専属の管制官は必要とされていない。)
- No Transgression Zoneは設定されていない。
Simultaneous Parallel ILS Approach (INDEPENDENT Parallel ILS Approach)
- 滑走路のセンターラインが4,300feet 以上離れている事。
- 左右、並んでアプローチする可能性がある。
- No Transgression Zone(NTZ)と言って、コースの間に、進入できない範囲が設定されている。
- No Transgression Zone(NTZ)にはFinal Monitor Controllerと言って、NTZの進入を専門に監視する管制官が居る。Radar Monitoring
- Final Monitor Controllerと言い、間隔が保たれている事を確認して、緊急時にはTowerの周波数で指令を出します。
- Breakout Instruction: アプローチする航空機がNTZに入り込んだ場合は、Breackoutと言って管制官が回避動作を指示する場合が有る。
- Final Monitor Controllerが居る。 (下記を参考に)
Simultaneous CLOSE Parallel ILS PRM Approach とSOIA (INDEPENDENT Parallel ILS Approach)
- 滑走路のセンターラインが3,400feet 以上離れている事。もしくはコースが2.5度〜3.0度離れている場合は3,000フィート以上
- 左右、並んでアプローチする可能性がある。
- No Transgression Zone(NTZ)と言って、コースの間に、進入できない範囲が設定されている。
- No Transgression Zone(NTZ)にはFinal Monitor Controllerと言って、NTZの進入を専門に監視する管制官(PRM)が居る。
- Final Monitor Controllerと言い、間隔が保たれている事を確認して、緊急時には指令を出します。
- Breakout Instruction: アプローチする航空機がNTZに入り込んだ場合は、Breackoutと言って管制官が回避動作を指示する場合が有る。
- アプローチ・プレートにはILS/PRM Rwy XXX (Simulaneous Close Parallel)と明記されている。
- PRMはPrecision Runwy Monitorの略です。
- RADARシステムの一種で性能が物凄く良い。 Close ParallelとSOIAに有る。
- PRMが有る時は、NTZは2人のMonitor Controllerで監視されています。
- PRM Systemと呼ばれる高性能のレーダーで監視されている。(通常のTerminal Radarの5倍とか)
- ほぼ瞬時に表示され、特殊なソフトウエアで追跡されています。
- このPRM Systemは下記のRadar Monitoring(通常のSimultaneous Parallel)の追加となります。
- もちろん、平行滑走路のある所にあり、滑走路が一本の所には有りません。
- 滑走路の間が700〜3,000フィートの場合、SOIA (Simultaneous Offset Instrument Approach)と言うタイプのPRMがある。
- SOIAの場合は、片方の滑走路にLDAが使われ、MAPまで3,000 feetの間隔(NTZ)が開けられている。
- SFOの為にある様な物です。 Parallel滑走路の間がかなり狭いが忙しい空港で、天候も悪くなり易い場所。
- LDA・SOIAでは制限が多いためMinimumが低いとは限らない。 やや低めのCeilingやVisibilityの時に利用されると思った方が良いでしょう。
- Visual Approachではちょっと無理な感じの場合に使われると思った方が良いでしょう。
実際のApproach Chart (San Francisco ILS/LDA PRM, SOIA) 頻繁に変わるので、これは勉強用です。
実際に有った管制官から操縦士へのお知らせ これも短期間の有効期限でしたので、現状は変わってる可能性が高いです。
- 下記のRadar Monitoringが有り、Close Parallelでは二つの周波数を聞く必要があります。
- Simultanuous Close Parallel Approach, PRMでは、飛行する前にPRMのトレーニングが必要。
- FAAのウエブに出ている"ILS PRM and SOIA Approacheds: Information for air carrier pilots"か
- FAR 91の小型機の場合は"ILS PRM and SOIA Approacheds: Information for general aviation pilots"を最低でも見る事。
- 詳しくはFAA.govに出ている指示に従う事。(AIM 5-4-16 b. 1)
- 頻繁に変更があるので、常に最新の情報を得てください。 ここの情報は未完成だけで無く、古いです。
- 上記のビデオをFAAのサイトで探しましたが、見つける事が出来ませんでしたので、変更は頻繁に有ると考えられます。
- FAAのサイトで見つけたSFO SOIAに関するビデオ。 リンク切れになり易いので、FAAからダウンロードして、このサイトに残しておきましたが有効期間が分りません。 お勉強用に見て下さい。 実際のPRMやSOIAを行う場合は、確実な所から適切な訓練を受けて下さい。
- FinalではApproachとTower二つの周波数が設定されており、両方を聞く必要がある。
- Approach Control (PRM Monitor) Frequency、そしてTowerとPRM Monitor Frequencyが有る。
- 緊急な対応が必要な時に、無線が使われていても、管制官がPRM Monitor Frequencyで指示を伝える事が可能になります。
- Monitor Controlが送信する時は、両方の周波数で送信されます。
- 操縦士はTowerの周波数のみに送信して、Monitor Frequencyでは送信しない事。
INDEPEPENDENT Approachに必ずある「Radar Monitoring」
(滑走路に近く、Towerが管制する範囲でも、レーダー管制官が航空機の監視をします。)
- NTZ(Non Transgression Zone)、滑走路の間に設定されたスペースに入らない様に監視するレーダーサービス。
- Independent Parallel Approachに存在する。
- Dependent Parallelには無い
- Final Approachへのベクタリングを行われる時は、3マイルか、高度で1000フィートの差を開けます。
- 指定された高度はGlide Slpeに乗るまで、保つ必要があります。
- Final Appraochコースへの最終角度は30度未満になります。
- Towerが管制する距離で合っても、このレーダー管制官が監視します。
- Final Monitor Controllerと言うのが存在して、緊急時にはTowerの周波数を使って指示を出します。
- PilotはTowerの周波数を聞く必要があります。 (Monitor Tower)
- Close ParallelとSOIAの場合は、操縦士はMonitor ControllerとTowerの両方を聞く必要があります。
- そして、送信はTower Frequencyのみで行います。 常に全員がMonitor Controllerの指示を聞ける様にする為です。
- Final Appraochでの旋回でコースを越えたり、NTZに進入しそうな航空機にはFinal Monitor Controllerが指示を出します。
- 侵入機が反応しない場合は、隣の航空機に対して、コースを修正する様に指示を出します。
- NTZには進入できませんので、LDAの場合は必ずMAPまで飛行する事。
- Radar Monitoringが終わる時
- Visual Separationが適用された時。
- Appraoch LightsかRunwayが見えたと報告さた時
- 滑走路間の幅が4,300 feet以上の場合は、1マイル以内に来た時
- Final Moniter ControllerはRadar Monitoringが終っても、操縦士には何も伝えません。
私自身にはSimultaneous ILSの経験も有りませんし、当時は存在も稀でした。 これはAIMやテキストを簡単にまとめただけのページです。 詳しくはAIMを読んでね。 5-4-13 〜 -17ぐらい。
これは参考資料と言うか、私の独り言と思った方が良いです。 実際のPRM (ILS・LDA/PRM Simultaneous Close Parallel Approaches)を行う時は、FAAが認める適切な訓練が必要ですし、AIMを見ればもっと細かいルールがあります。 それだけ、安全性に影響する物です。
Sidestep Approach
これはParallel ILSでは無いのですが、 ILS Appraoch等を途中まで行って、着陸寸前で隣の平行滑走路に着陸する事を言います。
(別にILSとは限りません。VOR Appraoch等でも、Sidestepは行われます。 途中でRunwayを変える事をSidestepと言います。)
このSidestepは空港に「間隔が1,200feet未満のParallel Runwayが有る時」に有る可能性が高いです。 Instrument Approachが片方にしか無い場合か、片方の滑走路のみにApproachが行われる場合で、忙しい時間帯にSidestepが多く見受けられます。
クリアランスにSidestepが有る場合は、Instrument Approachをチャートに記載された様に行います。そして途中で滑走路かその一部(Runway Enviroment)が見えた時(VMC)になれば、横のRunwayに移って、アプローチと着陸を続ける事を言います。 後続には、貴方よりも早い飛行機が飛行している可能性があるので、Runwayの一部が見えた時は、速やかにSidestepを行うのがマナーです。