Flight Review (FAR 61.56) と Recent Flight Experience (FAR 61.57)
アメリカ政府が発行するパイロット・ライセンスには有効期限がありません。 操縦士が馬鹿な事をして剥奪(Revoke・Revocation)・免停(Suspend)になるか、放棄(Surrender)するか、操縦士本人が死亡するまで有効です。
有効期限が無いと言って、何時でも乗っても良い訳ではありません。 航空機を操縦するには色々と条件があります。大きく分けて2つ。
1つは健康で有る事と、健康であると言う診断書、Medical Certificateが必要です。
このMedicalには有効期限が有りますし、操縦士の体調が不十分な場合でも操縦は禁止されます。(Medical Certificateが有っても、何時でもOKって意味じゃありません。 体調が悪い時に飛行するのは違法です。最低でも飛行する時はMedical Certificateで決められている健康状態で無いと飛行できません。一部の投薬治療中は飛行は禁止されてます。FAR 61.53。空気が薄くなるので、投薬などの影響が予測できないのです。
まあ、この項目はMedical Certificateが有効で、健康であればOKです。 詳しくはこちらへ
もう一つは、飛行必要な経験や条件を満たしている事です。
このページのメインな部分ですが、飛行機を乗る時には、その日から遡って、FAR(航空法)で義務付けられている事を行っているか?です。 例え私みたいに15年のブランクが有っても、機長として操縦しようと思う日から遡って必要な項目をしていれば飛行を再開する事が出来ます。 別にExaminerからの飛行試験は必要じゃありません。(してもOKだけど) それからの項目は、、、、、
の3つの項目があります。 ここでは、この三つを説明したいと思います。 各項目クリックしてください。
最後のInstrument Experienceは計器飛行に関しての事ですから、Private Pilotを目指しておられる方や、VFR飛行だけの方には必要は有りません。
参考に、、、、、
Calender Month
アメリカの法律では、日数を指定する時にCalender Monthを呼ばれる物が頻繁に使われます。これ箇月と呼ばれ、「月」単位で日付計算をする事です。 xx年05月zz日なら、 zz日を無視して、xx年05月を基準に考えます。 これはアメリカの航空法、FARではよく使われる、日付の計算方法です。 月単位で考え、日にちまでは気にし無い方法です。 簡単に考えると、月単位のカレンダーで、ページ単位で考えます。
例として: 24th calender month は「ほぼ2年の事」ですが、月単位で日付や有効期間を考えます。 例えば2009年5月1日に24 Calender Month ごとに必要となるFlight Reviewを受けると、次ぎに必要となるのは2011年5月1日ではなく31日までです。これが2年と24 calendar month の違いです。
(2009年05月01日〜31日の間に行うと、24 Calender Monthの有効期限は2011年05月31日になります。)
ここでは、Flight ReviewとInstrumentで使われています。 離着陸に関しては「90 days」と明記されているので、月単位では無く、日数で検討します。
Currentになる, Currency
必要な飛行経験を行っており、合法的に飛行できる状態を、アメリカでは「Current」と言います。 十分な飛行経験が無くて飛行できない時は「I am not Current」なんて言います。 形容詞としてCurrencyと言う単語もよく使われます。
簡単なまとめ
Summary 必要な飛行経験 |
飛行内容 |
必要な事 |
期間(飛行しようと思う日から遡って) |
PIC,機長として飛行する
|
Flight Review |
24 Calender Months |
|
3回の離着陸 |
90 days
|
|
6回のInstrument Approach等か
Instrument Proficiency Check
|
6 Calendar Months |
PrivateやIFR、Commercial やClass やType Ratingの免許自体には有効期限がありません。 期間内のMedical Certificateがあれば飛行可能です。ただ飛行する際には、無条件に飛行出来るのでは無く、必要な飛行経験があります。
・ Flight Review ・ Passengerを乗せる(Takeoff/Landing) ・ Instrument Experience ・