縦に有る、左右に動く針は、VORとLocalizerのCDIの役割をします。
ILS用になると、上下に動く、Glide Slopeの針があります。
計器の真ん中にある大きな「円」は飛行機の位置を意味します。
二本の針が交わる所が、ILSのコースが有る方向を示します。
そして、この大きな円は、ドットのちょう一つ目になります。
針が、この円の縁にあれば、1ドットコースが外れていると言う事です。
なお、LocalizerはVORと違って、信号の方向は、一直線です。
その為、OBSをクルクルと回しても、表示には変化がありません。
右側に有るのはInstrument Writtenの図に使われていた、ILSの表示例です。
中央の大きな円が、貴方の位置を示していると考えてください。
二つの針が重なる所(方向)がILSコースの場所です。またVORと同じ様に、ドットは角度を表します。
この場合ですと、左下にILSのコースがありますので、やや下降率を増やして、コースを左に向ける必要があります。 LocalizerやILSでの注意点は、物凄く感度が良いので、ちょっとの変化にも敏感に反応します。
Outer Markerまででしたら、感度はそこそこなんで、5〜10度ぐらいのHeading調節で様子を見ます。それでもたったの10度ですけど。右の表示でWind Correctionが出来ているなら5度でも大きいかもしれません。VORみたいに30度以上を使う事はありません。
もっと近づいて来ると、ちょっとの事で、針が敏感に動きます。 こうなると5度のHeading 修正でも、修正が強すぎて、針が反対に行く場合があります。 OM (Outer Marker)を超えれば、2度以内の修正で十分とされています。もちろん、OMまでにWind Correctionができていると言う条件ですけど。
この表示でMiddle Markerの手間(DA、DHの近く)でしたら、1度ぐらいのHeading調節ぐらいで十分です。(良くは無いけど、ラダーをちょっと押す程度でも十分)それで、Headingを殆ど変えずに(変えなくても良いぐらい)でILSの様子を見ます。 GSもそれぐらい微々たる調節で十分です。
VORと同じ様に、この計器ではドットは角度を表しています。 その為、アンテナ(滑走路)に近づくと、凄く敏感になります。ただLocalizerはもっと敏感です。 2〜3ドットでも外れると、滑走路から外れます。ですから、寸前では1度でも十分です。
余りにも敏感で、調節しようとすると、針が瞬時に逆に飛んでしまうぐらいです。 左に向きを変えている間にLocalizerが来て、修正を始める前に行き過ぎてしまうでしょう。 Middle Markerまで来ると、基本的にはHeadingは変えないぐらいの気持ちで。
滑走路の手前で、どうしても変えたい時は、チョビットだけ。針が元に戻り出したら直ぐにHeadingを戻すぐらいでも大きい場合があります。 それぐらい敏感ですから、何もしない程度「気持ち分の修正でも大きいかも?」と思って、修正してください。
GS(Glide Slope)の調節、 高度はElevatorを押すのでは無く、Powerを気持ち抜くか入れるか程度で十分でしょう。 基本的にはPitch ControlでAirspeed。そしてPowerで高度を操作すると楽にGSを飛行できますよ。
ただ下降してくると、Headwindが大きく変化する時が有りますので、その事もちょっと頭に入れてください。
Ground Speedが早い = 滑走路とかに早く届く = 早く降りる必要がある = 降下率を増す。
GSが遅くなる = 届かない = ゆっくりと下降する = 降下率を下げる。
Indicated Airspeed = 風の影響はほとんど無いので、 GSで物事を考える。
昔に比べると、質素な扱いになって居ますが、ILSに使われ、実際にはかなり便利な装置です。 まあ、見た目よりも「音声で教える」と言う考えも有るのでしょう。
最近では右の写真の様に、 オーディオパネルの中に組み込まれています。音声のコントロールも出来ます。
Outer Markerは青色のライトと、ゆっくりとした「ピー・ピー・ピー・・・・」と言う音で通過を教えてくれます。「-」の繰り返し。
Middle Markerはオレンジのライトで、「・ -」の繰り返しで「ピッ、ピー」と明確な音で教えてくれます。
Inner Markerは少ないですが、設置されている滑走路では、白いランプが点等して、 一秒間に6回と「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、」と忙しなく教えてくれます。 モールスコードのドット「・」の繰り返しです。 まあCAT-IIやCAT-IIIで使われてるので、かなり低空でなります。 地面スレスレ!と教えてくれてます。
むかしはMarker Beaconの活躍も多かったのでしょう。 古めの飛行機ではマーカービーコンは計器盤の中央付近にあって、かなり目立つ場所に設置されているのが多いですね。
余談ですが:
大きな空港付近を通過する時、たまにマーカービーコンが鳴って、心臓が飛び出るほど驚く時があります。 ライトはオンにしておいても良いと思いますが、En Routeでの飛行では音量をZEROにしておく事をお勧めします。 でも、OFFだとApproachで忘れたら危険なので、ONのままにはしておく事を薦めます。
実際では、ライトよりもスピーカーから流れてくる音声で、パイロットにお知らせしてくれます。
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