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Spatial Disorientation 空間識失調 (Vertigo)

Spatial Disorientation 空間識失調、 Vertigoの復習

  • 空間に対する自分の姿勢が分からなくなった状態。
  • 想像している航空機の姿勢と、実際の姿勢の間に大きな差があり、操縦が困難になる事。
  • 雲の中や、視程が悪い時、夜間飛行などの時に起こりやすい。
  • 特に雲の中では起こりやすい。
  • 特に計器飛行の訓練を十分に受けていないと「簡単」に陥る。
  • 計器のみを信じ、自己の感覚を無視する。
  • 一つの計器じゃなく、複数の計器を見ること。 
  • 「戦い」と言って良いほどの、強い思い込みが出ます。 これに負けると危険な状態になりますので、とにかく計器を信じる。
  • 制限速度を超えて、空中分解したり、 遅すぎて失速・スピンに陥る可能性が高く、死亡事故のケースが多い。
  • 経験者でも起こりえる
  • 水平飛行でも起こる場合がある。(有った、経験済み) 急旋回を避けるのは方法ではありません。
  • IFRパイロット: 確実に計器を見て、計器が何を表示しているかを判断する。 Scanningと適切な知識が大事、素早く計器を見ても、理解が出来なければ意味はありません。 バンク角度やピッチ角度には関係なく起こります。バンク角度を緩くするだけでは答えじゃありません。

冷静に計器を信じる事ができれば、回復は早いです。 訓練は確実に受けましょう。そして雲の中に入った場合の対処法を教官に聞いておきましょう。  これは飛行試験項目でもありますが、それ以上に最高の保険であり、お守りです。

 

余談:

知合いのパイロットがPrivate Pilotを取ったのですが、教官が手抜きをしてHood(計器飛行)の訓練を怠りました。 その時の彼は英語もイマイチで、勝手に計器飛行タイムを3時間付けられたのですが、意味も分らずそのまま試験に受かりました。 後日、夜間飛行で海辺の空港に着陸したまでは良かったのですが、 海上に向かって(?)離陸した瞬間にSpatiatl Disorientationに陥りいりました。天候はClearなVFRだったのですが目標物が極度に少なく、危険な状態に入ったのでしょう。。。(まあ運良く、隣にはパイロットも居て、助かってます。)

この類の事故は意外と多く、Jet機でもたまにあります。 夜間の訓練中に計器が故障したとしてAttitude Indicatorを隠して離陸・飛行したが両方とも飛行時間が多いベテランで、気が抜けていたのでしょう。Spatial Disorentationに入ってしまい、そのまま墜落っていう事故は少なからず有ります。彼らは気がつかない内にSpatial Disorientationに入っていたのかも知れません。 誰にも真相は分かりませんが、事故調査委員会の人間はSpatial Disorientationだとは気が付いてるでしょう。 JetのCheckrideでも、この様な事故があったのも現実です

私はStudentの時に雲に入って、死ぬ思いをした事があります。教官には言えませんでしたけど。彼が他のパイロットと話していた「雲の中に入ればUターンすれば良いんじゃ。間違いなく最初は雲が無しなぁ。前方は分らんだろ」と他人に言っていたのを偶然に聞いていて、それを何とか思い出して、何とか実行できて帰ってきました。 まあVsとVneの間を何度も行き来しましたけどね。 着陸は思いっきりハード。 飛行機を降りると足はガクガク。 よくお漏らしをしなかったなぁと思うほどです。 失禁の意味が分かったぐらい。

他に書いた事もありますが、IFRの免許を取った時にも経験が有ります。 朝なので太陽が横に有って当然なのですが、何故か分かってても、「太陽って上からだよな」と思った瞬間にSpatial Disorientation。 計器飛行だったんので、Approachはドンドンと指示を出してくるので、頭が狂う、狂う。 計器を信じろ!と言い聞かせて何とか姿勢を維持。 1時間ぐらいに感じた、5分間後ぐらいに雲からでて助かりました。

あと安全に体験できるとしたら、Airlineかも知れません。 着陸前に旋回するでしょ。 その時に雲の中なら、水平か旋回中か区別がつかない時があるはずです。 もし天気がよければ、目をつむり、飛行状態を想像するのも方法です。 結構、狂います。 生徒と日本に帰る時などは、こんな実験をしてSpatial Disorientationの体験をさせてました。

    1. 軽く目を閉じます。
    2. そして、その時の姿勢を想像します。
    3. 上昇? 下降? 水平? 左旋回? 右旋回?
    4. ボーっとしていては駄目です。 姿勢を想像して下さい。
    5. これだけを繰り返します。
    6. 旋回中とかに目を開けて下さい、ぜんぜん思ったりと違ったりします。
    7. 訓練機でも出来ますので、後ろに乗る機会があれば試して下さい。

     

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    What is it? : 対処法 : 万が一の為に : Unusual Attitude Recovery : Summary


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