CG, 重心の位置とStability, 安定性について
飛行機のStability(安定性)とは、「操縦のしやすさ」、「操縦の楽さ」、「操縦のお気楽さ」の事を言います。 Stableな飛行機、安定している飛行機と言うのは、操縦が楽で、操縦士があまり何もしなくても、勝手に真っ直ぐと飛んでくれる飛行機の事を指します。安定している飛行機が傾くと、勝手に元の姿勢に戻ろうとして、そんなに苦労しなくても良い飛行機です。英語では「Less Effort」と言います。「そんなに努力しなくて良い」って意味です。
逆にUnstableで不安的な飛行機は、飛行機の姿勢が変わりやすく、操縦するのに大変な飛行機の事を指します。 傾いてしまうと、元に戻るのに時間が掛かったり、逆に傾きが酷くなる飛行機を言います。 その代わり、不安定な飛行機は敏感なので運動性には優れています。 乗り心地は最悪、また操縦も難しくなるので安全とは言えません。
基本的に、お客様を乗せる旅客機は安定性が高く、戦闘機など敏感な動きが必要な場合は不安定な傾向があります。私達の訓練機は安定している方です。
飛行機のStabilityは3本の軸に対して、3種類の安定性が有ります。 名前は色々と有りますが、Pitch, Roll, Yaw Stablityがあります。
RollとYawは設計や整備の段階で、決まってしまいます。 一つの燃料タンクを使い続けるとかバランスの悪い事をしない限り操縦士が変える事は有りません。Pitch Stablity (Longitudinal Stability)はパイ
ロットの判断で大きく影響してきますので、ここからはPitch Stablityの事を書いてみます。