旋回の航空力学 Turning in Aerodynamics
Radius of Turn と Airspeed (半径と速度)
旋回半径は「バンク角度」と「Airspeed, 速度」で決まります。 一定速度ならバンク角度の変化で、旋回半径が変わるのは簡単に理解できると思います。 では速度変化する時は?
速度が速くなると、真っ直ぐと前に行こうとする勢いが強くなります。 その為に横に行く分の割合が減ります。
その為、速度が速くなると円が大きくなって、半径が大きくなります。
逆に低速ですと、同じバンク角度でも、半径が小さくなり、簡単に方向も変わってしまいます。(Slow Flightなど)
飛行コースを上から見た時
Radiusは半径と言う意味です。 基本的に旋回半径(Radius of Turn)は小さい方が喜ばれます。 Traffic Patternも小さくて済みますし、狭い谷間でも安全に飛行できます。またVOR
等で飛行中に目標地点でコースを変える時も、旋回半径が小さいと、コース変更後の誤差が小さくなります。(Fixなどでコースを変える場合、変更点を通過後に新しいコースに向きを変えるのですが、旋回半径が大きいと次のコースから遠くに離れてしまいます。)
でも、これは飛行機の速度に大きく影響されますから、速度の速い飛行機を操縦する時は注意して下さいね。 速い速度の飛行機じゃTraffic Patternが大きくなったりしやすくなります。
計器飛行(IFR)では、Approach速度でCategory分けされているのは、旋回半径での大きさに差が出るからです。
速度が速くなる --> 勢いが強くなる --> 曲がり難い --> 半径が大きくなる
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High Speed |
Low Speed |
勢い |
前に進む勢いが強い |
弱い (横に行く力に負ける) |
Rate of Turn
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旋回する勢い(比率)が小さいので
旋回率は低くなる。
高速では機首変更に時間が必要。 |
旋回率が高くなり
簡単にHeadingが変わる。
Slow Flightでは直ぐHeadingが変わる。
Taxi中も簡単に向きが変えられる |
Radius of Turn |
前に行こうとするので、
曲がり難くなるから、
大きな円を書くコースになる |
前に行く勢いが小さく、
容易に回る。
その分、
旋回半径も小さくなる
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参考に: 飛行機の半径や率は重量には関係有りません。 (比率だからです)
その為、C-150でもB-747でも、バンク角度と速度が同じなら、同じ旋回コースになります。 F-15でも蚊でも、トンボでも同じです。
蝿が急旋回出来るのは、低速だからです。 まあ、軽いから低速で飛行が出来るんですけどね。 ただ蚊よりも早いので、旋回半径は大きいよ。
始めに : Adverse Yaw と Ball : Slip/Skid : 旋回中の高度 : 旋回率 : 旋回半径