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Thunderstormとアクシデント 私が思った事と伝えたい事 (ADM)

ところが出発後、行程中ほどからどんどん積雲が増えて来ました。このクロカンでは2か所に着陸して戻るはずでしたが、とりあえず最初の目的地までわずかなので向かいました。

まず、最初の離陸後に、積雲の増加に気づいた体験者さん。 地域的に積雲が多い地域で慣れておられたのでしょう。 その時の時間帯、気温の変化、湿度を判断すれば、今後の事が分かったかも知れませんね。

実は私は「積雲どんどんと増えて来る」様な危険な経験は無いので、私には判断は出来ないんです。恥かしいけど。
ここで私が「危険だから引き返せ」と書けば、結果論から書いているだけなので説得力は皆無でしょ。
ですから、私は皆でこの経験を検討できればと思ってます。 まず、私が思う事を書いてみます。

他人の教習を否定する事は避けるべきですが、 Thuderstormが多い、毎日発生してて訓練も試験も通常、と言う様な地域では
もう少し、Thunderstormに付いての講習が有るか、勉強をしておくべきで有ったのでは無いでしょうか。

特に フロリダは大西洋の真ん中にある半島ですから、この点については注意が必要であったでしょう。 しかし、多くの人が飛ばれているのも事実ですから、これだけでフロリダが危険とは言えません。 私が居た西海岸では、霧、Fogの発生が多い地域ですからどちらでも注意は必要です。 余り有りませんが、早朝の濃霧は危険な現象です。 フロリダの様な場所ではThuderstormに注意するのが重要でしょう。

降りた後も雲がどんどん海側から流されてきていました。自分の飛行場は南。次の目的地は西。ここの飛行場で天気図を確認もせず、天気が変わる前にさっと次の目的地へ行って、すぐ帰ろうと離陸しました。
それが失敗でした。

2度目の離陸
何とか二ヶ所目の空港に到達されたので、結果はオーライと言うのでしょうか。
でも「結果的に」到着したと言うのは、褒められた事ではありません。  確実な安全性を持たないと離陸するべきでは無かったですね。
それが失敗でした。」 判断に間違えた事に気が付かれて良かったです。 今後は、それを1人でも多くの後輩に伝えください。

彼の教官に読まれると「それじゃ100%なんてありえない!」と反論されるでしょう。 私も100%安全なんて無いと思います。 これは自動車でも徒歩でも同じです。 ですから100%は無いと意識し、逆にいつでも「怖い事が起こりえる」と怖がる位になるのが良いパイロットと言えるのでは無いでしょうか? 毎日Thuderstormが発生してると認識されてるので、教える方も気が緩んでいたのでしょうか?

他の方が書き込まれた言葉ですが、『年寄りのパイロットはみんな臆病者なんだよ。勇敢なヤツは年を取る前に死んじゃうからね。』 これには大きな意味が含まれていると思います。

私も腕の良いパイロットが、優秀なパイロットでは無い。 危険を回避し、常に危険を探している臆病な者ほど優秀な操縦士と思います。フロリダの教官さんには「たった数マイルで発生するThunderstormでは離陸をしない、Special VFRも行わない。 法律で認められてるのは限界だけで、全てのパイロットには当てはまらない」と教えて欲しかったな。

訓練生はこのクロスカントリーを行うまでにまでに色々と訓練して、地上では勉強し色々な知識を身に付けます。 そこで付けた知識を生かし、そして少しでも100%に近づけるクロスカントリーのプランも練り、色々な事を想定して、万が一の対応策も考えるのだと思います。 このプランニングでは、ルートや到着空港の0エントリーや周波数だけで無く、途中で飛行続行が無理になった場合の回避プランを作るべき時でもあります。飛行機の中では、回避プランを作るのは大変ですし、他の空港に降りるとしても、機内で情報を集めるのは大変です。

Preflight Planningはプレッシャーの無い状態ですから、色々と想定して緊急ルートや、情報の集め方を準備しておきます。A/FDに途中の空港を付箋で印を付けて置くのも方法ですし、VOR Stationからの10度づつのRadialを書いておくのも緊急時に役立ちます。 もちろん、エンルートのFSSの周波数だけで無く、Approach ControlやCenterの周波数を知ってるだけでも全然違います。 これは計器飛行でも使える戦術です。

降りた後も雲がどんどん海側から流されてきていました。
まあ「Thunderstormが当たり前」の様な風潮の所では、これぐらいは認められたのかも知れません。 その為に積雲が見える状況でも甘い判断をしてしまったのでしょう。 毎日の様にThunderstormが発生する場所なら、それの回避方法や、取り止めると言う勇気を学ぶ必要が有ったでしょう。 既に免許を修得された方は、危険性を十分に理解し、Thuderstormの時に離陸する事は慎むべきと思います。 今回は、悪天候の所で教えておられる教官さんが、Thundrstormの怖さと対処法を教えるチャンスを与えなかった所に勉強が必要だったかと思います。

> 続く

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