Thunderstormとアクシデント 私が思った事と伝えたい事 (ADM)
西から雲が流れ込んでいる状況、西には海。ぼこぼこ積雲系の雲が発生し、気付いたら右も左も下も。
それもどんどん大きくなって。
それでも次の飛行場につきました。飛行場には僕一人でした。中のオフィスにはなぜか誰もおらず、無人。そして壁にはここの海で墜落した事故の新聞のスクラップが貼ってあって・・・
この状態では、離陸しないと言う判断が出来なかったのが残念ですね。教官に怒られるのが怖かったのかな。
途中で雲がモコモコと発生している状態。 私なら怖くなって、ドキドキしていたと思います。 西海岸が基本ですから、飛行を辞めるか、若しくは最低でもFSSに電話をして確認していたでしょうね。
英語に自信の無い訓練生なら、教官に電話連絡してみるのも方法だったと思います。
私が教えている時は各空港から電話連絡する様に指示を出していました。
私が訓練していた時代と違い、今では携帯電話やら、色々な方法で訓練校や教官と連絡が楽になった時代です。 クロスカントリーで目的地に到着する度に、教官に連絡して安全性を高めるのか方法かも知れませんね。
それと、私に実際に有った話しなんですが。 一度、生徒が公衆電話から連絡が出来無いとクレームを言われた事があります。
市外局番が違う所に掛ける場合は、最初に「1」を回す必要があります。 「1」を押してからエリア・コードを押してください。
(これは、私のミスですが、公衆電話の使い方を教え無いのはミスでしたね。 ホント事故なんて何処に有るか分からないのです。)
そしたら、長距離電話が可能になります。 「1」はアメリカかカナダと言う意味です。 公衆電話の場合は、電話がつながる前に、電話料金を言いますので、数ドルのコイン(クオーターでも)持って居る方が良いでしょう。1ドルで全米に通じる公衆電話も有りますが、電話会社によって、色々なタイプが有ります。 緊急事態も考えられるますので、最低でも20枚ぐらいのクオーターを持っていく事を勧めます。 私は夏場に水分補給を怠り、脱水になった馬鹿な経験も有りますので、自販機でドリンクが買える様にも小銭は忘れないでね。これもPreflightだよ。
余談: 自動販売機で、お札が読み取れない時のショックも大きいし、アメリカのは性能が悪い気がします。(受け付けない)
怖くなってしまい、こんな寂しいところから早く出ようと、離陸。もう雲の回廊のようなのがところどころできていました。
さらに雲は急速に発展していきました。陸上にも海上の方にもバーチカルクラウド。
3度目の離陸
これは体験者さんも命の危険を感じつつの離陸ですから、初めから褒められる事ではありませんね。(すいません)
私には、体験者さんでは無く教官は何を教えていたのかと疑問になります。Thunderstormの怖さや判断を教えて欲しかったですね。
私も日本人を教えていた事もあり、多くの方が英語に自信が無いので、早く帰りたい気持ちは分かります。
しかし、英語が出来ないからと言って、無茶な飛行をして死ぬのは馬鹿げています。
フロリダのThunderstorm、西海岸の濃霧の予兆を感じた時は、英語が出来なくても
フライトをキャンセルするぐらいの勇気を持って欲しいですね。
特にThuderstromでは2時間で大きく変わる時も有るでしょうし、翌日に離陸すると言うのも正しい選択です。
着陸空港にThuderstormが発生した場合でも30分で劇的に変わる場合もあります。 大気が非常に不安定ですと何時間も続きますが。
「さらに雲は急速に発展していきました。陸上にも海上の方にもバーチカルクラウド。」
離陸直後に、観察されていたのであれば、これは即座に離陸空港かより近い空港に速やかに着陸するのが普通です。
適切な講習を受けておられなかったのですから、体験者さんである操縦士を攻める事はできません。しかし免許を取ってしまうと、その後は操縦士の責任ですから、こんな時は免許の種類に関係なく、離陸を取りやめるか退避する事を優先して下さい。
皆さんに伝えられるのは、例えThunderstormについて、教えられていなくても、また逆に教えられていても、 急速に発達する積雲が有る時は、速やかに飛行を中止し、離陸空港か安全に降りられそうな空港にダイバートですね。 場合によっては、雷雲が消えてしまう時や雷雲まで発達しない時が有るでしょうが、確実な予想なんて誰にも分かりませんので、安全策を取るのが常識的と思います。
> 続く
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