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Thunderstormとアクシデント 私が思った事と伝えたい事 (ADM)

実は最初の目的地に向かっている時からVORがフリーズしていたのですが、あの時に引き返すべきでした。
もうこの時点でロスポジしていたのです。高度もかなり低くミニマムALTも守れません。

これは体験者さんの反省されている通りで、私にも理解が出来ない行動です。  VORが無い状態で、Cross Countryに行こうと決めた判断理由は分かりません。 確かにVORすら無い航空機が有りますが、その場合なら、それに合わせたプランをします。 ルートが分かりやすくて、VORが不要だったのかも知れません。 単に他のCross Countryが楽だったので、自信過剰になっていたのかも知れませんね。 

帰国やCheckrideを焦られたのか、私には分かりません。でもVORは緊急時にも大きな味方です。大事にしてください。 またVORであれ、搭載されている計器が故障している状態で飛行するのは疑問です。 適切な処理がなされていないと飛行が出来ないのも法律で決まってます。この体験談の様に 何が有るか分からないのが飛行機です。GPSが有る飛行機でもVORは確認するべきでしたね。

また、この後に海岸線を飛行したと有りましたが、もしVORが生きていれば、海岸線とVORのRadialを使ったクロスチェックで、比較的簡単にロストポジションから回復は出来た可能性が高くなります。 

この場合は横に有ると思われるVOR Stationに周波数を合わせます。 そして「From」にしてからCDIの針を「Center」にします。そこでOBS,Course Selecorの数値を読んでやると、その時点に居るRadialが分ります。 そのRadialと海岸線の交差点が貴方の位置です。自信が無ければ、違うVOR StationからもRadialを割り出せばOKです。

「飛行中のラジアルを求める」 これはCross Countryの前に確実にしておいた方が良いですよ。「From & Center」が飛行機の位置を見つける時の方法です。 もしくは飛行している場所のRadialを求める方法。

海岸線をメインにして、 VORでクロスチェックしてやれば簡単に場所を割り出せます。 自信が無ければ2個目のVOR Stationを使い確証も得られたでしょう。 海岸線を飛行する場合は事前にVOR Stationから10度づつの線を引いておくと便利ですよ。 もちろん、高速道路、Airway, Powerline, 予定飛行コース。この様なLost Positionの場合に備える為にも、離陸前のPreflight Planningではルートの横にあるVOR Stationaから10度づつの線を書いておく事を勧めています。(フラフラの状態で操作は出来たかは疑問ですが、安全重視でVORも大事にするべきでしたね。)


あとは航空図だけが頼りです。もう地上を見ても物標なんてわかりません。結局海岸沿いを飛びました。

ルートや位置が分から無い状態でかなり危険です。 しかし、最後まで諦めなかったのが良かったのでしょう。 諦めてしまうと助かる可能性が激減します。これ程危険な状態でも、何とかして!と最後まで頑張ったのが良かったのでしょう。 ここでは、それまでの勉強が自信を付け、この様な緊急時に実を結んだのでしょう。でも諦めていればこんな結果は期待できません。

海岸線に沿っていると言う事だけでも確実に分かったのは、大きかったと思います。 ロスポジと言っても、3次元的では無く、2次元的な迷子ですから、もう一つのヒントがあれば、位置が分かる可能性が大きくなります。後の生還に大いに役立ったのは間違い無いです。

ここで次に大事だったのがVORだったかも知れませんね。

> 続く

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