HOME CONTACT LINK 検索
   ATC:航空無線      筆記試験 > PVT : IFR      PTS:飛行試験項目      お勉強室      航空辞書      けいじ板  

Crosswind Component Chart

掲示板で質問されたのを例に、説明してみます。

What is the headwind component for a landing on Runway 18 if the tower reports the wind as 220° at 30 knots?

Runway 18に着陸する時、Towerが風が220度から30ノットと報告してきました、向かい風成分は? 

滑走路18に着陸しようとする時は、飛行機は180度の方向を向いています。 その際の風が220度から30ノットの風が吹いている時の、向い風(成分)はどれだけか?との質問です。 

220−180度=40度と右斜め前からやや強い風が吹いています。 こんな時は迎え風と横風の両方と対抗しての着陸になります。 質問はHeadwind Componentなので迎え風の強さが質問されています。 チャートは横からの風力を求める為の物ですが、前後の風成分も求める事が出来ます。

1. まず、滑走路と風向きの差をチャート上に見つけ、線を引きます。
    (実際は、方法が分かれば線を引く必要は有りません。 )

左隅の点が航空機になり、放射線の角度が風が吹いてくる方向になります。

2. 風力を示す「弧・アーク」を見つけます。 (90度の円で、風力を表しています。)

左下隅の点からの距離が、風力になります。 この場合は30ノットの30。

3. 1で見つけた線と、2で見つけた弧と交わる場所を特定します。

グラフの左下の隅が航空機を表し、3の交差点が風の強さと方向を表します。方向は角度ですがチャート上では左右は気にしないで下さい。向きが違うだけで結果は同じです。長さ(距離)が風の強さ(風力)を意味します。

4. 3の交差点から垂直に下に行きます。

そこで表せられる数値が横風成分、Crosswind Componentになります。(横軸=横風)

20ノットのやや左、19ノットの所に線がありますので、この時の横風は19ノットになります。

5. 交差点(3)より真横に移動します。

そこで表せられる数値が向い風成分、Headwind Componentになります。(縦軸=向かい風)

20ノットの上、23ノットの所に線がありますので、この時の向い風の成分は23ノットになります。
(Headwind Component = 23 kts)

Wind 220 at 30 で Runway 18に着陸する時は、横風19ノット、向い風23ノットになります。 C-152/172のクラスでは着陸がかなり厳しくなります。 POHの数値を考えると、着陸はしない方が良いでしょう。

 

オマケ: 数学的、三角関数を使って確認してみると。。。。。

Crosswind = 30 knots x Sin (30度) = 30 x 0.6428 = 19.284 kts
Headwind = 30 knots x Cos(30度) = 30 x 0.7660 = 22.980 kts

微妙に違いますが、ほぼ同じ結果です。 30ノットクラスになると風力の変化も激しくなるので、ここまで詳しく知っても意味はありません。 三角関数は単なるオマケです。


Intro : 使い方(Simpleに) : 着陸と横風 : 横風成分 : チャートについて : 実際の問題を例に

 

 

HOMEATC:航空無線筆記試験 > PVT : IFRPTS:飛行試験項目お勉強室航空辞書けいじ板LINKサイト検索
Copyright c 2007-2017 Koji Ueda. All rights and Copyrights are the properties of Koji Ueda. All Rights Reserved. 上田浩史に著作権はありますが、お勉強・訓練には使ってね。教育関係はの方は必ず「CFI Japanから」と添えてお使い下さい。