Holding
IFRで飛行中に、ある地点に止まって待つ事が必要な時に、Holding Patternと言うコースに入って、待機する必要があります。ここではHolding Patternについての説明をしたいと思います。
Holding Patternのサンプルです。 Fixから、図の様なレースコースを飛行して指示を待ちます。
計器飛行では、管制官から目的地までの IFR Clearance (計器飛行の許可)が必要です。 しかし、多くの飛行機が前方に居たり、空港でアプローチの順番待ちが有ったり、何らかの理由で次の地点までの計器飛行の許可を出せない場合は、その手前で待つ必要があります。 計器飛行では、管制官は飛行機と飛行機の間隔を開ける必要があります。 待つと言っても、飛行機は空中では停止が出来ませんので、Holding Patternと呼ばれるコースを飛行して、待機する必要があります。
計器飛行(Instrument Flying)では、最終地点まで管制官の許可を得て飛行します。 時々、最終地点まで許可が出ずに、途中までの計器飛行の許可しか出ない時があります。混雑している時に、稀に起こります。 その許可の限界をClearance Limitと言います。 多くの場合はClearance Limitまでに、最終地点か次のClearance Limitまで許可がでます。 もし、Clearance Limitに来ても許可が出ない時はHolding Patternを飛行して、次の許可を待つ事になります。
何らかの理由で計器飛行をしている飛行機の渋滞が発生する場合があります。 法律では、管制官(ATC)は計器飛行を行っている航空機同士の距離を保つ必要があります。 (まあ、管制官が計器飛行している機体同士の距離を保ち、安全を保障する、、、、、のが計器飛行の基本なんです。)
渋滞が酷くなると、管制官が計器飛行同士の距離を保て無くなると、その空域に入る計器飛行を制限します。旅客機やカーゴ機などの航空会社の飛行機は99.999%は計器飛行ですので、 計器飛行している飛行機は常時、多く飛行しています。その為、上空で待機させる時があるのです。また制限されても飛行機は自動車の様に信号待ちの様に止まって待つ事は出来ません。 その為、その時間待ちをする時にHolding Patternと呼ばれるコースを飛行して、許可が出るのを待ちます。
また悪天候などで、多くの航空機がInstrument Appraochの順番待ちをする時に、Timed Approachって言って、このHoldign Patternで順番待ちをする時があります。 この時は、高度別に待機する事になります。 この時は数機の航空機が同じFixを中心にHolding Patternで待機する事になります。 安全を保つ為に航空機別に高度を変えて空間を保ちます。
それから、Missed Appraochを行った場合は、指定されたFixまで飛行して、Holding Patternで次の指示を待つ事もあります。
左の例はLow Altitude Enroute Chartに描かれているHolding Patternの例です。 V-44のBAABY Intersectionに設定されたHolding Patternです。 V-44や前方の空域が混雑している時に、この地点で描かれている様にHoldingする場合があります。
右の例は、Approach に設定されたHolding Patternです。 このALANA IntersectionでApproachの順番待ちをしたり、Missed Appraochの後に、待機する所として指定されています。
(Missed Approach用は点線で描かれます。)
アメリカ本土で飛行していると、Holdingは余り聞きません。 レーダー網がシッカリしているので、Hodling Patternを飛行させるより、管制官がRadar Vetorで迂回させる様なコースを飛行させる場合が多いです。 しかし、Holdingは有効な方法で、また計器飛行には重要な飛行方法です。レーダーが完備されていてもHoldingを求められる事があります。(Timed Approachなどの場合) またPTS や IFR Currency、IFR Proficiency Checkでも義務付けられている項目ですので、必ずマスターしてください。
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入り方、Entry方法に付いては別にページを使ったので、そちらを (Holding Entry)
Holdingって何? : Holdingのコース : Entry 入り方 : 風の修正 : Patternの形や制限 : ATCからの指示 : Timed Appraoch