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Perceive-Process-Perform Model

A structured way to manage risk (システム的なリスク対処法 ・ 構造化されたリスク対策法) 

全体を把握し、前後を考え整理して、リスクに対応する方法・仕組み。 飛行機を操縦する時でも、何でもリスクや問題が発生します。 それらに対応する為、システム的に構造化して、対処しようと言う考えの一つです。 この3つのPはFAAが提唱する中の一つです。

  • Perceive, (感じ取り、気が付き)
  • Process, (考え、判断する)
  • Perform (行動を起こす。)

3P's とか P-P-P と言う風にすると覚えやすいと思います。 この3つのPが飛行前から駐機を完了し、全ての事が終わるまで繰り返し続きます。 着陸で終わりでは有りません。 危険は何処に潜んでいるか分かりませんので最後まで必要です。

3つの段階があり、飛行を始める前から開始し、最後までより安全に行動(飛行)しようと言う考えです。最後まで行けば、また最初に戻り飛行が終わって、空港を出るまで繰り返し続けて、より安全にと言う考えです。 常識的な事なのですが、リスト化して冷静に判断するのが目的です。 飛行中は無意識に行う場合が多いでしょうけど、構造的に考える事によって、より合理的に、より安全にリスク・危険に対処するのが目的です。また飛行前ならチェックリスト(Pave Checklist)を使う事も薦められています。

FAAの本から。 一つのRosk Management方法。Perceive-Process-Perform Model

FAAの本で見つけた図です。 3つのPが繰り返し行なわれます。
認識する事で、より良い判断が出切る様にする事も目標の一つです。

Perceive hazards by looking at:

  • Pilot experience, currency, condition
  • Aircraft performance, fuel, maintenance
  • enVironment (weather, terrain)
  • External pressures (appointments)

まずリスクに対処するには、そのリスクに気づく必要があります。 英語では Perceive, 気づく、認識すると言う意味があります。
(理解するとかでは無く、 何かを感じるとか、存在を気づく様な意味があります。)  それには4つの項目があります。 これらを頭文字を取ってPAVEと覚える人が多く、PreflightではPAVE Checklistを作って、それを使おうと言う考えもあります。 Checklistが義務付けられている訳では有りませんが、機長としての責任として、これらの項目を確認する義務が有ります。機長には安全飛行が義務付けられてます。

Pilot 最近の経験は? 忘れてない? 合法? 健康状態は? 精神状態は?
Aircraft 性能は大丈夫、燃料、整備状況。 飛行機は大丈夫?
enViroment 気象、地形、標高 安全に飛行できる環境ですか?
External Pressure 外的なプレッシャー 仕事や外部からの圧力が無いか?

 

Process risk level by considering:

  • Consequences posed by each hazard,
  • Alternatives that eliminate hazards,
  • Reality (avoid wishful thinking!),
  • External pressures (get-home-its)

リスクを感じ時に、そのリスクの強さや影響を考えます。そのリスク・危険性は、どの様な影響を与えるのかを冷静に考える必要があります。この世の中は生きているだけでも、何らかのリスクは有ります。 完全に消し去る事は出来ませんが、そのリスク自体を冷静に判断する事によって対処方を考える必要があります。 頭文字を取って、 CARE と覚えてください。

Consequence 危険な事による悪影響はどうか。 どんな目にあう可能性があるのか? 
Alternatives 他の方法でその危険を取り除く事が可能か。 回避方法は無いのか?
Reality 現実的に考える。希望的観測ではなく、実際はどうか。 その考えに「甘え」は無いか?
External Pressures 外部に対して無理してないか? 無理やり目的地に向かってない? 乗客や友達に対して虚栄を張ってない?

正しくリスク・危険性を認知する事が必要です。 リスクを感じた時は CAREを思い出して、一つ一つ分析してください。

 

Perform risk management:

  • Transfer - can you consult someone?
  • Eliminate - can you remove hazards?
  • Accept -- do benefits outweigh risk?
  • Mitigate -- can you reduce the risk?

リスクを察知し、適切に判断した後は、そのリスクに対してどの様な対応を取るかと判断します。 色々なリスクに遭遇する可能性があり、操縦士によっても対処法も違って来ます。 ここではどの様なチョイスが有るかと考え、行動を起こす段階になります。  これらには、頭文字を取って TEAM と覚えます。

Transfer 誰かに意見や協力を得る事が出来ないか? 地上なら整備士、上空なら管制官か同乗者など。可能な限り多くの意見を。
Eliminate 直面してる危険を回避できないか? 飛行を取りやめたり、コースや高度を変えたり。 諦めたり。
Accept 危険を承知して飛行を続けるのなら、それだけの価値は有るのか? 命や機体への影響は? 受け入れても良いのか?
Mitigate リスクを減らす事は出来ないか? Mitigateとは「和らげる、軽減、緩和する」の意味があります。

Risk Managementではこの段階で、最良の判断を下せる様にと考えます。 もちろん、この様な状態になるのを避けるのもRisk Managementです。正確には少しでも早い段階で気づき(Perceive)、行動を起こして悪影響を最小限に抑える事です。

 

3つのP (Perceive, Process, Perform)は、これを飛行中に繰り返して、着陸だけでなく駐機が完了するまで、この3つのPを繰り返して、リスクに対して少しでも最良の方法を検討します。Performが終われば、またPercieveのレベルに帰ります。

今回の説明はこれで終わりますが、FAAが書いていた事を簡単に和訳し説明しただけです。 Risk Managementは単純な物では無く、色々な方法がありますので、これだけで終わりとは思わないで下さい。 このリスクマネージメントを手伝う会社も有るぐらいです。 エアーラインはFAAなどの協力を得て独自の研究を行いマニュアルも有るでしょう。 航空留学では、Risk ManagementやADMは強調しない場合もありますが、毎回の訓練と経験がRisk ManagementやADMの一歩となります。

 

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