Perceiveの部分はプリフライトでは、飛行を決行するかの判断で物凄く大事になります。 その為、PAVEの部分をチェックリストにして使う事を薦められています。 これをPAVE Checklistと言います。 冷静にフライトを考える意味でも、各項目を一つ一つ判断するのがより安全なフライトの元になります。 ネットで調べると、PAVE Checklistを薦める記事は多いのですが、チェックリスト自体はあまり出てませんでした。 FAAのサイトを見ると KING VIDEOのが一つ有っただけなので、サンプル的に項目を下に書いてみました。 全ての項目とは思えませんが、参考にして下さい。
Pilot
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Experience 操縦士はその飛行の機種に対して、十分な経験が有るか? 資格やCheckout、教習など。
その機種の飛行機に慣れてるか? 最後に乗ったのは? 飛行時間は?
飛行中は、気象状態など、その状態を続けても安全に飛行できるか? IFR, 山岳飛行、横風対処法。
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Currency 最近、十分な飛行経験が有るか? その様な事を行なってるか?
法律でも決められている分はもちろん、そのフライトを安全に遂行可能か。
航空法は最低限を決めてるだけです。
「合法だから安全」 と言う事はありません。 自信を持って飛行ができる?
90日で3回の着陸で十分? 6ヶ月間の6時間の経験で大丈夫?
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Condition 肉体的、精神的に飛行できる常態か? ストレスで判断が鈍ってないか? ストレスに負けていないか?
体内にアルコールや薬の影響は残っていないか?
疲労は溜まって無い?
Aircraft
Performance 安全な性能が有るか? 飛行距離、離着陸性能、上昇性能など。
標高の高い空港では下降気流に入った場合でも、十分な性能は有るか? W+Bも大丈夫?
Fuel 十分な燃料は有るか? 不足した場合、代替の空港は有るか?
Maintenance 航空機の状態に異常は無いか。 Preflightなら整備が行なわれているか?
Inspection、Oil交換、計器や装備の状態
enVironment (Weather, Terrain)
飛行と取り巻く環境に、危険が存在し無いかと確認する。
気象状態は? (VFR? IFR? Density Altitudeは? 危険な気象現象は無いか? Turbulence, Icing, Thunderstorm)
Terrain (地形は? 離着陸する場所に障害物は? 山を安全に超えられるか)
高温度で飛行環境は悪化していませんか? 気温が高いけど、離陸後に障害物を越えて、下降気流に負けずに離陸が可能か。そして山越えが安全に出来るか? 気温が低い時はIcingの危険性や霧などの気象障害は無いか?
External Pressure
外部から不要な圧力は無いか? Appointment 「差し迫った無理なスケジュールとかは無いか?」、 無理して家路に着こうとしてないか? 友達や乗客に対して虚栄を張ってないか? など、その飛行や、後々に無理をさせる様な事は無いかなどを意味しています。
スケジュールに余裕が無い時は、フライトをキャンセルする勇気も必要です。
友達に馬鹿にされないか?とか気にしてない? プライドで事故る人が多いが、無理してない?
乗客に変更の可能性が有ると伝えた?
上記がPAVE Checklistに書かれている一部の例です。 私が確実なPAVE Checklistを提供する事はできません。 上記は一例で、全ては書かれていません。 PAVE Checklistは飛行機や飛行内容によって変わって来ますので、ぜひ貴方の飛行教官と作って見て下さい。 準備の良い人なら既に持っているかも。
また PAVEの項目を一つ一つ考えるだけでも今後のフライトを判断する時に、より良いRisk Managementかも知れません。 書いている事は当たり前の事が多いでしょう。 しかし、それらを認識する事で、冷静な判断ができ、より良いRisk Managementが可能になり、一段と安全な飛行できると思います。
上記はChecklistの項目が並べて有るだけでした。 方法によっては、点数を付けて、その合計ポイントで飛行を判断する方法も提唱されています。 色々な方法が有るのですが、より安全に飛行できると思う方法を選んで下さい。 これは機長の責任です。
またPAVE Checklistは離陸前の項目と思われがちですが、飛行中も常にこの様な事を検討しつつ飛行します。 予想外の事が起こっても普通です。 その予想外に対応する為にも、この様な事を予習・復習するのは良い勉強になります。 そして、飛行中でもPAVEを繰り返し確認して下さい。