操縦を楽にする仕組み。Flight Controlの後部に付いている小さなタブ、舵を言います。 (auxiliary control surface)
特にエレベーター・トリムは操縦を初心者でもプロ級にしてくれる便利な装置でも有ります。
Boeing 737 の Aileron Trim
水平尾翼のElevator Trim Tab
|
このタブを適切に合せる事で、パイロットが何もせずにいても真っ直ぐに飛行してくれます。 ほぼ手放し状能で勝手に飛行してくれますので楽に操縦が出来きます。上手な人ほどこのトリムを多く使いスムーズな飛行をします。ヘタな人の特徴の一つがトリムを使いこなすのが出来きない事です。
このトリムと言うのが無ければ、パイロットは常に操縦桿を操作している(力を入れる)必要が有ります。これは簡単そうですが、常に一定の力を操縦桿に入れ続ける必要が有り、それが少しでも狂うと飛行機の姿勢が変り、高度、速度、方向を保つのが困難になります。ですから常にトリムを使用して、手放しでも飛べる様にして下さい。
初期の頃にElevator Trimの使い方を教官から教わります。 その後は、教官の指示が無くても自分の判断で勝手に使用して下さい。 1度目のフライトで教えて貰えなけれれば、必ず2度目のフライトでは教えて貰って下さいね。
多くの教官は一度教えると、後は生徒が自由に使ってると思っていますが、生徒は教官の指示が無いと使っちゃ駄目だと誤解している場合が多くあります。 良く有る誤解なので、一度教えて貰えばどんどんと使って下さい。 変に使い過ぎれば教官が注意してくれますので、それに従えば済む事です。 どんどんと使い、上手なトリム使いを覚えてね。
トリムなんて使わなくても、Privateならなんとか取れるでしょう。 でも、物凄く飛行時間が伸びますので、直ぐにでもトリムはマスターして下さいね。 常に手放しで飛べる状態にしてると、高度や速度は、あまり狂わないので、凄く操縦が楽になります。
エレベーターのトリムは最も大事なので99%以上の飛行機に取り付けられています。 正直、エレベータートリムが無いと言う飛行機は見た事はありません。 しかし、重要度が低くなるのでラダートリムやエルロントリムは付いていない単発の小型機が多いです。 地上で微調節が出来る固定式のが付いて居る場合も多いですが、エレベーターに比べて需要度が低いからです。 まあ、ラダーやエルロンは低出力の単発機ではそこまで必要が無いのです。 エレベーター・トリムは凄く大事なので、コクピット内から操作も出来て、どの飛行機にもあります。 ちょっと良い飛行機になるとElectric Trimと言って電動式のトリム操作機能が操縦桿に組み込まれてる飛行機も多くなるぐらいです。 これはエレベーター、Pitchは目的、エンジン出力、速度、重心、重量、フラップの影響を簡単に受けやすくて操縦に影響が出るからです。
ラダートリムはクロスカントリーとか、長時間のフライトでは便利ですが、短時間のフライトではそこまで大事では無いので単発機では無い飛行機が多くなります。 ラダーの誤差は、真っ直ぐ飛んでいると、ゆっくりとHeadingが変わる時が有るので、その微調節に使う程度です。エルロントリムになると、乱気流か分からないぐらいと思っています。 馬力の大きい単発機かマルチなら便利とは思いますが、その程度。 (マルチの場合は、片肺の事がありますので両方有るのが普通です)
C-152/172には手で曲げて調節するTrim Tab、Ground Adjustableがラダーに付いて居ます。(機種によってはエルロンに付いて居る場合があります。) X-Cなどで足をラダーから離していてもHeadingが変わるなら教官や整備士の指示の元に調整をしても良いでしょう。 Courseが変わるのは風の影響なので、勝手に触るのは間違いです。 水平飛行時の発生すべきでないHeading変化、微妙な期待の歪みへの対応策です。また勝手には行わない様に。