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Anti Servoの原理

Anti Servo Tabの働き:

小型機にも見られるStabilatorは効率が良いのですが、良すぎて、それが欠点となり操作が逆に難しくなります。 人間が操作する時のお助け装置として、Anti Servoが取り付けられています。 また多くの場合は、この部分がトリムの役目も同時にします。

  1. Anti Servo (Tab)は 後ろの部分に付いて居る可動部分(舵・赤い矢印)です。
  2. このAnti Servoは同じ方向に動き、そして本体よりも大きく動きます。
               StabilatorとAnti Servo Tabの動きと関係
    • 操縦桿を引くと、エレベーターは下を向きますが、Anti Servoはもっと大きく下に動きます。
    • 逆に押すとエレベーターは上を向きますが、Anti Servoはもっと上を向きます。
  3. このちょっと大きな動きが、局地的にStabilatorを戻そうとする方向に揚力を多めに生む事になります。
    • 青色の矢印がAnti Servoによる局地的なリフト
  4. 他のTrim Tabと同じで、中心から離れた所に設置されているので、「テコの原理」で大きく影響が出ます。
  5. 操縦桿と反対の方向(元の方向)にControl Surfaceを向け様とするのです。 
  6. これが操縦士には抵抗となって、Flight Controlの動きを感じる事が出来る様になり、それで
  7. パイロットがControl Surfaceの動きを感じる事が出来る様になります。 
    (Anti Servoが無ければ、機首の動きが変わっても、手には殆ど感触が残らないのです)
  8. またAnti Servoの抵抗で、操縦士が操縦桿をOver Controlするのを抑えます。
  9. このAnti Servoも微調整が出来て、Trimの役目も果たします。

Stabilatorと固定場所

固定位置が、航空力学的に釣り合う所なので、回転しようとするモーメントが生まれません。
なお、黒い棒がカウンターウエイトと呼ばれる重りです。 バタバタするのを防ぎます。

StabilatorとAnti Servo部分で発生している航空力学的な力。

Stabilatorでは揚力はほぼ、回転軸の部分で発生します。(緑色の矢印) その為Main Wingと違い回転するモーメント(ちから)が殆ど生まれません。その為に操縦桿には殆ど抵抗が無く、パイロットも何も感じません。 何も感じないので、操縦士は余計に操作してしまいます。(Over Controlと呼ばれる状態)

後ろにAnti Servoを備え付ける事で、青色の揚力が中心点から離れた所で余分に発生します。その余分がStabilatorを元に戻そうとする力になります。他のタブと同じ様に、支点から離れた所なので、小さな力でも大きな影響を及ぼします。 この場合はStabilatorを元の位置に戻そうと働きます。 それが操縦桿にも伝わってパイロットに尾翼の感触を伝えてます。 もちろん、それがOver Controlも防ぎます。

 

話は変わりますが、超音速機ではStabilatorが標準です。 どうでも良いレベルの話で意味も大きく違います。 超音速では衝撃波の関係でStabilatorの方が一般的なStabilizerよりも衝撃波に対して効率的なんです。 このサイトでは、Piperの様な飛行機が超音速で飛ぶ事は無いので、ここでは説明しません。

 

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Intro : 原理 : Stabilator  (Anti-Servo) : 使い方 (私流

 

 
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