トリムはエレベーターが一般的ですので、Elevator Trim Tabを例題に説明します。
Flight Control Surfaceは何もしなければ、中立な状態(Neutral Position)を保ちます。
(右の図の一番上)
機首を上げようとするには、操縦桿を手前に引いて、尾翼のElevator (Surface)を上にしてやる必要があります。 上にする事によって、下に向く力、Tail Down Forceが増えて、機首が持ち上がります。
しかし、そのままだと、気流の関係でControl Surfaceが自然と元に戻ろうとします。
気流がエレベーターに当たるので、戻そうとするのです。
これでは、常にピッチや速度、高度をエレベーターで守るには、操縦士は常に操縦桿を引いておく必要があります。
そうしないと、気流がエレベーターを元の位置に戻そうとします。
この状態では、操縦士が常に操縦桿を一定の力、量で引き続け無いと、適切なピッチが守れません。
人間が何十秒と一定の力を出し続けるのは不可能です。 操作がそれだけなら対応は出来ますが、飛行機は単純じゃ有りません。 その結果、
高度や速度がフラフラとしてしまい、縦が不安定になります。
また、常に操縦士の意識も、操縦桿に行くので、余裕が無くなります。
外を見なくなったり、一部の計器に気が取られて、飛行機全体の姿勢が崩れてしまい、下手なパイロットの見本になってしまいます。
そんなのドタバタの操縦を見て、教官や試験管、そしてお客さんが「下手くそ!」と思います。
それは最悪ですから、ぜひトリムを味方に付けましょう。
経験上、トリムが使わない人は、本当に操縦が下手です。 本当は上手い可能性が有るのですが、トリムを使い切れないので、能力が見えないのです。
最後部のTrimは局地的に小さい揚力を生みます。
Tail全体とは反対方向なのですが、Trimの中心点よりも離れた所で揚力を生みます。
その為、Trimは小さな揚力でも、テコの原理で
Control Surfaceを気流の中でも動かす事が可能で、機体のバランスを取って安定させます。
トリムは操縦桿とは違い、一度操作すると変更するまでは変化しませんので、
安定を求めたり、長い時間の操作に適しています。
その小さな揚力が、Control Surfaceを気流の中ででも安定させて、
尾翼などで、安定した揚力を生ませ、安定したフライトを事が可能にします。
トリムのポイントは小さい力ですが、縁と中心点よりも遠い所で発生し、テコの応用でControl Surfaceに大きい影響を与えます。
反対方向ですが、Control Surfaceをその方向に向けて、 安定した大きな揚力を出させる事です。
また、操縦桿との違いはトリムは、一定の設定した位置で留まる様になっていて、操縦を楽にしてくれます。
自動車や自転車、オートバイでは、ある中立点で安定する様になっています。(基本的に直線方向) 飛行機にも同じ様にあります。
トリム・システムは、この中立点(Neutral Point)を任意の場所に設定する事を可能にします。 しかし、飛行機の場合、特にPitch状態は適切な角度が変化するので、それに合わせて、この中立点を変えてやります。 航空機ではトリムを使い、この中立点を操縦に最も適した位置に合わせます。 (速度を守ったり、高度を守ったりのお手伝いが可能になります。)
このトリムの働きで操縦士に掛ける負担を減らします。 これで、操縦が物凄く楽に行えます。
そして、初心者でもプロ級の操縦が可能になります。